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国保保険料値上げ 

これまた、激烈な値上げである。

山崎史郎著「人口減少と社会保障」によると、2016年度ベースで、国保の財源の9%は、市町村が出している。法定外繰越金と呼ばれる範疇の国保財源である。

日本総研が、2012年度の国保財政を調べたところ、その財源規模は、総額9兆5331億円。そのうち、国保への法定外繰入金は、総額3882億円。109自治体は、「財政が比較的豊かなのに」法定外繰越金1012億円を出している。552自治体は、「保険料自体が低すぎる」のに、法定外繰越金1846億円を出している、とされている。法定外繰越金の大半は不必要な支出であり、それを削減して、被保険者の自己負担を増やすべきだ、という国の判断なのだろう。

組合健保、協会健保に関して言えば、後者には16.4%の国からの補てんがあるが、それ以外は、本人の保険料と雇用者からの拠出金で賄われている。公的資金が少ない、または全く入れられていないのに、国保は、上記の法定外繰越金を含めて公的資金が50%投入されているのが、「不公平である」という議論がある。

だが、国保の対象者の大半が、高齢者等の無職者、非正規雇用者になっている。経済基盤の乏しい人々だ。今後、その比率が拡大する。構造的に、国保は社会保障保険としては成立し難くなっている。そうであるのに、市町村からの補てんをゼロにし、保険料を大幅に値上げするのは、国保の存立基盤を崩す。市町村からの法定外繰越金を縮小させるのであれば、その部分は、国ないし雇用者が負担すべきではないだろうか。雇用者は、非正規雇用の拡大により、公的支出を減らし、大きな経済的利益を受けている。雇用者の社会的責任からも、国保への支援を行うべきだ。

さらに、高齢化の進展、非正規雇用の拡大により、国保はいずれにせよ存立し難くなる。国保組合、協会健保、組合健保等と国保を統一すること、国からの財政支出を拡大することが必要になる。

小松秀樹氏の述べる「第三次生活困難期」がまさに現実のものになりつつある。国民は、その覚悟ができているのだろうか。財政規律が弛緩しきっている現政権が、軍拡に走ることを容認し続けるのだろうか。

以下、引用~~~

国保保険料、平均26%上昇東京都が18年度算定
最大57%、市区町村は激変緩和へ
2018年2月17日 1:00

東京都は国民健康保険(国保)で市区町村別に算定した2018年度の標準保険料をまとめた。都内平均で1人当たり年間14万8916円と、16年度に比べ26%上昇。ほぼ全市区町村で増える計算で、最大で6割近く上がる自治体もある。各市区町村は加入者の急激な負担増を避けるため、今後数年かけて段階的に引き上げる見通しだ。

標準保険料は市区町村別の医療費や住民所得などをもとに算定した。市区町村の一般会計から赤字補填をしない前提で算出しているため、上昇幅が大きい。高齢化による医療費の増加なども上昇要因になっている。

標準保険料が最も高いのは千代田区で、16年度比11%増の18万1810円。次いで中央区(16万9059円)や目黒区(16万8373円)、渋谷区(16万6267円)の順で、いずれも増加率は2割近い。多摩地域は増加率の大きい自治体が多い。都内で増加率が最も大きいのは府中市(57%増)だ。

国保はこれまで市区町村が運営し、医療費を保険料で賄えない赤字は一般会計からの繰り入れで補ってきた。国保加入者以外の税金も赤字補填の穴埋めに投じるいびつな構造だった。人口減が進めば税収も落ち込む見通しで、一般会計への依存にも限界がある。

国は保険財政を健全化するため、18年度から国保の運営主体を市区町村から都道府県に移管。都道府県が市区町村に目安となる標準保険料などを示す仕組みに改めた。ただ、標準保険料をそのまま適用すると、加入者の負担が大幅に膨らむ。

このため、市区町村は急激な負担増を抑える激変緩和措置を講じるなどして実際の保険料を決める。千代田区は18年度の保険料を平均約18万1000円に設定。17年度比で1%増(約2000円増)になる。ただ、中間所得層以下の負担は軽くし、加入約7800世帯の9割は保険料が下がる見通しだ。

加入者の急激な負担増を避ける一方で、保険財政の赤字を補う一般会計からの繰り入れの圧縮も進める。江戸川区は保険料を平均で毎年3500円程度引き上げ、5年後に一般会計からの繰り入れをなくす計画。中野区は18年度の保険料を17年度比で約4000円増の約12万3000円とし、その後も徐々に引き上げて9年後の赤字解消を目指す。

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