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原子力規制委、東海第二原発稼働延長を認可 

見切り発車だ。

原子力規制委員会は、東海第二原発の運転延長を認可した。

以前から繰り返し述べている通り、この運転延長には大きな問題がいくつもある。

一つは、40年を超える長期の運転。原発は、元来16年間の稼働を考えて設計・建設された。ところが、もっぱら経済的理由により、稼働期間の延長が繰り返されてきた。原発は、古いものほど、安全基準が緩い。さらに、中性子照射により圧力容器の隔壁が突然破壊される可能性が高まっている。中性子の長期間の照射により、金属が脆くなるのだ。稼働中に、その破壊が起きると、爆発となり、汚染は想像を絶するほどに広がる。

第二に、地震対策の問題。この原発は、基準地震動最大加速度が600ガルである。一方、近隣の栃木県では、過去記録された最大加速度は1300ガルを超えている(こちら)。これは、原発周辺からの避難を困難にする可能性の問題だけでなく、原発が耐えられぬほどの地震に見舞われる可能性を示している。ちなみに、我が国で過去に記録された同加速度の最大値は4000ガルを超えている。この原発は、他の原発同様、地震に対して脆弱だ。

第三に、深刻事故の際の周辺自治体市民の避難が危ぶまれている。東海第二原発から半径30km以内に96万人が住んでいる。避難は、車になるが、幹線道路は混雑し、かつ地震による被害もあり、避難はスムースに行えない。また、この30kmという距離も、かなり甘い見積もりであり、関東全域が汚染される可能性が高い。福島第一原発で汚染があの程度で済んだのは、当時たまたま風が太平洋側に向かって吹いていたからだ。96万人が避難する事態もきわめて深刻だが、それが関東全域に及べば、我が国が機能しなくなる。

第四に、業者と政治家・官僚の無責任がある。福島第一原発事故の関連死は1000名を超えた。数万人の方が、故郷を失い社会的に抹殺されようとしている。その責任をだれも取ろうとしない。東電の会長は責任を現場に丸投げした。福島第一原発で全電源喪失のような深刻事故が起きることはないと国会答弁で断言していた安倍首相は何も責任を取ろうとしない。それなのに、福島第一原発事故の復旧作業にはすでに10兆円前後の税金が投入されている。これは、モラルハザードを引き起こす。原子力規制委員会は、安全を保障するとは一言も言っていない。安全基準に適合するかどうかだけを示す、としか言わない。新たな原子力ムラの無責任体制である。

こうした状態で、後20年間、原発設計時の使用期限の4倍弱の期間、東海第二原発を稼働させようとしている。

以下、引用~~~

「廃炉」迫る中…東海第2原発、運転延長を認可

2018年11月07日 11時30分 読売新聞

 原子力規制委員会は7日、今月末に運転開始から40年を迎える日本原子力発電の東海第二原子力発電所(茨城県東海村、電気出力110万キロ・ワット)について、20年間の運転延長を認可した。

 原子炉等規制法は原発の運転期間を40年と定めているが、規制委が認めれば一度だけ最長20年間延長できる。1978年に運転を始めた東海第二原発は、今月28日に運転開始から40年となるため、前日の27日までに運転延長が認可されなければ廃炉になるところだった。

 運転延長の認可は、関西電力高浜1、2号機、同電力美浜3号機(いずれも福井県)に続いて4基目。2011年の東日本大震災で被災した原発では初めてで、事故が起きた東京電力福島第一原発と同じ「沸騰水型」でも初となる。規制委が原子炉圧力容器の劣化状況などを確認し、運転延長しても問題ないと判断した。

 再稼働に向けた安全審査には既に合格しており、原電は21年3月までに、防潮堤の建設などの安全対策工事を終える予定。工事費1740億円は、電力供給先の東電と東北電力から支援を受けるという。

 首都圏唯一の原発である東海第二原発は、半径30キロ・メートル圏内に約96万人が住んでいる。再稼働する場合は東海村と茨城県に加え、水戸、日立、ひたちなか、常陸太田、那珂の周辺5市の同意が必要となる。このうち那珂市の市長は再稼働反対を表明しており、早期に再稼働できるかどうかは不透明だ。

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