FC2ブログ

人口減少社会に対する弥縫策 

我が国の人口統計の形をご存知だろうか。明確な逆三角形をしている。今後、激烈な速度で人口減少が続く。とくに労働人口の減少が著しい。

これはすでに1970,80年代から分かり切ったことだった。だが、歴代政権は何も対策を取らなかった。昨年になって突如「国難」だと安倍首相が言い出したのには、内心吹いてしまった・・・吹いていられるような状況ではないのだが。

特殊出生率を上げることを目指せという声があり、実際そのための施策も行われてきた。が、不十分であることと、今後最低でも20年間以上は、妊娠可能年齢の女性人口は確実にかつ早い速度で減少し続ける。即ち、特殊出生率が多少上がっても、人口減少は続くということだ。

外国人労働者を導入することも政府は考えているらしい。だが、今後、相対的に貧困国になってゆく我が国に、単純労働をしにきてくれる外国人がどれほどいるだろうか。現在でも人口の1から2%は外国人になっているが、彼らを文化的に受け入れる土壌ができているのか。はなはだ怪しい。外国人に日本で住み続けてもらうためには、彼らに日本人と同じ権利を認めないといけない。それが上手くゆかずさらにヘイトの対象になったりしたら、彼らから必ず強い反発が起きる。また、人口減少の速度があまりに早く、彼らの移住政策が人口減少問題の対策の決め手にはならない。

そこで登場してきたのが、国民に「死ぬまで」「病気になるまで」働いてもらおうという案だ。高齢者の賃金は、下記の記事にもある通り、それまでの半分程度に抑える積りなのだろう。年金支給を70歳以上にし、そこまで働き続けざるを得ないような制度にすることを政府、財界は考えている。前のポストにも記したが、労働力不足・年金財政のひっ迫を免れ、更なる低賃金による見かけ上の生産性向上を目的としているように見える。年金は、その時点で年金ではなくなる。雇用保険のようなものになる。病気になったら、最低限の生活費を出そう、ということだ。

人口減少問題は、複雑な要因によって生じた。だが、政治の無策がそれを悪化させ、促進したことは間違いない。労働人口減少を取り繕うために、年金制度「改革」と一緒に健康寿命の間は労働し続ける制度が確立されようとしている。

国民は、それでも怒らない・・・。

以下、引用~~~

年金カット、低賃金…「70歳まで働く社会」の悲惨な風景
(日刊ゲンダイ)

安倍首相は3選を決めた直後の10月5日、首相官邸で開催された未来投資会議でこう語った。

「生涯現役社会の実現に向けて、意欲ある高齢者の皆さんに働く場を準備するため、65歳以上への継続雇用年齢の引き上げに向けた検討を開始します」

つまり、65歳定年延長どころか「70歳まで働かせる社会」をつくる「政府方針」を明らかにしたのだ。

高齢者の雇用年齢の引き上げは始まっている。5月末には空調事業の大手ダイキン工業が、定年を60歳から65歳に引き上げ、希望すれば70歳まで再雇用する方針を発表した。いよいよ、70歳まで働く雇用政策が現実化しつつあるのだ。

人生100歳時代を迎える中で、より長く働くことはいいに違いない。しかし、70歳まで働かされるということは、年金の受給開始も70歳からになることがセットになる。政府の狙いがそこにあるのは明らかだ。

70歳まで働く社会はどうなるか――。経済アナリストの森永卓郎氏が言う。

「今、70歳定年がある民間企業はほぼ6分の1で大部分は再雇用、勤務延長で、給与は半分から3分の1に下がります。今後は人手不足から外国人労働者が導入され、さらに賃金水準は下がる。しかし、年金支給が遅くなるため低賃金でも働かざるを得ない。そんな社会になるということです」

安倍政権になり、人口減少から就業者は増えたが、急増したのは低賃金で働く高齢者だ。では、定年後の高齢者はどんな仕事をしているのか、再雇用の現場について、大手電機メーカー幹部がこう言う。

「役職定年者はまず人材開発関連の子会社に移り、そこで再雇用の会社を紹介されます。しかし、キャリアを生かせる仕事はほとんどありません。中にはグループ会社が手掛ける現場の交通整理の仕事を斡旋される人も少なくありません」

さらに、再雇用されても、現場の社員は元管理職に遠慮し、一方、元管理職は現場に口出しするなど、部署内の環境はギクシャクしてくるという。

データブック「国際労働比較2018」(労働政策研究・研修機構)によると、65歳以上の男性労働力率は日本は31.7%、米国24.0%、英国14.4%、ドイツ9.3%だ。すでに日本人は十分働いてきているのだ。

「65歳を過ぎれば肉体的にもきつい。それでも生きていくため、低賃金でも必死に働かなければならない社会になるんです」(森永氏)

70歳まで働かされる働き方改革で、老後の豊かな生活が待っているとは思えない。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/6819-a6802e0d