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「パラダイス文書」 

昨年、パナマ文書が明らかになった際に、そこに見出された我が国の個人・法人の名は多くなかったと報告された。だが、個人・法人の名の多くが、実在しない、または偽名であることが分かっていた。その後、当局がさらに追及したという話は聞こえてこない。

何しろ、マスコミを支配する電通が、パナマ文書に登場するので、マスコミは真実の追求に腰が引けているのではないか。タックスヘブンは、パナマのモンサク・フォンセカだけではない。ここに登場するバーミューダそれに米国本国にもある。東京オリンピックの招致で賄賂をIOC関係者に贈ったのも、シンガポールのタックスヘブンを経由してのようだった。

タックスヘブンは、脱税・マネーロンダリングの温床になっている。これを通した投資・資金還流の実態を追及するマスコミはわが国では皆無だ。下記のパラダイス文書について情報を公開した朝日新聞には拍手を送りたい。政治家・官僚も、こうした脱税に関与しているのではないか。でなければ、大きな税収を確保できるはずのタックスヘブンへの追及はもっと熱心に行われるはずだ。

発泡酒への増税等取りやすいところから取る当局の姿勢には納得できない。租税回避地に会社を設立したり、そこの会社に投資したりしている個人・法人は、税務を適正に処理しているとしばしば弁明するが、それは本当だろうか。税務当局は、どれだけ本腰を入れて追及しているのだろうか。疑問だ。

以下、引用~~~

商社・損保・海運…日本企業も「パラダイス文書」に続々
吉田美智子2017年11月6日07時03分

 南ドイツ新聞と国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手したファイル「パラダイス文書」には日本の法人や個人も数多く登場する。国内の地名をもとに調べると1千超。これまで見えにくかった日本企業によるタックスヘイブン(租税回避地)を利用した様々な取引の一端が浮かび上がった。

【特集パラダイス文書】疑惑の島 トランプ政権X氏の謎

 大手商社・丸紅は、カリブ海に浮かぶタックスヘイブンの英領ケイマン諸島に資本金1ドルで設立した特別目的会社(SPC)を通じ、重工大手・IHIの航空機エンジン開発プロジェクトに投資した。丸紅によると、販売代金の一部を配当として受け取る契約だという。

 文書によると、投資額は2007~10年で少なくとも7060万ドル(約80億円)。丸紅は投資の際、複雑な仕組みをつくり、グループ間で資金を回していた。①ケイマンにある丸紅の金融子会社がSPCに貸し付け、②SPCがIHIに投資、③丸紅本社からSPCに資金を拠出、④SPCが金融子会社に返済、といった手順だ。文書流出元の法律事務所「アップルビー」との間で会社設立を急ぐような記述もあった。

 日本企業間の投資でケイマンのSPCを経由させたことについて、丸紅は「航空機業界は米ドルで決済するため、為替リスクの軽減を図った。契約当事者となる会社が必要だったため、最少額で設立した」と説明。日本にはタックスヘイブンにある法人について、実体がある場合などを除き、所得を国内の所得と合算して課税するタックスヘイブン対策税制があり、丸紅は「税制の対象会社で、適正に税務申告している」とした。

 IHIは「個別契約の詳細は差し控えたい。なぜ丸紅がケイマンの子会社を通じて支払う形にしたのかは分からない」としている。

 海運大手・日本郵船と大阪ガス子会社は06~09年、中東から日本に液化天然ガスを輸送するため、共同出資で六つの船舶投資会社をケイマンに設立。タンカー3隻を運航している。日本郵船によると、海運業界では、船や船員の管理がしやすく、経費が抑えられる国に船籍を置く「便宜置籍船」がよく使われている。

 パラダイス文書から見つかった投資会社の株主協定には両社の担当者らが署名。「本契約の当事者は、当社が特例会社として、税務目的でケイマン諸島に常駐していることを確認し、そのような税務上の地位が維持されることを確保するためにすべての合理的な努力をする」とあり、税負担の軽減が目的とも受け取れる。

 日本郵船と大阪ガスは「会社運営の円滑化を目的に会社をケイマン籍にしたが、現地の法令に従い、免税会社となっている。協定の税務に関する部分は努力規定で、日本で親会社の所得に合算して適切に利益の申告と納税をしている」と説明している。

