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医療の原点 

エムスリーという、so-net系の医師専門のサイトがある。ニュースや、情報を得るのにある程度役に立つので、時々アクセスし、たまには匿名BBSで発言したりしている。

法曹家・官僚や政治家に対する批判や、医師患者関係に関する本音などが、BBSで華々しく繰り広げられている。ネット特有のかなり先鋭化した表現、きつい皮肉があったりして、それはそれで面白い。しかし、下手をすると、不満の捌け口だけになり、ガス抜きになってしまっているのではないかと思うこともある。

しかし、最近こうした場で考えられる最上のやり取りが行なわれるものだと感じられたことがあった。ある医師が、胃癌を再発し、胃管によって栄養をようやく摂っている60歳代の症例について、詳細に記し、今後の方針について教示して欲しいとエムスリーBBSで訴えた。最後に、その症例とは、質問者の母親である、と付け加えて。

それに対して、ホスピスへの入所を検討された方が良いのではないかといった冷静な、見方によると、冷静すぎる応答もあった・・・これは、質問者のどのような対処方法でも良いから教えて欲しいという切羽詰った発言の趣旨から外れた応答だと思った。

その後、症例を十分理解したことを示し、腸婁を増設、新しい経口化学療法剤を試してみたらどうかといった意見、温熱療法を試みたらどうかという意見さらに大量ヴィタミンC療法を試みたらという意見など、詳細かつ熱心な応答が相次いだ。

それを最初の発言者は、泣きながら読んだという。

私は、ここで発言された方々が、私と同じ職業の方であることを誇りに思った。ネットでのやり取りであるから、または同業者の家族であるからという理由だけで、これらの応答者はこれだけ熱心に応答をしたのではないと思う。きっと、自ら診療に携わる時に、患者さんお一人お一人に同じように、何時も変わらぬ最大の熱意をもって対応されているのだろうと思ったのだ。医師としての生きがいは、そこにある。私のこころにも、深い感動の思いが広がって行った。

この後は、全くのおまけであるが、これに比べて、医療制度を朝令暮改で弄繰り回し、自らの権益の確保に汲々としている官僚達(の一部)、読者受けだけを狙って、医師叩きをするマスコミ人達(の一部)等々に、この医療の原点をよくよく知って欲しいものだと思った。

コメント

患者として…

ご無沙汰しております。

過去15年ほど、CD患者として数多くの医師と接してきました。そのすべてが良い医師だったとは思いませんし、初心を忘れてしまうほど過酷な医療現場で、良心の呵責に苦しむ医師もいたことと思います。

しかしながら、私はそれ以上に、一人の人間として尊敬に値する医師に接してきましたから、OMがお感じになったように、医師としての生き甲斐を見いだし、患者と真摯に向き合おうとする医師を応援する気持ちに偽りはありません。

ただ気になっているのは、OMがこのブログで怒りをぶつけてこられたように、命を奪うほど医師の労働環境が悪化してきていること、そして大義なき医療行政がまかり通ってしまっていることです。

私が患者として残せる言葉はほとんどありませんし、その行為自体も許されない社会になりつつありますが、医療現場でそれぞれ頑張っていらっしゃる医師のために、少しでもお役に立てればと願ってやみません。

医師にもいろいろな方がおりますし、私のこの文章も少し自己陶酔気味に取られるかもしれないのですが、ほとんどの医師には、こうした「他人のために」という思いが、出発点にあるということは言えるように思うのです。

しかし、仰られる通りの厳しい状況で、そのような思いが、潰されて行っているような気がしてなりません。

患者さんと共に医師や医療従事者が歩めるような社会になって欲しいものだと、切実に思います。

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