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急性期医療崩壊へ! 

また怒るよりも、あきれ返る法律が、官僚によって作られようとしている。

「医療行為に関連した」患者さんの死亡を、すべて厚生労働省内の調査委員会に届出ることを、医師に義務付ける。医師に「過失があれば」、行政処分をし、さらに場合によっては、警察に通報する。医師からの届出がなくても、遺族が申し出れば、調査委員会は調査をする、という内容だ。

大きな疑問は、医療行為に関連した死亡とは、一体何なのかということだ。死亡するような重篤なケースでは、医療行為自体が、生体へ侵襲となる。患者さんが亡くなってから、事後に医療行為を批評することはいとも容易い。しかし、それでは、急性期医療・外科的な処置を行う医療を行なうこと自体が、医師にとってリスクとなる。今でも崩壊しかかkっているこうした領域の医療を、さらに窮地に追いやることになる。

行政処分、はては刑事罰が待っているとしたら、死ぬか生きるかの瀬戸際で患者さんを救おうという医師はいなくなる、ということが分からないのだろうか。

行政処分・刑事罰を加えることによって、医療を透明化し、医療「事故」の再発を防ぐという発想がそもそも間違っている。

医療は元来良きサマリア人の精神から成立していることを無視し、むしろ詮索と猜疑の眼差しで、医療を監視し、それによって医療の成立基盤そのものを崩壊させる、極めて愚かな方策だ。

官僚は、もう少し知性と謙遜さを持ち合わせているかと思っていたが、そうではないようだ。これで、急性期医療は、崩壊することに決まった。

以下、引用~~~

医療関連死届け出ぬ医師に罰則 厚労省が「事故調査委」試案
07/10/18
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


医療関連死:届け出ぬ医師に罰則 厚労省が「事故調査委」試案

 厚生労働省は17日、医療死亡事故の原因究明をする第三者機関「医療事故調査委員会(仮称)」の試案を公表した。年間2000-3000件に上る診療行為に関連した死亡例について、医師に国への届け出を義務付け、怠れば刑事罰や行政処分を科すことで医療の透明性確保や再発防止を図る。一般から意見を募集したうえで、早ければ来年の通常国会に関連法案を提出する方針。

 医療死亡事故については、医師法21条で「異状死」の警察への届け出が義務付けられているが、「異状」の定義があいまいで、遺族が不審に思っても医師が通報せず解剖の機会が失われるケースが少なくない。これがミスの隠ぺいや医療訴訟の多発・長期化を招く一因になっており、厚労省は今年度から専門家会議を設け、民事裁判や刑事捜査によらない死因究明の在り方を検討していた。

 試案によると、医療事故調は公正・中立な立場の医療関係者や法律家らで構成。国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会と同様の調査権限を持ち、報告書は個人情報を伏せて公開される。医師側に責任があったとの結論が出た場合、行政処分の対象になる。専門家会議では「真相解明のため、調査に協力した医師の刑事処分を免除すべきだ」との意見もあったが、試案は調査内容の刑事手続き利用を認めた。

 死亡事故の届け出先は事故調を所管する厚労相に一本化し、警察へ通報する事案かどうかは、医療事故調が判断する。遺族から解剖の同意が得られれば調査を開始し、医学的な分析のほか、患者・遺族と医師側のコミュニケーションの妥当性も評価する。また、医療機関からの届け出がなくても遺族の相談に応じて調査を始めたり、調査に被害者団体など遺族側の代表も参加できるようにするなど、患者側の視点が入るよう配慮した。

 第三者機関による死因究明を巡っては、日本内科学会が05年9月から国の補助を受けたモデル事業を全国8地域で実施し、医療機関からの任意の届け出で57件の調査を受理している。【清水健二】

コメント

さてさて....

こんな政策を本気で打ち出したら本当におかしくなりますよ。

医療事故をなくすには医療自体をなくすことが一番、みたいなことになると思います。

国民の幸福感よりも、国として一見活力あるアメリカのようなものを目指そうというのでしょうか。

医療はまだまだ無駄が多い、と声高に叫ぶ人がいますが、それは医療自体を否定することでしょう。

効率だけを考えるなら、再生産(出産・育児)や今後の生産性向上に寄与しない高齢者にかける医療はムダということになりますから。
そんなことを本気で言い出す国の国民は幸せとはとてもいえない。

厚生労働省は、医療界・医師を叩けば、さらに医療費を削減し、より優れた医療を実現できると考えているのでしょうか。それに、彼等の本音は、天下り等の権益確保が難しくなってきているので、医療・医師を支配下におき、それに伴う権益を確保しようと考えているように思えます。大学医局の代わりを、彼等が経営する積りのようですから、ね。

経済財政諮問会議の御手洗さんを国会喚問するという報道は、即刻で消されてしまったようです。民主党も、財界とは仲良くし、kleptocracyの分け前に与りたいと考えているのでしょうか。

マスコミも、朝青龍やら、亀田親子など、自分の身に火の粉が降りかからぬ相手には噛み付きますが、現政権・官僚・経済財政諮問会議面々などに本質的な問題提起をする気概はないようです。

新市場主義的な効率化を追求して、国民の窮乏化、医療福祉の切捨てが進んでいるのでしょう。その実態が、国民の目から隠されているのですね。

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