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楽器の練習 

何時だったか、テレビで、イタリアのある養老院のことを放映していた。作曲家であるヴェルディが、私財をなげうって、リタイアして音楽家が老後を過ごすために建てた施設だ。なかなか立派な、石造りの建物。そこで過ごす老音楽家達の中には、楽器の練習を続ける者もいる様子だった。

認知症と思われる、老ピアニストが、同じフレーズを繰り返し、弾き続けている様が映し出された。一瞬、あぁ、あのようになったら、本当にお終いだなという、ありふれた感想が、頭に上った。異様であり、かつ何か物悲しい風景でもあった。

私のチェロは、もともとが大したことはないのだが、最近昼休みにちょこちょこと練習していると、手の痛みを覚えたり、早いパッセージがどうしても弾けなかったり、リズムが取れなかったり、様々な問題があることに改めて気づく。現状維持を出来れば良い方で、退歩しているのではあるまいかと思えてくる。それでも、楽器に集中できる時間は得がたくて、キコキコやっている。

中高年からの楽器の楽しみ方とは、こんなものでも良いのかもしれない。あの養老院で、同じパッセージを飽くことなく引き続けていた老ピアニストのようになることが目標であっても良いのかもしれないと、最近思うようになってきた。楽器をその最大限の能力を発揮させて、音楽のイデーの世界を垣間見ることができれば、それだけで十分だ。

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