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毎日新聞の大淀事件初公判報道 

大淀事件をスクープした毎日新聞は、自身の報道の目的は、産科医療のシステムの問題を指摘し、それを改善することだと表明していた。

ところが、大淀事件初公判の報道振りは、それに大きな疑問を投げかけるものだった。

大切な母親・妻・娘であった家族を失った遺族の悲しみは大きいだろうことは想像するに難くない。しかし、その悲しみは、亡くなられた方の医学的な経過とは、直接は関わらない。毎日新聞は、遺族の悲しみにだけ焦点を当てて、それに感情移入しきっている(下記記事、下線部分)。

民事訴訟の初公判である。まだ、審議もなされていない。

毎日新聞は報道機関としての良識が問われている。「娘の死を産科医療の充実のために生かしてほしい」という、遺族の願いを、毎日新聞はどのように聞いたのだろうか。

以下、毎日新聞より引用~~~

奈良・妊婦転送死亡:賠償訴訟 初弁論、夫が涙の訴え 両親も癒えぬ悲しみ

 ◇「命助けようとする必死さ伝わらなかった」

 ◇娘の死、産科医療に生かして----両親も癒えぬ悲しみ

 奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)の転送が難航した上、死亡した問題で、夫晋輔さん(25)と10カ月の長男奏太ちゃんが町と担当医師に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の初弁論が25日、大阪地裁(大島眞一裁判長)であった。晋輔さんは「命を助けようとする必死さが伝わってこなかった」と涙ながらに意見陳述。被告側は「早く搬送していても救命の可能性はなかった」と全面的に争う姿勢をみせた。【高瀬浩平、撮影も】

 この日、実香さんの両親も傍聴。母(58)は終了後、「あの子は天国から見守ってくれたと思います」と涙を浮かべた。

 晋輔さんが意見陳述に立つと、母は胸に抱いた実香さんの遺影に「見守っててね」と語りかけた。手にした赤い巾着(きんちゃく)袋の中には安産のお守りと、実香さんの回復を願って写した般若心経。「奇跡が起きて良くなりますようにと、わらにもすがる思いでした。あの子の枕元にずっと置いていました。奇跡は起きませんでした」と袋をさすった。

 弁論で、母は被告側の「社会的なバッシングで大淀病院は周産期医療から撤退した」との意見表明に心を痛めた。「実香の死で病院が閉鎖に追い込まれたかのような主張。実香も『そうじゃないでしょ』と言いたいと思う」と少し口調を強めた。

 父(60)も「娘は亡くなったのに、被告側が被害者だと言っている感じがした。なぜ亡くなったのか、なぜ脳内出血が起きたのか究明してほしい」と訴えた。

 母の悲しみは癒えない。一日に何度も仏壇に手を合わせ「どうしてる?」「実香ちゃん。安らかになれたらいいね」と話しかける。24日に墓参りし、「正しい道が開かれますように見守ってね」と祈った。

 父も「寂しさや悲しみは和らぎ、薄らぐことがない日がたつにつれて増していく感じ娘は妻として母としての夢があった。子どもにどんな服を着せよう、どんなお弁当を作ってあげよう、と言って、普通の平凡な生活を望んでいたと思う。夢を閉ざされて無念だっただろう」と話した。訴訟については「娘の死を産科医療の充実のために生かしてほしいというのが親としての思いだ」と話した。

コメント

これはひどい!!!

いくつかの報道機関の書いた記事を読みましたが、毎日のそれは最悪ですね。

遺族の心中は察するに余りありますが、あまりにもお涙頂戴を強調しすぎている。
遺族の心情と真実の追究は、これはまた別次元の話です。

どういう展開を経れば遺族は満足するのでしょうか。勧善懲悪ものの見過ぎでは?
やはりマスコミの害悪を、つくづく感じます。

マスコミがこの国を、住みづらく、悪い国へと貶めているように思う。

年金問題も、国民総背番号制の導入ができなかったこととあながち無関係ではないようにも感じるのですが…。

マスコミをいっしょくたにして批判するのは、恰も医師を一まとめに批判するのと同じで、不味いことかと思っていましたが、毎日新聞の奈良・大阪方面の支局の記者に関しては、一まとめに強く批判されてしかるべきでしょうね。正月の毎日新聞の座談会でも、大阪支社の編集の責任者だったかが、大淀事件報道を正当化していました。きっと、この報道の仕方は、毎日新聞、または少なくともその大阪支社の方針に沿ったものなのでしょう。

こうした真実追究とは異なる報道をしていて、記者は疑問を感じないのかと不思議に思います。

文は形容詞から腐る

「文は形容詞(句)から腐る」と書いたのは、確か、開高健でしたね。
なるほど、腐りきった記事です。

ところで、あまり取り上げられていませんが、提訴した時の記事が掲載された紙面も、興味あるものでしたね。
本記事と同量の【解説】なる文で、「マスコミが医療事故を騒ぎ立てるから医療が崩壊するという論理があるが、今回の場合には当てはまらない。今回の件は誤診による明らかな医療ミスである」といった趣旨の内容だったと記憶しています。
いやはや、驚きました。

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