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クーデターを予兆するもの 

自衛隊幹部が、路上でたまたま出会った野党の国会議員を罵倒したという。その執拗さにただならぬものを感じる。

この三佐は、きっと腹に据えかねたものがあったのだろう。恐らく、彼の職場でも同じような思想の持主がいて、自分たちの思いを語り合っていたのではないだろうか。この三佐一人の個人的な思いから出た行動とは思えない。路上で突然罵倒を始めるという、攻撃性にそうしたものを感じる。

彼が述べたという「国民の敵」という言葉は、民進党の小西議員は国民、国家にとって好ましからぬ人物であるから殲滅すべき対象である、というニュアンスを持つ。国民を敵と味方に分断し、敵に対して強い敵愾心を表明したのだ。

自衛隊は、軍事力をもつ実力組織である。その幹部が、上記のような行動に出ることは、きわめて危険なことだ。2・26事件を思い起こす。2・26事件は、当時の政治・軍部の腐敗を正さなければならないという若手将校が、北一輝らの思想のもとに決起し、政府要人・軍人を殺害した事件と言われている。しかし、決起した若手将校の多くは、北の思想を理解しておらず、ただ心情的に決起しただけだった。クーデター後の統治の問題などを詳細に検討した形跡はない。陸軍内部の権力闘争と、若手将校を利用した老獪な軍人がいて、彼らの決起を促した。天皇に認められれば、何とでもなるという極めて心情的、直情的な行動だった。

この罵倒事件を起こした三佐も、自らの行動がどのような影響を及ぼすか、それにどう対処するのかを考えることなく、ただ自らの心情の命ずるままに、罵倒事件を引き起こした。2・26事件でクーデターを引き起こし、権力闘争に利用された若手将校と同じではないか。このような直情径行の自衛官を利用して、クーデターを引き起こそうと画策する自衛隊幹部が出現する可能性が出てきた。日誌問題で、防衛大臣を蚊帳の外におき、日誌を隠蔽した自衛隊幹部が現にいる。自衛隊幹部は、一部の政治家と通じ合っている可能性もある。いずれにせよ、公開された文民統制とはとても言えない状況になっているのは事実。自衛隊が、クーデターを起こす時、彼らは国民に銃口を向けることになる。

実力組織の自衛隊が、政治的に動き出すのは極めて危険な兆候だ。

以下、引用~~~

<議員罵倒>「国民の敵」発言は3佐 防衛相「適正に対処」
4/17(火) 21:34配信 毎日新聞

 防衛省は17日、統合幕僚監部指揮通信システム部の30代の3等空佐が、民進党の小西洋之参院議員と16日夜に国会近くの路上で偶然遭遇した際に、「不適切な発言」を繰り返したと認めた。小西氏によると3佐は「お前は国民の敵だ」と繰り返し罵倒した。河野克俊統合幕僚長が17日、議員会館の小西氏の部屋を訪れて謝罪。小野寺五典防衛相は「適正に対処する」と話し、統幕が処分も検討する。野党は「実力組織の統制に大きな疑問を持たざるを得ない」(希望の党の玉木雄一郎代表)と反発している。

 小西氏が17日の参院外交防衛委員会で明らかにした。小西氏と防衛省によると、3佐は16日午後9時前、帰宅後のランニング中に小西氏と出会った。3佐は「小西だな」と言った後、現職自衛官だと自分から明かして繰り返し罵倒。警備中の複数の警察官が集まった後も「気持ちが悪い」などとののしり続けた。小西氏が「服務規程に反し、処分の対象になる」と撤回を求めたが撤回しないため、同省の人事担当に電話するなどした。3佐は最終的に態度を改め、発言を撤回したという。

 自衛隊法は、隊員に選挙権の行使を除く政治的行為を原則として禁じ、品位を保つ義務も課している。河野氏は記者団に「自衛官が国民の代表である国会議員に暴言と受け取られるような発言をしたのは大問題。極めて遺憾だ」と話した。

 小西氏は国会で自衛隊イラク日報問題などを取り上げ、小野寺氏の管理責任などを追及している。玉木氏は17日の記者会見で、1938年に佐藤賢了陸軍中佐が当時の帝国議会で議員のヤジに「黙れ」と発言したことに触れ、「由々しき問題だ。80年たって非常に嫌な雰囲気が漂ってきた気がする」と指摘。社民党の又市征治党首も会見で「批判的なことを言ったら『非国民』というのと同じだ」と強調した。

 小西氏は記者団に「かつて青年将校が『国民の敵だ』『天誅(てんちゅう)だ』と叫んで政治家を暗殺した。現職の自衛隊幹部が国会議員を国民の敵だと何度も言い放った暴挙は、民主主義において許してはいけない」と語った。【前谷宏、立野将弘】

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