コミュ力重視が、批判精神を阻害する 

西日本豪雨の真っ最中にNHKが世論調査して、安倍政権の支持率が上がっていると話題になっている(ここでもそれについてアップした)。

RDDという方法らしいが、それが母集団を代表するという根拠はないらしい。地域を決める、電話する時間帯を決める、いわゆる無党派層を何れかの方向に誘導する設問を設定する等により、「世論調査」の結果をいくらでも左右できる。

以前にも記したが、安倍首相を支持する最大の理由は、「他に良い政治家がいないから」というもの。これは支持する理由としては弱い。そして、支持しない最大の理由は「安倍首相の人柄を信じられない」という、決定的で変わりようがない理由だ。従って、もし本当に支持率が上がっていたとしても、それは脆い支持であると言える。

しかし、若い人々、10から40歳台の人々の間で安倍政権支持が広がっていることは、どうも事実のようだ。

その理由を以前から考えてきた。下記にリンクを張る野口教授の論考が一つの参考になりそうだ。

「コミュ力重視が、野党嫌いを生む

野口雅弘教授

gendai.ismedia

こちら。

彼の言うコミュニケーション能力は、互いの違いを覆い隠し、表面上同じに見せる能力なのではないだろうか。少し以前、「空気が読めない」「空気を読む」と言われていたことに通じる。

自分の生き方として、周囲と波風を立てない、目立たない、ということだけであれば、それほど大きな害をもたらさない。だが、それが「批判する者」「反対を表明する者」に対する否定、敵愾心にまで行き着くと、社会は停滞し、民主主義が機能しなくなる。一部の「独裁者」によって支配されることになる。このレベルまで、どうもわが国は進みつつあるのではないだろうか。

こうした自ら望む平準化、いわば政治的奴隷化が、どうして起きるのかを考える必要がある。

過去四半世紀、わが国は、かってのような活力を失いかけ、世界第二位の経済大国であったものが、中国に大きく差をつけられた。少子高齢化は止まらず、2006年から人口減少社会に突入。世界のメディアは、2019年以降、我が国の経済は縮小期に入ると一斉に報じている。その中で、成長し、教育を受け、厳しい就職戦線を生き抜いてきた、この安倍政権支持層は、この変化による不安を抱えているのではないだろうか。その不安感と、自己肯定感の喪失から、物事を単純化し、言い切る、そして時には虚偽を平気でついても自己正当化する安倍首相に惹かれるのではないか。少しよく状況をみれば、今の異次元の資産バブルが永続しないものであり、戦前の体制に戻ることが如何に悲惨な結末を招くか、すぐに理解できるはずなのだが、自ら観て、考えようとしない。現政権によるメディア戦略も、彼らに影響を与えているはずだ。

さて、この八方ふさがりの状況をどうするか、だ。彼らは大きな痛みを感じるまで、そうした安倍政権支持層は自分の目で見て、自分で考えることをしようとしないのか。我々の世代には、この状況を打破する責任がある。

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