裁量労働制を敷いた方が、労働者の労働時間が短くなる? 

昨日の衆院予算委員会の中継をテレビ、ラジオでできる範囲で聴いた。

裁量労働制を敷いた方が、労働者の労働時間が短くなる(データもある)という首相の説明は、下記の記事の通りデタラメである。制度の趣旨からして、労働時間が長くなるのは明らか。

「データもある」として、安倍首相・厚労省は逃げを打っていたが、どうも議論からは、この裁量労働制拡大を検討していた審議会で、この可笑しなデータが裁量労働制拡大の論拠として独り歩きしていた様子が見えてくる。

この議論で思い出したのは、10年以上前に優勢だった「医師過剰論」である。論拠が不十分な医師過剰論を、厚労省審議会は結論として出させていた。その後、医師不足の現実が明らかになり、極端な医学部定員増により医師が過剰になる可能性がきわめて高くなった今も、「医師不足論」は独り歩きしている。時々の政権・行政にとって都合の良い「データ」が政権・行政から出されるのだ。

誰がこんなバカげた「データ」を出したのかはまだ分からないが、裁量労働制の拡大を望む経営者側の要望に沿ったものであることだけは間違いないだろう。

国会中継を視聴していると、政権与党が如何に能力に乏しいかが良く分かる。マスコミ(特にテレビ)の報道では、様々な問題点に関して、政権与党の回答・説明で締めくくられるので、その劣化が見えてこない。

以下、引用~~~

首相答弁のデータに疑問符=残業1日1時間、週に計2時間? ―野党
2/13(火) 17:55配信 時事通信

 野党は13日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が先の国会答弁で基にした厚生労働省の労働時間に関する調査データにおかしな点があるとして、疑問符を付けた。

 首相は「私が答弁した段階では確かにそういうデータがあった」とし、加藤勝信厚労相は「(内容を)精査している」と述べるにとどめた。

 野党が取り上げたのは、厚労省の2013年度労働時間等総合実態調査。立憲民主党の長妻昭代表代行は、この調査によると平均的な労働者の残業時間は1日当たり「1時間37分」なのに、1週間の合計が「2時間47分」になっていると指摘。「おかしい。週5日(の労働)で5倍ぐらいにならなければいけない」と疑念を示した。

 さらに、平均的な労働者の残業時間が1日に15時間超となったケースもあるとして「(法定労働時間の)8時間を足すと1日23時間(働いていたこと)になる。あり得ない」と付け加えた。

 希望の党の今井雅人氏も「不思議な資料だ。(首相は)答弁を訂正、撤回し、もう一度答弁したらいい」と迫った。これに対し首相は「厚労相が精査すると答弁している」と応じなかった。

 首相は1月29日、この調査結果を基に「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁した。 

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