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奈良県大淀病院事件初公判 

奈良県大淀病院事件の初公判が開かれた。

昨年、大淀町立病院で、妊婦が分娩時に重い脳内出血を起こし、転院したが、お子さんは助かったものの、妊婦自身は不幸な転帰をとられた。その遺族が、大淀町と主治医を相手に民事裁判を起こしたのだ。

毎日新聞奈良支局が、患者のCTを取らなかった、患者を放っておいた、転院を打診された19の医療機関が受け入れを「拒絶」したと報じて、社会の注目を浴びた。この問題について、拙ブログでも繰り返し取り上げてきた。毎日新聞等マスコミによって、問題の本質に迫る検証は成されていない。むしろ、毎日新聞のこの報道を正当化する記事が、その後も続いている。

奈良県警は、この事件を刑事事件として立件するべきかどうか、専門家の意見を求め、刑事事件としての立件を見送った。このケースに関して得られる情報をネット上で検討した医師達も、大変不幸な経過のケースだったが、大淀病院・奈良県の医療事情を考えても、避けられぬ経過だったのではないかという見解で一致している。

遺族の方は、それでも、民事訴訟に踏み切った。こうした医療事故を追及する組織が、バックについたようだ。

この事件についてまず考えるべきことは、マスコミの報道の仕方である。マスコミは、患者・遺族側に立つとして、一方的な情報を流した。意図的に操作した、誤った情報である。その後、テレビ等は、遺族の方々の苦しい心情を訴えかける報道を行い続けてきた。これは、このケースで何が起きたかということと全く関係のないことだ。こうした医療事故を、事実が明らかになる前に、または事実を故意に捻じ曲げてセンセーショナルに報道するマスコミは、問題を明らかにする能力を欠くだけでなく、むしろ問題を複雑にする。

遺族の気持ちは、何が起きたのか知りたいということだろう。この事件で亡くなられた女性のご主人は、医師に反省してもらいたいという気持ちでいるといった発言をされていた。反省するためには、まず何が起きたのかを、冷静に検討する必要がある。裁判という場が、それを解明する上で相応しいとは到底思えない。が、ここまで事態が進んでしまったなら、裁判で明らかにされるだろう、医学的な事実に向き合い、それを受け入れて頂きたいと切望する。

私は、大淀病院の主治医であった産婦人科医師に非はなく、彼が与えられた場で成しうる最大限の努力をされたであろうことを信じる。

NHKオンライン奈良放送局のニュースより引用~~~

去年、大淀町の町立病院で妊婦が出産中に意識不明となって死亡したのは医師の診断ミスが原因だと夫らが訴えている裁判で、病院側は、「出産中に大量の脳内出血を起こし、どのような処置をしても助けられなかった」と全面的に争う姿勢を示しました。

この問題は、去年8月、大淀町の町立大淀病院で、高崎実香さん(当時32)が出産中に脳内出血で意識不明となり、ほかの19の病院に受け入れを断られて大阪の病院まで運ばれた末、8日後に死亡したものです。
原告で夫の晋輔さんら2人は、「脳内出血を疑わせる兆候があったのに、産婦人科の主治医が放置したため容態が悪化し、死亡につながった」として、病院を運営する町と主治医に損害賠償を求めています。
25日は大阪地方裁判所で1回目の裁判が行われ、被告の町と医師側は、「医師は放置していないし、妊婦が大量の脳内出血を起こしていたことを考えるとどのような処置をしても命を救うことはできなかった」と反論し、全面的に争う姿勢を示しました。
この問題が明らかになった後、大淀病院はことし3月一杯で産科を休診しましたが、これについて被告側の弁護士は、「今回の件でバッシングを受けた結果だ。原告らの誤った主張は医療界をあげて断固正していく」と批判しました。これに対し、原告の晋輔さんは裁判の後、「病院には産科を続けて欲しかったが、事故の検証もせずに廃止を決めてしまった。逃げたとしか思えない」と話していました。

コメント

被告医師の無責を信じる支援の環

こんにちは
私にできることはわずかなことですが、協力していきたいと思っています。
別宅に記事を書きましたが TB できませんので URL を記します。
http://guideboard.blog.com/1877291/

自分も応援します

非医療者ですが、今回の件については思うところが多いです。特定個人を標的にすることではなく、社会全体で何がいけなかったのかを突き詰めて問うことが、本来的に必要だったはずなのですが・・・

道標主人さん

そちらのブログに飛べませんでした。また、改めてトライしてみます。

訴追された産科医の方を、何かバックできる方法があると良いのですが・・・。引き続き、裁判の行方を注目してゆきたいと思います。

鴛泊愁さん

医療関係以外の方に、そのように言って頂けると、嬉しいです。結局は、国民一人一人に帰ってくる問題なのですね。そちらのサイトも読ませていただこうと思います。

日本の周産期医療のため

私も大淀病院産科医師を支持します。

トラックバックさせていただきました。

いつもありがとうございます。

この事件は、福島県大野病院事件と並んで、忘れてはいけない出来事ですね。

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日本の周産期医療のために

はじめに、お亡くなられた方、そしてご遺族の皆様方に深甚なる哀悼の意を捧げます。(Kame様、いい味だしているので使用させて頂きました。)

  • [2007/06/27 09:47]
  • URL |
  • 五里夢中於札幌菊水  |
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