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厚労大臣が医師の人事権を握る 

医師のサイトm3をしばらく訪れていなかったら、「凄い」法改正が行われていた。

厚労大臣が、各学会に向けて、専門医の配置を指示できる仕組みが出来上がりつつあるのである。

専門医機構を介するのは面倒だ、厚労大臣が直接指示するようにしよう、ということなのだろう。

これは既定の路線だったのかもしれない。専門医機構は、専門医試験の事務だけを担当し、医師の人事権を行政が直接握るというスキームである。

かくて医師は、高額な専門医試験受験費用、資格維持費用を専門医機構に払いつつ、学会に学会費を払い続けなければいけなくなる。その上、行政による人事権により仕事・居住地まで指示されることになる。

だが、行政の思い描く、官製医局というか、行政による徴医制は、思い通りには実現しないだろう。

その理由はいくつもあるが;

〇職業選択の自由を侵す制度となる。憲法の基本的人権にも抵触する。
〇医師の身分保障、労働環境の整備まで、行政は行わない・・・人事権の美味しいところだけを行政がつまむことになる。確かに、ドイツ等では、行政の指示により、医師は一定期間地域医療に従事することになっているが、その背景には手厚い医師の身分の保証がある。医師からは、すべての医師を公務員化するようにとの要求がでるかもしれないが、医療費削減の強い要請のあるなか、そのようなことは決して行われない。 
〇日本医療機能評価機構という天下り先を潤し、行政の権益にのみ資するような、この制度に囚われることを嫌悪する雰囲気が若い医師の間に蔓延する可能性が高い。
〇公的医療保険はおそらく高齢化の進展のための財政難、貧弱な医療政策により、ジリ貧になる。すると、この新たな制度と相まって、自費診療、さらには関連別業種に医師が向かうことになる。
〇行政と直接関係のない、任意団体である学会と厚労大臣の関係も法的に不明確。厚労大臣が、学会に「命令を下す」ことができるのだろうか。学会の抵抗が予想される。

機を見るに敏な優秀な学生たちは、きっと医学部を敬遠するようになることだろう。現在の医学部人気は、一種のバブルだから、それが沈静するだけでも良いのかもしれない。

高校生の諸君には、この行政による医療支配の進展をよくよく見て、自らの将来を決めてもらいたいものだ。

それにしても、専門医機構とは一体何のため?

以下、m3より、このニュースの一部を引用~~~

 先の通常国会で成立した改正医師法で、新専門医制度において、国が日本専門医機構等に対し、意見を言う仕組みが新設された。地域医療に重大な影響が及ぶ懸念がある場合など、特に必要があると認めるときなどは、「必要な措置」の実施を要請することができる。その対象は同法上、「医学医術に関する学術団体その他厚生労働省令で定める団体」となっている。省令案では、日本専門医機構だけでなく、基本領域の18学会を加え、計19団体とした。厚労大臣が、同機構を通さず、学会に直接要請ができる枠組みが誕生することになる。

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