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死に絶えつつあるCWによる会話 

このブログでも何度かコメントを下さったJA3UMKさんが、A1ClubのBBSに、「英文で交信している局は7メガのどこに出ているのか」というスレッドを立てられた。そこに今朝、結構長いコメントをしたのだが、今見たら、それが消去されていた。エチケットコードに引っかかるような過激なコメントではなかったはずなのだが(笑)・・・何か問題があったのだろう。コピーしておけば良かったのだが、原稿はなし。で、「CWは死につつある」という私のモットーにも関わることなので、ここに同じ趣旨の文章を記しておきたい。

英文による会話をCWで楽しむ局は、激減している。国内では、常時出ているそうした局は皆無と言ってよい。これは、国内だけにとどまらず、海外、とくにアマチュア無線の本場であるアメリカでも同様の傾向がある。3.5や7メガであちらの朝方、ラグチューを愉しんでいる局がいるとは聞くが、限られた数でしかないようだ。少なくとも、私はあまり聞かない。

CWで会話を楽しむ技能は、かって商業無線通信士であったアマチュアハムが主な担い手だった。彼ら自身がCWでの会話を楽しみ、後輩を育てていったのだ。残念ながら、そうした無線通信士上がりのハムが、高齢化により無線から遠ざかり、ないしはサイレントキーとなり、お空で聴くことは殆どなくなってしまった。

その現状認識の上で、なぜCWによる会話が大切なのか、という問題について記す。

近年、MRIを用いた研究手法の開発により、脳の機能局在、機能そのもの解析が行われるようになってきた。CWの大脳生理学的な研究もいくつか見られる。簡単な符号による聴覚を介する認識過程、または第二言語習得過程の研究の一環として行われている。そうした研究で明らかになってきたことは、CWは、読み書き、とくに読むことと相同であり、その技能習得により、脳の一部が活性化し、不可逆的な変化がみられる。CW受信の際に、「見込み」が重要な働きをし、それが達成されるときに満足感が得られる、という私の観察は、音楽における予測とそれに伴う喜び、報償の感情が音楽の本質であるとする、大脳生理学的な研究と対比しうる。要するに、CWは高度に知的な作業であり、予測と、それが達成されることの喜びに、その愉しみの本質がある、と言えるのではないか。

こうしたCWの愉しみは、単なる意味のない記号のやり取りだけでは得られない。それが、大脳生理学的に明らかにされつつある。従って、CWによる会話からしか、本当のCWの愉しみは得られない、ということだ。

CWによる会話は、交信する相手との人格的な交わりを可能にする。私の経験からすると、それは一生を通しての関係になる可能性が高い。これはCWそのものの属性ではないが、経験的に、そうした人間的な愉しみを与えてくれる通信手段だと言える。問題は、語学の力と、最初に述べた相手が減りつつあること。語学は、それほど高度なものを要求されないことは、以前から何度も記した通り。激減しつつあるラグチュワーに出会う具体的なアドバイスは、以下に述べるようなことになる。JA同士で楽しむことも否定はしないが、やはりnativeから刺激を受け、学習することが一番だ。いわば、無線を通して海外留学するようなものだ。そして、海外に友人ができる。太陽活動が最低の時期でも、そうしたnativeとの交信は可能だ。

1)JA、または近傍の国にいるnativeのハムと交信する。伊豆にリモートシャックを設置してactiveなGeo 7J1ATG、沖縄から良く出ているSteve JS6TMW等々。シンガポールのJohn 9V1VVもかっての商業無線通信士であり、ラグチュワー。DUにも二、三人いる。KH6にも古き良き時代の運用スタイルを守っているハムがいる。

2)やはり無線の本場、北米のOT達を狙う。残念ながら、ラグチューを愉しむOTの数が劇的に少なくなっているのと、パスの関係で、小さい設備では難しいことが多い。最近の一番activeな局は、何と言っても、W7RNのビッグステーションをリモートでフロリダから運用する、Ellen W1YLだろう。こちらの日暮れ時、オペレーションデスクに乗って邪魔をする愛ネコのOreoを一時シャックから隣部屋に追い出して、頻繁に出てくる。以前のポストにも記したが、高齢で、歩くことも大変になりつつあるが、CWがあるから毎日が楽しいと仰る方だ。VEにも古き良き時代の運用スタイルを守っている局がいるが、あまり強くないことが多い。日暮れ時の7メガ、7時JST前後の14メガが、もっとも開ける。

3)穴場なのは、夕暮れ時から夜早い時間帯の7、14メガに出てくるVK/ZL。このパスはとても安定しており、小さい設備でも、交信は難しくない。VK5EEE、VK4CU等々。数は少なくなっているが、30、40年前と同じスタンスで無線を愉しんでいる方たちだ。おそらく、ワイアーアンテナとベアフットでも安定して交信できるはず。

