立ち行かなくなる公的年金 

年金財政は、早晩立ち行かなくなる。遠因は、高度成長期に、年金資金を公共事業に湯水のように流し込んだことがある。当初、個々の国民が積み立てた年金資金を老後に受け取る積み立て式だったものが、年金資金が公共事業・公共投資に際限なく用いられたことで、それが不可能になり、現役世代が年金受け取り世代を養う賦課方式に変えられていった。高齢化が進展すれば、賦課方式は立ち行かなくなることは当然のことだ。それが現実になりつつある。

そこで、政府は年金受給年齢を段々と引き上げ、さらに公的年金給付は増やさず、私的年金で老後の生活を賄うように誘導しつつある。社会保障政策の放棄である。

厚労省の年金財政の見通しを見ても、様々な条件のシミュレーションがあり、実体をぼやかしてあるが、高度経済成長など望むべくもなく、少子高齢化への対策も何も打ち出されない現状では、年金財政は最悪の条件で進行してゆくものと思われる。 こちら
さらに、年金資金の株式市場への投資を、安倍政権になってから大幅に増やした。現在、資産バブルが進行中で、何時かはそれが破たんする。その際に、年金財政は大きく毀損される。すると、この厚労省のシミュレーションを下回る可能性も出てくる。

安倍首相は、国民に自助努力を促しているが、彼や、これまでの政権の責任は一体どうなるのだろうか。

以下、引用~~~

私的年金拡大の政府方針、「老後は自分で何とかしろ」の意味
8/27(日) 13:00配信 マネーポストWEB

公的年金だけでは老後の生活はままならない

 厚生年金や国民年金の保険料が値上げされ、受給額は毎年カットされ、さらには75歳年金受給開始も検討される一方で、政府は公的年金の保険料とは別に、iDeCo(イデコ)など企業やサラリーマンが個別に掛け金を積み立てる「私的年金」の普及拡大に力を入れている。

「少子高齢化が進展する中で、国民の老後の所得保障を充実させていくためには、公的年金に加え、企業や個人の自助努力による私的年金を充実させていくことは重要な課題と認識しております」

 安倍晋三・首相は今年3月の参院本会議でそう強調した。だが、国民の「老後の所得保障」は公的年金の役割のはずだ。国民や企業が公的年金の他に掛け金を負担する私的年金は国による保障でも何でもない。

 政府は「100年安心」を謳った小泉政権時代の年金改革(2004年)で「年金は将来にわたって現役時代の収入の5割を下回らないようにする」と国民に約束し、現在の安倍政権も約束を引き継いでいる。しかし、5年ごとに行なわれる厚労省の年金財政検証(2014年)では、働く高齢者や女性の割合が大きく増えなければ、40年後の年金給付の水準は今より3~4割目減りし、現役世代の平均収入の5割を割り込むことがわかった。

 首相が私的年金に加入しろというのは、老後の生活に“公的年金が払えないから自分で何とかしろ”という意味に他ならない。現役時代にコツコツ年金保険料を支払ってきた高齢者は「自助努力」と言われても納得がいかないはずだ。

 現在の高齢者がサラリーマン時代の保険料の総額を計算すると、驚くべき金額になる。

 厚労省の標準モデル(現役時代の平均月収40万円で厚生年金に40年加入)の場合、支払った年金保険料の総額は2948万円に達する。大卒総合職の60歳定年時の退職金(一時金と企業年金の合計)は大企業が多い経団連の調査で約2374万円、東京都産業労働局がまとめた中小企業のケースで平均1123万円だから、老後の蓄えとなる退職金以上の金額を国に保険料として納めてきたのだ。これは「自助努力」そのものだろう。

 高齢者を75歳まで働かせることで年金を減額し、“老後の保障は私的年金に加入せよ”とはどの口がいうのか。

※週刊ポスト2017年9月1日号

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/5235-47a6c681