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金子勝教授のドキュメンタリー番組 

を、録画してあったものを、4回分通して観た。3回目の番組内容についてのコメントは、ここ

暗澹たる気分だ。

「たらい回し」される患者、「たらい回し」は医療制度上仕方の無いことだ(この言葉には、ぎりぎりで頑張っている医療現場を貶めるニュアンスがあるが、番組内では現場の状況を正確に報道している)、在宅介護に疲弊しきる家族、疲弊する医療現場、僻地の病院は、診療報酬の削減と医師不足で危機に立ち、潰れるところが出ている、国民健康保険は、実質破綻している、その国保にも入れぬ人々がいる、未保険者は全国で480万世帯に上る等々。

金子教授は、セーフティネットを拡充してこそ、国の基礎がしっかりして、経済活動等にも良い影響が出るといった提言をしていた。しかし、彼のこうした提言が、現在の社会保障削減、医療費抑制の路線を走る現政権にどれだけ聞き入れられることだろうか。

一番切なかったのは、この番組に意見を寄せた方の多くが、医療関係者だったということだ。その声は、わたしの心にも響く切実なものだった。しかし、医療関係者、そして恐らくはこの医療提供体制で酷い目にあっているごく一部の国民しか、この問題に関心を抱かないとしたら、問題は極めて深刻だ。

高齢化社会が進行し、医療社会保障関係の予算が増え続ける危惧はよく分かる。しかし、医療社会保障の現場が崩壊しては、国の存続そのものが危うくなるのではないか。来春から実施される「後期高齢者医療制度」も、まずは「金集めの話」だけが取り決められて、その内容は明らかにされていないという。金の話も大切だが、それと同時にどのような医療介護が必要とされるのか、それを地域でどのように現実化させるのかという議論を進めなくてはならないはずだ。

安倍前首相は、「機能性胃腸障害」で入院を続けている。都内の一流病院の一番高額な個室料金の病室で療養されているらしい。首相としての心労も重なったのだろうから、十分療養して頂きたいが、通常の医療制度からすると、すでに急性期医療は過ぎ、療養病床医療か、在宅医療に移っていただく時期にきているのではないだろうか。安倍前首相が急性期病院に入院を続けている医学的な理由があるのだろうか。

安倍前首相の入院が、公務に関連したものと認定されれば、その費用は、衆議院から支出されるようだ。父君からウン十億円という遺産相続を政治団体を通して受けたという、安倍前首相からするとはした金かもしれないが、社会保障面で手厚く遇されているのは事実だ。

政治家や高級官僚は、社会保障の面で、このように手厚く保護されているのではないだろうか。国の社会保障政策を策定する人間が、社会保障の縮小の痛みを受けずに済むとしたら、それは深刻なモラルハザードになることだろう。

コメント

同感です

管理人様の仰る懸念は私も感じています。
これだけ声を大にして、身に迫る危機を説明していても、多くの方は自らのこととして考えられないのではないか、と思うのです。(地球温暖化の問題も同じですが)

本当に困らない限り、我が事として考えられない…とすればあまりに刹那的ではないか、と。

この磁石に翻弄される砂鉄のような国民性が、マスコミという強大な磁石に翻弄され、大事なことを見失っているように思えるのです。磁石に引きつけられず自らの意見を持っていても、それは一吹きの吐息で紙の上からはじき飛ばされるようです…。

最近は声を上げることすらも疲れてきてしまいました。無力感を感じます。落ちるところまで落ちなければ再生はないのかも知れない…。
いつかこの時代を顧みるとき、少しでも抗していたことの趾を残せれば、と思っています。

先日の参議院選挙での国民の意思表示には、多少なりとも医療への危機感が込められていたはずだとは思うのですが、表に出てきませんね。

後期高齢者医療制度は、高齢者への痛みを強いるものになる上に、地域中核医療機関に最期の打撃を与えることになりそうです。

慢性期療養病床を減らすなら、その受け皿を準備しなければならない、というのは誰でも分かる話なのに、官僚は在宅医療だけで済ませるつもりです。介護と医療両者から受け入れられぬ医療介護難民が多く出るのでしょうね。

地球温暖化の問題と同じで、問題が表面化した時には、すでに時遅し、または回復にとてつもない犠牲が強いられる状況になっている、ということのような気がします。

医療側から、これだけ注意を促す信号を出していたのだ、という足跡を残すだけしかできないのでしょうか。

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