働き方改革の国会論戦から見えてきたこと 

昨日、衆議院の厚生労働委員会で行われた、働き方改革に関する議論をvideoで視聴した。

加藤厚労相と立憲民主党の長妻議員の間の、労働時間の調査に関する質疑で分かったこと;

〇調査は、閣議決定で行われることになった(従って、その結果が、審議会の議論を規定することになった・・・異例のことらしい)。

〇調査は、当局から地方の労基署に「電話で」依頼し、1,2日で行われた。一事業所に2時間程度しか費やされておらず、現場の調査担当者から、十分な調査ができないという意見がでている。

〇調査対象2500社のデータは、誰が見ても分かる明らかにおかしいデータであり、公表したデータから省いた(統計的な観点からは、こうしたデータが、公表された結果に含まれていたこと自体が異常であり、調査の不完全さを意味する)。残りの9000社のデータも、「明らかにおかしいデータ」ではないというだけで、その正しさは担保されていない。

議論の一部しか見ていないので、これ以外にも議論されていたかもしれない。加藤厚労相は、もう少しきちんとした政治家かと思いきや、長妻議員の質問に正面から答えていなかった(答えられなかったのだろう)。

要するに、この調査、ひいては審議会の結論も、最初から裁量労働の拡大の方向に決まっていた。「労働生産性」を上げて、利潤を増やしたい財界と、財界に強く要望されたことを実現し、GDPの拡大につなげたい政権と一致して、裁量労働拡大に動いてきた、ということだろう。

裁量労働の基礎的なデータ等、政権の意向に沿って「でっち上げればよい」という行政が考えていたとしか、あの議論からは思えなかった。「労働者の生命に関わる改革」なのだから、もう少しまともな検討がされていたのかと思ったが・・・行政が劣化している。行政をコントロールする政権の劣化の反映である。

この「改革」が実現すれば、この記事のようなケースが、多数生じることになるのだろう。

繰り返すが、高プロ制度適用の年収限度額は今1075万円超であるが、財界は400万円にまで下げることを要望している。

以下、引用~~~

裁量労働、IT社員過労死「36時間ぶっ通し」

2018年05月16日 22時50分 読売新聞

 東京都豊島区のIT企業で昨年8月、裁量労働制で勤務していた男性社員(当時28歳)が亡くなり、池袋労働基準監督署から今年4月、長時間労働による過労死と認定されたことがわかった。

 遺族の代理人弁護士が16日、記者会見で明らかにした。男性は昨年7月に裁量労働制が適用され、直後の4日間は徹夜を含め1日平均16時間勤務となっていたという。

 遺族代理人の川人博弁護士によると、男性は2013年に入社し、不動産会社向けのシステム開発業務に従事。昨年7月1日、「チームリーダー」に昇格したのに伴い、「専門業務型」の裁量労働制を適用された。

 男性は7月3日~6日で計64時間余り勤務。この間、徹夜を含めて36時間の連続勤務があり、自身のツイッターで「社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めて」などと投稿していた。同月下旬に母親に頭痛を訴え、8月18日、自宅アパートで死亡しているのが見つかった。

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