 北大西洋に浮かぶバミューダ諸島は、大規模災害に備え、保険契約の一部や全部をほかの保険会社に引き受けてもらう「再保険」の一大マーケットとして知られ、日本の大手損害保険会社も進出している。

 東京海上日動火災保険は00年、再保険子会社をバミューダに設立。現在は本社をスイスに移し、そのバミューダ支店として主に欧州や米国の保険を引き受け、日本人2人を含む従業員約80人が働く。再保険の最先端のノウハウや人材が集まり、情報収集もしやすいという。同社は「実体のあるビジネスのため、日本では課税されない。また、スイスでは支店の利益は課税対象外で、(法人税がかからない)バミューダに帰属する支店所得は課税されていない」としている。

■亡き父が運用、2億円と判明

 パラダイス文書によって海外に眠る個人資産の詳細が判明したケースもある。

 2008年に亡くなった東京都内の金属販売会社の前会長はバミューダ諸島の銀行の米債券ファンドに投資していた。運用額は約180万ドル(約2億円)。文書には、株主総会の決議や財務諸表などを前会長が承認して署名した書類などがあった。

 前会長の50代の息子は、後を継いで社長に就任。前会長の死後、文書流出元の法律事務所「アップルビー」からファクスや電話などで顧問料を請求されて父の投資を知った。だが、いくら運用していたのか詳しくわからず、相続税申告の際にこの資産は含めなかったという。社長は「父はこれほどのお金をどこから調達したのか。海外での資産運用なんて聞いたこともなかった」と首をかしげた。(吉田美智子)

■「日本への税、流れている」

 《三木義一・青山学院大学長(租税法)の話》 タックスヘイブンの利用について、日本企業では、租税回避を目的としているのは一部で、(税制や規制などで有利な国に船籍を置く)便宜置籍船や海外の企業の買収などが多いと言われている。一方で、日本で納税されるべきお金がタックスヘイブンに流れているのも事実だ。タックスヘイブンは「守秘性」が高く、通常はその利用法が適切かどうか、一般市民が知るすべさえない。その闇に光をあてる意味でも、秘密文書がその一部をつまびらかにする意義は大きい。本来であれば、企業が積極的に開示していくのが望ましいだろう。

■パラダイス文書に登場する主な日本企業

 企業 内容 コメント 

ソフトバンク 2000年、世界銀行グループと共同でネット関連企業を米シリコンバレーに設立し、バミューダに登記 途上国でのネット関連企業の育成を目的に共同で会社を設立したが、本格的な活動に至らず、すでに清算した。10年以上前の話で、経緯の確認はできない

東京電力 フィリピンの電力事業に参入するため、オランダの子会社が丸紅と共同出資して会社をフィリピンに設立。その会社がバミューダに子会社2社を保有していた (米企業から電力事業を)買収後の組織再編の過程でバミューダの2社は清算した。1社は米企業から買収した会社を社名変更した会社で、組織再編や清算は各国の法制度に従い適切に実施している

三井住友海上火災保険 2011年に変額保険の再保険会社をバミューダに設立 利益の全額に対して、日本で納税している

住友商事 中東アブダビの発電・造水事業を手がけるケイマンの事業体に、オランダ子会社が出資し、配当を受領 ケイマンの事業体を含むスキームについては事業権益取得前から組成されている。オランダ法人を経由しても、経由しなくても納税額に差はなく、適切に課税処理している

三井物産 バミューダに本社を置く、中国・香港で事業展開する食材加工販売会社に出資 すでに株式は保有していない。租税回避地の関係会社については、適正に日本での法人税申告に含めている

商船三井 液化天然ガス船を保有するケイマンの会社の株式を東京ガス子会社に譲渡 船舶の取得手続きを機動的に行うため、外国に特別目的会社を設立している。ケイマンの会社の所得は日本で適切に税務申告している

京阪ホールディングス 中国・大連の不動産開発プロジェクトに投資するため、中国企業の提案を受けてケイマンの会社に出資を検討 検討はしたが事業化には至っておらず、コメントすることはない

UHA味覚糖 中国現地法人の上場を計画し、持ち株会社設立を目的にケイマンに会社設立 社長の個人出資で会社を設立したが、中国経済が落ち込み、上場を見合わせたため、持ち株会社に至っていない。休眠状態で会社活動をしていない

日本アジア投資 ケイマンに本社を置き、中国で営業する医薬品製造受託会社に投資 将来性のある企業と判断して投資した。海外の所得も含めて日本で税申告している

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