『謂れのない圧力の中で』 

灘高校の校長 和田孫博氏が、同中学の歴史教科書選定に際して受けた「圧力」について述べている。

『謂れのない圧力の中で』

こちら。

適切な歴史教科書を採用したのに、政治家さらには匿名の人々からの圧力がかかったという事情を淡々と述べている。その教科書は、歴史修正主義的な見方をとらない正統な歴史教科書であり、もちろん文科省の検定に通っている。だが、そのリベラルな記述を快く思わぬ政治家、人々がいたらしい。

保坂正康の『昭和史のかたち』という本からの引用が、印象に残る。国家権力は、国民を「正方形」のなかに閉じ込め、その各辺を徐々に短くして行こうとする、というのだ。この「正方形」は、安倍政権下で出来上がりつつある。

以下、引用~~~

そ んなこんな で 心 を煩わせていた頃、歴史家の保坂正康氏の『昭和史のかたち 』( 岩 波 新 書 )を 読 ん だ 。そ の 第 二 章 は「 昭 和 史 と 正 方 形 ̶ ̶ 日本型ファシズム の原型 ̶ ̶ 」というタイトルで、要約すると次のようなことである。

ファシズムの権力構造はこの正方形の枠内に、国民をなんとしても閉じこめてここから出さないように試みる。そして国家は四つの各辺に 、「情報の一元 化 」「 教 育 の 国 家 主 義 化 」「 弾 圧 立 法 の 制 定 と 拡 大 解 釈 」「 官 民 挙 げ て の 暴 力 」を置いて固めていく。そうすると国民は檻に入ったような状態になる。国家は四辺をさらに小さくして、その正方形の面積 をより狭くしていこうと試みるのである。

引用終わり~~~

和田氏が述べている通り、この「正方形」の枠組みは、強固なものでは決してない。灘中高の教科書選定に反対するハガキの文章は、あるプロトタイプがあり、それを元に特定集団から出されたものだった。だが、このファシズムへの動きは、他の「辺」の変化と呼応して、容易に社会を動かすものになりうる。国民を画一化し、同一の方向に強制的に向かせる。

教育基本法の改定、改憲の動きによる、平和教育、民主主義教育の否定、教育の国家主義化はすでに始まっている。将来世代を画一化し、国家主義へ馴化させる教育だ。

安保法制、特定秘密保護法そして共謀罪法は、国民を弾圧するための立法だ。それは、近い将来、国民に牙をむくことだろう。これは、現役世代を国家主義のもとに強制させる法制度だ。

情報の一元化、マスメディアの世界でそれに抗する人々がいるが、巨大権力の前に潰されそうになっている。特定秘密保護法、共謀罪法は、まずマスメディアを抑圧することになる。国民に知らせるべきことを知らせず、時の国家権力に従わせるための情報のみを流す。

官民挙げての暴力は、目に見える形ではまだないが、ネット等を通して言葉の暴力が社会を覆い始めている。この「正方形」の枠組みから脱しようとする国民を弾圧するために、官民挙げての暴力が行われるようになる。

この「正方形」の軛は、自民党改憲草案に明確に記載されている。ファシズムをもたらす、この「正方形」を容認するのかどうか、が問われている。とくに次の世代を育てている方々に問いたい。このままで良いのか、と。


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