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官僚による医局制度 

厚生労働省は、大学病院の医局の力を殺ぎ、さらに地域医療を自らの支配下に置くことを目論んでいる様子だ。

下記の、高度急性期病院の創設の目的は、一つには箱もの行政そのものだろう、もう一つは、医師の人事権を掌握し、僻地への医師派遣を自由に行なうことではないか。既存の公立病院を建てかえる。そこで、利権が動く。その上で、医師をこの高度急性期病院に集中させる。それによって、さらに大きな利権が、官僚機構に転がり込むことを考えているのではないだろうか。

大学の医局制度には、様々な欠点もあった。それを昔のまま復活させることには賛成しかねる。が、研修を始める若い医師が、教授や先輩医師の人柄・力量に惹かれて入局し、そこでマンツーマンの指導で医師として育って行くというポジティブな側面もあった。臨床医学は、こうした職人的な教育制度を必要としてきたし、これからもそれは変わらないだろう。

一方、官僚は、新たに作るという、地方自治体単位の高度急性期病院を基盤として、官僚の支配する医局を作り出そうとしている。が、この企みは果たして上手く行くのだろうか。8から9割の公立病院は、財政赤字に苦しんでいる。国家財政も、5年間で、1兆円以上医療費を削減しようとしている。そんな状況で、新しい箱ものを作る財政的な余力がどこにあるのか。上記のように、医師という高度に技術職の集団を取りまとめることは、そう容易い仕事ではない。官僚の出す業務命令に諾々と従うことはないだろう。この新しい医局制度は、崩壊寸前の地域医療に、最後の一撃になるのではないだろうか。

以下、引用~~~

地域で最新の専門医療提供 高度急性期病院を創設 各都道府県に1カ所以上 08年度に導入方針、厚労省 「医療ニッポン」 (1)
07/10/17
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 厚生労働省は16日までに、症状が重く外科手術など集中的な治療が必要な急性期の疾患で高度な医療が求められる治療に対応するため「高度・急性期総合病院(仮称)」を2008年度に創設する方針を固めた。

 一般外来患者は受け付けず、入院治療が中心。400―500床の県立病院などからの移行を想定し各都道府県に最低1カ所以上設置する。医師や最新医療機器を集中させ、地域でも安心して最新の専門医療が受けられるとともに、外科医など医師の技術力を向上させるのが狙い。

 難病治療や臓器移植も含めあらゆる疾患を対象とする大学病院などの特定機能病院とは異なり一般の疾患が対象だが、外来は救急や専門的な治療が必要な患者に限定、十分な診療ができる態勢をとる。

 これに伴い、病院機能区分の再編も検討。高度・急性期総合病院で治療後、ある程度症状が改善した患者を受け入れる一般急性期病院と回復期リハビリ病棟、その後の療養に移る慢性期病棟や介護施設、在宅に分類。現在約90万床に上る一般病床の機能や役割分担を明確にする。

 一般急性期病院は、救急搬送などの外来も受け入れ、比較的簡単な手術や、在宅療養の患者が急に症状が悪化した際の治療を担う。患者によっては、例えば脳卒中を発症した患者が搬送されて治療を受け、回復リハビリ病棟で機能を回復し、在宅というケースもある。

 厚労省は、地方を中心に深刻な医師不足が続く中、勤務医が各病院に分散して高度な医療を担えなくなることを懸念、病院の集約や再編などが必要としている。

 08年度の診療報酬改定に合わせて導入を目指しており、中央社会保険医療協議会(中医協)に近く提案。医師や看護師の配置などの認定基準や入院基本料の設定など具体案づくりに着手する。

▽急性期医療

 急性期医療 主に病気のなり始めで、症状の激しい時期の医療。症状の重さなどを診断し危険性を判断した上で、外科的な手術や投薬、処置などの集中的・重点的な対応が必要になる。慢性疾患の患者であって症状が急に悪化した急性増悪も含まれる。急性期の患者が入院する病床は、急性期の段階が過ぎても症状が安定していない「亜急性期」患者の病床と合わせて一般病床という。これとは別に、長期の療養が必要な慢性期患者の療養病床などがある。

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