終末期医療の充実を 

庭の仕事を一手に引き受けて下さっていた、Hさんがしばらくの休みを経て、昨日から復帰してくださった。何しろ田舎のだだっ広い一軒家なので、彼の助けがないと、庭の大きな仕事が片付かない。しばらく前に母上の介護が必要なので、休みたいとの連絡を頂いていた。昨日伺うと、三週間ほどの病ののち、今月上旬に亡くなられたとのこと。感染症から肺炎を起こし、皆に看取られつつお亡くなりになったらしい。御年96歳。大往生と言ってよいのだろう。三週間入院期間中は、家族がチームを組み、泊まり込みで世話をなさった由。死の病の苦痛はあったかもしれないが、家族に見守られ亡くなられたことは、彼女にとっては幸せなことだったろう。

Hさんにお悔やみを申し上げ、その上で、これからは母上のように医療機関で往生なさることは難しくなると申し上げた。急性期病床をどんどん減らし、在宅医療が推進されているからだ。Hさんは首をかしげておられた。それもそうだ。いくら高齢の方とはいえ、亡くなるというのは大きな事件だ。病気によっては、家族が24時間看護し続けることが必要になる。患者の訴えに対応し続けるのは困難を極めるはずだ。訪問診療等の手助けはあるが、必要な時にいつでも診てもらえるわけではない。看護・介護は、家族に任せられる。今後、高齢者が高齢者を看護するケースが増えるはずだ。

死亡原因の一位を占める悪性腫瘍では、疼痛管理等とくに手間がかかる。本来は、ホスピスで終末期医療を受けるのがベストなのだが、全国にホスピスは7000病床しかない。一年に100万人以上亡くなり、その一番の原因の悪性腫瘍で特に必要なホスピスがこの現状だ。在宅医療で疼痛管理を行うこともあることを知っているが、やはり専門のホスピスが望ましい。

社会保障の充実は、対象を高齢者から若年に移すらしい。それは結構なことなのだが、終末期医療は今後需要が高くなり、それは国民全体の生活の質にも関わる。医療等の社会保障の削減は、引き続き行うと安倍首相は述べている。だが、多死時代を迎えて、終末期医療の充実はどうしても行わなければならない。

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