Larry W7CB 逝去 

夕方の7メガの数少ない常連だった、Larry W7CBがこのところ聞こえないと気になっていた。ネットで調べたら、彼が昨年3月に逝去なさっていることが分かった。私が最後に彼と交信したのが、同年3月上旬だったから、それから間もなくのことだったようだ。ログの記録によると、同月に予定されていた心臓の弁の置換手術が1,2か月延期になった、と仰っていた。心臓の状態が急速に悪化したのだったろうか・・・。もう80歳台半ばを過ぎておられた方だが、惜しい方がまたサイレントキーになってしまった。

彼のことは、こちらで紹介している。アマチュア無線に熱心な方で、本当にactiveに出ておられた。また、かっては教職、そして校長という職にあり、仕事も立派にこなしてこられたのだろう。大家族をまとめる一族の中心的な存在でもあったようだ。アマチュア無線のお付き合いを通して感じさせられたのが、彼の飾らぬ正直な性格だった。CWの速度が早くなると取れないことがあるらしく、その際には正直にその旨を仰った。彼ほどのキャリアーがある方では、そうしたことはなかなか言えるものではない。また、常にこちらへの関心も持って下さり、交信のメッセージの最後には、何かこちらへの問いかけで終わるのを常としていた。日の暮れるころ、カリフォルニア中部の山間の町から聞こえてくる彼の信号はいつも楽しみにしていた。

彼のようなオペが激減している。それについては繰り返しここでも記してきた。大きな要因は、やはりオペの高齢化である。高齢になると、無線をする気力が失せるのだろう・・・私も、それが他人事ではなく感じられるようになってきた。病気にかかり、亡くなる方も多い。それに、高齢化によって起きるもう一つの問題は、病気や死去という前に、他者に対する関心の喪失が挙げられる。一人語りをするのは、高齢者だけではないが、高齢になると、その傾向は強くなる。CWのように通信効率の悪い通信手段では、一人語りを延々と続けられると、それだけで終わってしまうことがよくある。それは、CW交信への興味・関心を大きく減じることになる。それで、CW通常交信のactivityがさらに下がることになる。これも他人ごとではない。

ここで何か希望を持てることを述べなくてはいけないのかもしれないが、残念ながら、それはなし。CW交信の最後の輝きの時代に輝いてその終焉を見届けよう、というのが、私の最近のスローガンだ。

今朝14メガで会った、Jim W6YAは、4歳の孫にモールスコードを覚えさせている。八文字覚えた、と嬉しそうだった。そうした技能の伝達が、間に合うのかどうか・・・。Larryも確か息子さんが無線を引き継いでいるようだが、CWには出てこないと仰っていた。

CWを通して知り合った、人間的に尊敬できる先輩が一人姿を消した。

コメント

 W7CB とは私も何度か交信をしたことがあります。
昨今、無線界での逝去の報に接することが多くなってきました。寂しい限りです。ご冥福を祈るばかりです。

 CWのほうは、ワッチをしている限りではまだ風前の灯火ではないように感じています。
 たしかにCWでのチャットは激減しましたが、それでもCWは弱小設備の局にとってはなくてはならないモードであると感じています。
 DLで3度QRVした経験があり、2015年には2ヶ月という長期でした。その時にも、EU内では非常に活発にCWの交信がされていると感じました。もっともJT65/FT8以前でしたが。
 そうはいうものの、わが方も電鍵を操作するよりも、リグに繋いだPC上のソフト(今はSDRを使ったスペクトラムスコープなど)をあれこれすることが増えました。
 アマチュア無線にはいろんな楽しみ方があるのだと思っています。日本の場合には世界的にも非常に特異な免許制度で、自由な実験が大きく制約されているのが残念ですが、それでもまだまだ楽しめると考えています。
 いつものように雑ぱくな感想ですみません。
 本年もどうぞよろしく。

アマチュア無線、CWの愉しみ方には、いろいろな面がある、自分が愉しいと思うやり方で愉しんでゆけばよい、という論は、その通りだと思います。ここで述べた、一見悲観論(私に言わせれば、確実な見通し)は、私の経験と、考えに基づくものであり、他の方に同調せよとか、他の考えを否定しようと言うものではありません。

もう繰り返し、このブログにも記しましたが、もう一度私の考えを記しておきます。

『CWの存在意義』

CWの根本は、意志疎通を図る通信手段としての意義にある、というのが私の基本的な立場です。特にCWの受信に際して、rewardの感情が生まれ、それがCW運用の愉悦感になる、ということです。

『それ以外のCWの愉しみ』

小さい設備で楽しめるモードとしてのCWは、おそらくデジタルモードに置き換えられてゆくでしょう。それが、最近起きている現象だと思います。CWの送受信の訓練という面倒なことがなくて、小さい設備で遠くと交信できるというデジタルモードの特性は、CWの一部の愛好者(それを目指す方々)をも取り込んでゆくことでしょう。

『長く続けること』

半世紀以上(途中抜けた時期も10年間ほどありましたが)の経験からすると、CWで意思疎通をする方以外で、「長く」楽しんで来られた方は極めて少ない、ということがあります。昔は、コンテスト、DX、ラグチュー、機械の製作すべてをこなす方がメインでしたが、大多数は、ラグチューの能力が優れた方だったように思います。そうした方が、この趣味を長く愉しんでこられました。短期間でいなくなることが悪いとは言いませんが、何が本物かを見分ける一つの尺度が、長く続けられるかどうか、であるように思います。

『CW界の現状認識』

ご存知の通り、私は7や14に居座って、CQを出すことが多いのですが、それに対する応答が極端に減っている。同じ感想を、最近KZ5D、GW3YDX等から聞きましたし、他にも同じことを仰る方が世界的に多数います。この減少の仕方は、この1,2年が極端に大きくなっています。これは私と意識を同じくする方だから、という面もありますが、ラグチューだけではなく、普通の交信をする方も減っているでしょう。

『ハムの高齢化』

これについてはポストに記しました。結構これが一番おおきな要因かもしれません。

『日本のアマチュア無線免許制度のガラパゴス化』

これも多言は不要でしょう。海外から見たら、我が国の制度は理解不能なのではないでしょうか。時々説明をしようとしても、理解されない、首をひねられるのがオチです。若い人が、こんな制度のもとではアマチュア無線に魅力を感じないのではないかと思います。JARLもジリ貧でしょう。日本のアマチュア無線機器メーカーも、少なくともわが国の市場は縮小を続けるので、撤退するか、海外に市場を求めざるを得なくなります。

ネガティブと思われることを列挙しましたが、CWに関しては、最初に記したCWの存在意義が失われることが一番大きな因子でしょう。

以上が私の見解です。

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