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医療崩壊は進む 

神戸の二次救急が、崩壊しかかっていると報道されている。

私の仕事場のある田舎町の市民病院も、医師数が今年中に半減し、存続の危機に立たされる、という。

恐らく、地方・都市部を問わず、全国的に、じわじわとこのような状況が進行しつつあるものだろう。

医療機関での「待ち時間が長い」と文句をつけていた新聞記者のことを、先のエントリーに記したが、医療の実態は、そんな生易しいものではない。救急患者が何処にも診てもらえない、数時間待たせられるという事態なのだ。

官僚は、この事態を知ってか知らずか、天下り先の確保だけに熱心だ。政治家は、選挙民に分かり易い目の前のことだけを動かすだけ、または動かす振りをするだけ。

医療崩壊は食糧危機に似ている。それを気付いてから対応しても、回復させるのに時間がかかる。そして、回復を待つ間に、多数の犠牲者が出る。



以下、引用~~~

神戸の2次救急体制/医師の疲弊で弱体化の恐れ 近隣自治体からの流入 DPC病院拡大なども背景 DPC病院拡大による機能低下を懸念

記事:Japan Medicine
提供:じほう

【2007年8月24日】
 神戸市の2次救急医療体制に、「崩壊の危機」を訴える声が出てきた。近隣自治体からの2次救急患者流入などの影響で、市内の2次救急病院は常にフル回転を余儀なくされる。激務に耐えかねた勤務医の職場離れも続き、この結果、2次救急機能の縮小といった悪循環に陥っているという。神戸市の救急患者総数は減少したものの、消防局が病院と行う患者搬送の交渉が3回以上に及ぶケースは、2年間でおよそ1.7倍になった。DPC病院の拡大も、救急体制の弱体化に拍車を掛ける。神戸市第二次救急病院協議会の吉田耕造会長は、「このままでは神戸の救急医療がつぶれてしまう」と危機感を募らせている。

管外搬送 神戸は横ばい、近隣は増加

 神戸市から車で30分程度の距離にある一定規模の自治体では、総搬送人員に対する管外搬送比率が、ここ数年で膨らんでいる。例えば三木市では、2003年に19.5%だった管外搬送比率が、06年は25.4%に上昇。同様に、丹波市は7.9%から18.7%に、明石市も12.3%が15.9%にまで増えた。

  この傾向に対し、神戸市の管外搬送をみると、06年は4.0%と、3年間で0.2ポイント増えただけで、ほぼ横ばい。05年比では0.2ポイント減っていた。

  一方、兵庫県北部の但馬地区に目を向けると、公立日高病院・公立出石病院の医師減少に伴い、旧日高・旧出石・旧但東町の2次救急患者が、豊岡病院(豊岡市)に搬送されるケースが大幅に増加した。また、但馬地区の管外搬送比率は、06年までの3年間で5ポイント以上増えた。

  吉田会長は、これらのデータに現場の感覚を重ね合わせ、神戸市の近隣自治体の救急病院が医師不足によってパンク状態となり、あふれた患者が市内に流れ込みつつあると推測する。さらに、三木も丹波などの自治体も、但馬地区の救急機能低下の余波を受けており、それがドミノ倒し式に神戸市にまで悪影響を及ぼしているとの見方を示す。

5回以上の交渉、2年で2.4倍

 神戸市第二次救急病院協議会は、市内53病院(民間47施設、公立6施設)で構成されており、このうちの19病院で救急医療を提供できるような輪番制を組んでいる。

  各当番科目の病院数は、一般内科6、一般外科4、循環器系2、脳疾患系2、小児科1、整形外科2、眼科・耳鼻科2で、あらゆる専門科目を備える「第2の救急救命センター」の役割を協議会で果たしているという。

  05年度神戸市消防局統計によると、救急車で搬送された市民は1年間で5万8421人に上り、このうちの3万9921人(68.3%)が協議会の所属病院で入院治療を受けた。

  吉田会長によると、協議会に所属する病院の業務が多忙になるに従い、2次救急に携わる勤務医が、激務に耐えかねて開業していく流れが現れ始めている。各病院には、救急体制維持の負担が重くのしかかりつつあるという。

  輪番制では、月に5日の当番を課しているが、最低限の義務をクリアするのが精一杯の医療機関が続出。以前なら人員に余裕のある病院が、ノルマとは関係なく積極的に当番に加わっていたが、最近は当番表に空白が目立つようになってきた。

  これらの状況を裏付けるかのように、受け入れ病院が見つからず、患者が“たらい回し”にされる度合いが急速に悪化してきている。神戸市消防局が、病院との患者の受け入れ交渉に3回以上要したケースは、04年の1686件から06年には2886件にまで増えた。

  5回以上の交渉に限ると2年間で237件増え、06年は406件に達した。04年から06年にかけて、市内の患者総数は0.8%減っており、救急体制に問題が生じていることが浮き彫りになった格好だ

  神戸市ではまた、他地域に比べて2次救急患者の割合が極端に多いこ
とも、2次救急病院が「患者の受け入れを嫌がる」要因となっている。

  01年の実績によると、1次と2次を合わせた救急患者のうち2次の占める割合は85%を超えており、名古屋市(約58%)や横浜市(約21%)に比べるとかなり高い。

  吉田会長は、神戸市の2次救急病院に、軽症患者への対応を余儀なくされている実態が映し出されていると指摘。実際の現場では、当番医に対してモラルを逸脱した言動を繰り返す泥酔した患者も見受けられるといい、「これでは医師がかわいそうだ」と憤る。

  同協議会が所属病院の経営者らに行ったアンケート結果(回答:50病院)によると、常勤医の2次救急当番日の当直について、不満を感じている割合は73.2%。その理由には、「翌日の手術・診療に支障」「当番日当直で疲労困ぱい」などが挙げられた。

  当番日当直の翌日に代休を設けている病院は20.0%で、実際に「規則通り取れる」のは、そのうちのわずか11.8%だった。

  また、外部から当直医を確保できずに、常勤医に負担をかけているのは41.2%。「確保できず当番日を減らす」とした病院も6.9%あった。

  当直料は所属病院の平均で、1人当たり1当直6-7万円程度になる。これに対し、神戸市からの06年度2次救急運用補助金は1億5728万円で、当番を担う19病院の平日業務(午前9時-午後5時)に換算すると、1病院の1当直当たり1万7977円の手助けにしかならない。アンケートでは、6割以上の病院が医師確保のために当直料値上げを実施、もしくは検討しており、さらなる負担増が見込まれる。

  吉田会長はさらに、DPC病院の拡大が救急医療に与える影響を懸念している。所属病院のうち、すでにDPCへ移行しているのは4病院で、来年以降に14病院が加わる予定。この18病院の一般病床数は4347床で、全所属病院の47.5%に当たる。「このままでは来年に、救急の力が半分になってしまう」と危機感をあらわにする。

  DPCによる診療報酬の1日当たりの点数は、在院日数の伸びに応じて減っていく仕組みになっているため、DPC病院への移行に伴い、2次救急患者の受け入れに消極的になることが想定されるという。

  吉田会長は解決策の1つとして、検査を包括評価から外す必要性を強調する。「ボロボロになってからではどうしようもない」と話し、今後は近畿病院団体連合会を通じて、政府の医療費抑制策の撤回などを求めていく考えだ。




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