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茨城県北の産科崩壊の危機 

日立製作所日立総合病院は、茨城県県北の中核病院だ。その産科が、崩壊の危機に陥っている。これは、ドミノ倒しで他の地域にも波及する可能性が大きい。

政治・行政を司る方々は、この事態に、どのように対処するのだろうか。ここまで放置した、政治家・官僚の責任は極めて大きい。


以下、茨城新聞より引用~~~


日立地域お産ピンチ 中核の日製病院 医師確保、予断許さず
2007/09/30(日) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁

 日立地域のお産が危機にひんしている。日立・高萩・北茨城三市のお産の半数以上を手掛ける日立製作所日立総合病院(日立市)で来春以降、現行の産科医六人体制を維持できるか危うくなってきたためだ。日立地域では出産施設が年々姿を消し、現在は同病院も含め四施設だけ。同病院の引き受け体制が崩れれば、他に受け皿はなく、「出産難民」が生じかねない。日製日立病院は県医師会などとともに、医師確保へ躍起になっている。
 ■地域の半数超担当
 県医療対策課によると、昨年度の日立地域(日立・高萩・北茨城三市)の出生数は計二千二百五十七人。日製日立病院は、このうちの半数超の千二百十五人の出産を手掛けた。三市の合計出生数はこの十年間で七百人減ったが、同病院が引き受けた出産数は逆に三百人以上増えた。
 日製日立病院の常勤産婦人科医は現在六人。昨年三月以降、二人減った。産科医は二十四時間体制の宿直や休日当番、緊急の呼び出しなどがあり、「体を休める暇がない重労働が続く」(同病院)。若手医師の場合、残業時間は一カ月平均百時間に上るという。
 しかし、日製水戸病院によると、こうした常勤医六人のうち数人については、来年四月以降も引き続き勤務してもらえるか確約を得られていない。このため、病院は万一に備えて後任医師の確保に懸命だが、「行政も巻き込んで探さないと難しい」(同病院)。来春以降の出産予約を受け付けられるか予断を許さない状況で、去る八月には県に医師確保のための財政支援も要請した。
 ■負担限界超える
 県産婦人科医会(石渡勇会長)によると、日立地域の出産施設は十五年前には計十三施設を数えた。現在は日製日立病院と、昨年十一月に産科を再開した北茨城市立病院、診療所の瀬尾医院(日立市)、助産所の加茂助産院(同)の四施設だけ。
 日立地域の産婦人科の医師数は計九人。医師一人当たりの年間分娩ぶんべん数は約二百四十件に上る。日製日立病院に次いでお産が多いのは瀬尾医院だが、同医院の場合、医師は院長だけで、院長一人で年間約三百八十件のお産を担う。早産や胎児異常などリスクの大きいケースは日製日立病院に搬送している。
 石渡会長は「本来、通常分娩は医師一人当たり百五十人が限界」と指摘する。瀬尾医院の瀬尾文洋院長は「日製日立病院が疲弊すればハイリスク患者の受け皿がなくなる」と危機感を募らせる。
 ■困難な体制維持
 限られた医療資源を集約化して効率性を高めようと、県は昨年四月、県内を三ブロックに分け、各地域の中核病院を「総合周産期母子医療センター」と位置付けた。日製日立病院は「県北サブブロック」の「地域周産期母子医療センター」として県北東部を受け持つ。危険性の高い出産をセンターに集中させ、通常分娩は診療所や助産院が担う形を目指した。
 石渡会長は「センターも診療所も今ぎりぎりの状態を維持している。医師不足を改善しない限り問題は解決しない」と語る。県医師会の小松満副会長は「県全体の出産の四割を担う診療所がお産をやめると分娩体制を支えられなくなる」と警鐘を鳴らす。
 県によると、県内の産婦人科医師数は二〇〇四年現在、人口十万人当たり6・6人で全国四十二位に低迷。県内の地域間格差も顕著で、医療圏ごとにみると、日立地域は同4・9人と最も高いつくば地域(11・0人)の半分以下となっている。

コメント

限界数の2.5倍強の分娩に立ち会う瀬尾医院長の献身的な取り組みには頭が下がりますが、果たしてこういう危機的な状態にいつまで対応できるのか心配です。私のような医療関係者でない者も、こういう現状を十分に理解した上で、病院を利用する必要があるのだと考えさせられます。それにしても、医療崩壊の連鎖反応は、既に目に見える形で始まってしまっているのですね。

そうですね、インフラとしての医療システムを大切にしないと、本当に取り返しの付かないことになります。

「新小児科医のつぶやき」の本日のエントリーで「千葉大産婦人科の叫び」と題するエントリーがあります。是非お読みになってみてください。

「新小児科医のつぶやき」のURL:

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/


いつも同じような内容で恐縮なのですが、産科医療・地域医療の崩壊は、日本中でおきている現象です。私も、この先、いますぐにでも患者になる可能性があり、この事実には戦慄を覚えます。高齢者と一緒のご家族にも、暗黒の時代がやって来ようとしています。

現場より

私も、現場にあって年々悪化していく労働環境を見て、戦慄を覚えます。

しかも患者は明らかに増える、法曹関係者も明らかに増える、医療者に対する風当たりも明らかに悪化していく、研修医はどんどん減っていく、医療費も単価がどんどん下げられていく。

戦慄を覚えずにはいられません。
物凄い悪循環に陥っています。

関東の人口当たりの医師数はお寒い限り

僻地に医者がいないと騒いでいますが、人口当たりの医師数は埼玉、茨城、千葉などはもっとも低い部類に入ります。関東から地方に医師を派遣する余裕はないと思います。

先生は真岡だから県央・東二次医療圏でしょうか。

お二方、コメントをありがとうございます。

今夜、民放TVで医療崩壊についての討論番組(といっても、半分はバラエティでしたね)をやっていました。内容は、まだまだですが、民放が正面から取り上げるようになったことに驚くと同時に、感慨もありました。

自民党の、平沢氏ともう一人、二人とも医療費を上げることは賛成だそうです。平沢氏は、医療の「無駄」を排さなければならないとも言っていましたが(苦笑。

医師の行政処分の詳細が、最近報道されました。道交法違反まで処分の上、名前・住所の凡そ(正確な住所が分かってしまいますね)まで公表されることにいささか驚きました。年金着服の公務員は、全く公表されないのに・・・などと思ってしまいました。これも、今後医師への支配を強める意思表示なのでしょうか。もし、社会正義のためというのであれば、公務員・政治家も同様にして欲しいものです・・・少し論点がずれましたが、そう思わせるほどに、医療の状況が凄まじいですね。

勤務医の絶対数が足りないのは、どこでも同じような状況なのでしょう。行政当局は、病院つぶしに、この状況を利用しているとしか思えませんね。国から、僻地に派遣する医師も、数人、期間は3から6ヶ月なのですから、真面目に対処しているとはとても思えません。

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