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楽器演奏の科学 

楽器演奏に習熟するためには、1万時間の練習を必要とする(と、このclipのなかで語られている)。練習をどうしたら効果的にできるかという疑問に答え、また管楽器におけるembouchureの問題を解決するために、科学的なアプローチをしている研究者がいる、という報告。

Sarah Willisというホルン奏者が、マックスプランク研究所にそうした研究者を尋ねて、成果を見せてもらい、また自ら被検者になって(ナチュラル)ホルン演奏の際のembouchureを可視化する技術を実際に見せてくれる。

自らフルートを吹かれる耳鼻科医の友人の方が、facebookにアップしたもの。

こちら。

バイオリンの方は、motion captureというテクニック。運動の解析ではよく用いられているものだ。各関節の動き、腕等の体の部分の動きを、可視化する。確かに、教育には効果があるのかもしれない。ただ、考えてみるに、身体の様々な動きは、拮抗する筋群の緊張の総体的な関係で生まれる。筋緊張の在り方まで、この技術が教えてくれるわけではない。また、楽器というインターフェースに刺激を与えて、音、音楽を作るわけだが、インターフェースとしての楽器と私たちの体の関係についても大きな情報が得られるわけではない。従って、motion captureで得られる情報は、楽器演奏のごく一部なのではないだろうか。先日来、sautille奏法で苦労している(笑)私としては、これだけでは救われぬ、という思いで見ていた。でも、楽器演奏法を科学の言葉で語ることは今後ともどんどん進むことだろう。

ホルン演奏の際の口腔、躯幹の動きを可視化するMRIの技術も大したものだ。舌がこれほど微妙な動きを俊敏にしているとは知らなかった。舌のような体内構造の俊敏な動きを捉えることに、この研究者は成功したということのようだ。軟口蓋が、吹くのに合わせて、口腔と鼻腔の間をふさぐ。声帯が開く・・・人体の機能は、よくできている。それを意識的に実現するのが、菅楽器演奏をわがものにすることのわけだ。kinesiologyの研究者の方が、dystoniaの症例に接したことからこの研究を始めたと言っておられたが、dystoniaは筋緊張を司る大脳基底核の問題ではなかったのか?こうした研究で、そうした病気の方が何かしら軽快するための情報が得られると良いのだが・・・。

楽器演奏の多くの部分は、一種の運動なのだけれど、それだけではなく、楽器というインターフェースを用いて、我々の頭にある音楽から出発し、音楽の表現に戻ってくるという長いプロセスを実現することだ。そのプロセスで科学的に分析できる部分は、積極的に科学を援用すべきだ。ただ、それですべて解決することは、いくら科学が進歩してもありえないことも確実だ。

sautille奏法の科学はどこかにないだろうか・・・苦笑。

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