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受験時代の思い出 

この時期になると、まだ受験時のことを思い出す。受験の前の年の秋ごろから、この時期にかけて、私は、呼吸困難に襲われるようになった。呼吸困難と言っても、全身性に障害が及ぶものではなく、空気枯渇感ともいうべきもので、吸気が十分できないという感覚だった。ときどき大きく肩で呼吸しなければならなかった。

どうも精神的な問題のようだという見立てて、父の知り合いの精神科医に診察をお願いした。一通り、話を聞き終えた彼は、私に厳しい叱責の言葉を投げかけた。何らかのアドバイスなり、治療を期待していたのにと思ったが、もうそうしたものは期待しないでやり抜く以外にないと腹をくくった。時々、肩で呼吸しながら、受験を乗り切った。受験が済み、平穏な生活が戻ると、その症状は徐々に消えていった。

今から思うと、あれはパニック発作の一種だったのではないかと思う。当時は、まだパニック障害・パニック発作という概念はなく、不安神経症とくくられていたのではなかったろうか。医師になってから、同じ症状の方、またはもっと典型的なパニック発作の方に時々出会い、適切な対応ができたと思っている。呼吸困難、多呼吸、頻脈等の呼吸循環系の問題を発作性に起こす場合は、この病気を考える必要がある。多くの場合は、ベンゾディアゼピン系の薬物の短期投与で改善する。ただ、この薬は、長期になると依存性があるので、注意すべきだ。この系統の薬、とくに短時間作用性の薬の場合、切れ味はよいのだが、依存性の問題が出やすい。場合により、SSRIの連用も行われるようだ。また、うつ病などを基礎に持ち現れるパニック発作の場合は、うつ病への対応が必要になる。心療内科・精神科の領域となる。

どうもこの病気には遺伝性の要因が大きいように思える。母が、しばしば「セルシン」を用いていたのを覚えている。母も同様の病態に悩まされていたのかもしれない。こうした精神身体的な疾患は頻度も多く、それに悩まされている方も多いのではないだろうか。そのような方が、進歩している医療の恩恵を受けて、その悩みから解き放たれることを望みたい。

受験時代の思い出から、こんなことを思い描いていた。今日、また患者になって、眼科受診だ。

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