CWは死に絶えつつある、というのが、私のモットーであることはすでに記した。そうあっては欲しくないとは思うが、その方向に状況は進んでいるように思える。たとえ死に絶えつつある通信モードであったも、輝かしいCWの歴史の最終章を今生きていることを、自らのactivityを保ち確認して行きたいものだ。いわば、この時代の生き証人になるわけだ。

コメント

Native との交信について

SHIN OM
初めて書込します、当局JG2OXJ/Motoです。1回だと思いますがお空でQSOいただいた記憶があります。またOMのコールサインは7.026Mhz近辺で拝聴しております。さて、今回「NATIVEとの交信機会について」の記事を拝読させて頂きました。当方も海外DXを是非試みたいと思っております。当方の設備は、50Wリグと8mH短縮ダイポールアンテナ(21と7Mhz用)で現在運用しております。資格は3アマです。ご相談は、より多く海外局との交信機会を増やすことを想定した場合、アンテナ等フルダイポール等の工夫で改善するものでしょうか?少しお知恵をお貸しいただければ幸いです。突然のお願いですがよろしくお願いします。尚、未だにCWは13WPM程度で縦振り電鍵です。

MOTOさん

50Wに短縮ダイポールだとすると、ラグチューをするのであれば、やはり10メガ、14メガの方が良いかもしれません。7メガでも、いわゆるラバスタであれば、大丈夫かとは思います(下記の通り時間帯によります)。

ロケーションの状況にもよりますが、ダイポールはできたらフルサイズにして、高さをできるだけ上げることが良いのではないでしょうか。できれば、15m以上。ノイズが少ない環境でしたら、バーチカルも試してみても良いかも。その場合、やはりフルサイズで、高さ2,3mとすると、ラジアルは3,4本で十分です。

でも、現用の設備でも、近場だったら十分行けるでしょうし、7メガでもCONDXの良い時間帯を狙えば、楽しめると思います。

まずは、一歩を踏み出してみてください。

SHIN OM
早速のコメント有難うございます。
色々装備の検討は引続きしますが、まずは
コンディション等の条件(お空の状態・時間帯)を調べてみようかと思っております。また、お伺いすることになるかと思いますが是非お知恵をお貸しください。

A1クラブBBSの件
Res.11にShin OM のメッセージを読むことができます。 Oct.21 2200 JST

Re: タイトルなし

> A1クラブBBSの件
> Res.11にShin OM のメッセージを読むことができます。 Oct.21 2200 JST

了解しました・・・というか、今日の夕方気づきました。でも、なんでアップが遅れたのでしょうかねぇ。アップされなくても別に構わないのですが。いずれにせよ、ご連絡をありがとうございます。

ご無沙汰しております。
このところ仕事が忙しく、ほとんど無線機の前に座ることができておりません。リタイアをしたら思う存分無線を楽しみたいと思うのですが、その頃にはさらに状況が悪化しているかもしれません。
CWに限らず、無線で会話を楽しむということが激減しているのでしょうか?
最近のデジタルモードの盛況がそれに拍車をかけているような気もします。
極力時間を見つけて、QRVしたいものです。それにしても、せっかく時間が取れる週末に台風が来たり、バンド中がコンテストだったりでは、ガッカリですね。

Re: タイトルなし

Nobuさん

仕事が一番油の乗る年齢でいらっしゃるから、仕方ないのかもしれませんね。健康にだけは注意して、走り切ってください。

フォーンの方のactivityは良く分かりませんが、ちらちらとフォーンバンドを聴くと、やはり昔のような活気はないように感じます。全体の高齢化と、CONDXの低下が関係しているのでしょう。

CWはとくにinactiveになってきており、一部の方はデジタルモードに移行している様子ですね。ラバスタ以前のコンテストスタイルの交信であれば、とくにCWに固執する必要はなく、小さい設備で交信できるデジタルモードへの移行は必然でしょう。

次のサンスポットサイクルのピークに一体どうなっているのか・・・あまり良い予想はできなそうに感じます。でも、アマチュア無線自体がなくなると言うことはないでしょう。時間の許す範囲でお出になってください。どこかでまたお目にかかりましょう。


> ご無沙汰しております。
> このところ仕事が忙しく、ほとんど無線機の前に座ることができておりません。リタイアをしたら思う存分無線を楽しみたいと思うのですが、その頃にはさらに状況が悪化しているかもしれません。
> CWに限らず、無線で会話を楽しむということが激減しているのでしょうか?
> 最近のデジタルモードの盛況がそれに拍車をかけているような気もします。
> 極力時間を見つけて、QRVしたいものです。それにしても、せっかく時間が取れる週末に台風が来たり、バンド中がコンテストだったりでは、ガッカリですね。

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