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これでよいのか、米国の年次改革要望書に逐一沿った、わが国の医療政策 

最近、慶応大学の権丈善一教授の記した、日本の社会保障と医療に関する論文を読んだ。

その中で、米国の年次改革要望書について触れられていた。凡そのことを知ってはいたが、年次改革要望書に基いて、日本の医療政策が逐一作られていることを教えられ、改めて驚いた。新帝国主義ともいえる、米国のグローバリズムの大きな標的は、日本の医療だという。医療の規制を撤廃し、混合診療を導入させ、米国にとっての新しい市場を開拓するのが、米国政財界の目論見なのだ。

最近、推し進められているカルテ・医療事務のIT化、医療特別区の拡大による混合診療の導入拡大、さらに製薬企業への厚遇等々、年次改革要望書にピッタリと沿った政策を、政府官僚は打ち出してきた。最近は、米国の製薬企業を優遇させるために、日本の医療政策の実際的な決定を行なう中医協薬事部門に、米国の製薬企業の人間を委員として入れろと要求しているようだ。

米国の医療制度は、持てるものには優れた医療を提供するが、多くの持てぬ者には、適切な医療を与えないシステムであることは周知の事実だ。さらに、米国の医療費自体も、世界一高いことも知られている。そうした医療に、日本の医療を変えていって良いものかどうか、我々国民が決めるべきことだ。

ところが、米国の要求に諾々と沿った医療政策を、政府官僚は、これまで逐一打ち出してきた。医師不足を放置することは、さすがに出来なくなったようだが、医療費を大きく削減する方針は撤回していない。医療費を極限まで切り詰めることにより、医療界から混合診療止む無しという声が上がることを、官僚政治家は期待しているように思える。

それが、米国の年次改革要望書に沿うことだからだ。

一体、これで良いのだろうか。

コメント

サラ金の金利規制については年次改革要望書に反する結果を昨年だすことに成功しました。現在の選挙制度ですと議員が落選の恐怖におびえていますので、ある程度ドメスティックな要求はとおりやすくなっています。

madiさん

年次改革要望書に反する施策を取れたのは喜ぶべきなのかもしれませんが・・・では、そうした施策は例外ということになりますね(苦笑。

何しろ、米国からの年次改革要望書にぴったり沿った政策を、時を違えず政権・官僚が打ち出してくるのには、あきれます。

医療関連では、IT化の促進もその一つです。これは、功罪半ばではなく、罪の部分が大分大きい。特に、医師にとっては、PCへの打ち込みに時間がとられ、患者さんに接する時間がさらに少なくなっていると聞きます。福井県立病院では、職員への時間外手当の未支給を労働基準監督署から指摘され、1億数千万支払った、そうした時間外労働の多くは、電子カルテの導入によっておきたそうです。さらに、IT化自体の負担も、医療機関にのしかかります。IT化の「功」の部分は、行政の省力化・データの取り易さ、官僚の天下り先確保、それに何と言っても、IT業界への利潤誘導でしょう。

本年度版の年次改革要望書が出された様子ですね。法曹関連の項目もあるようです。

以下、あるブログからの引用(孫引き)・・・

政府のIT化に関して、アクセンチュアの意向が反映されているような文言、食品添加物の審査を甘くしろ、共済を民間と一緒の競争条件にしろ、外弁法をもっと緩くしろ、(行政書士や司法書士や社労士業界が参入を目論んでいる)ADR(裁判外紛争解決)業務を外弁に回せなどの項目、それからFedEXを意識した項目が多いのが、とりあえずは目につきました。

アメリカのローファームやADR関連法律ビジネスが、日本の書士業を呑み込むという狙いだろうね。タダでさえ、新司法試験と外弁法の既改正分で、司法試験あぶれ組が司法書士や行政書士試験や社労士試験に流れてきているわけで、アメリカという巨大法律事務所が「司法占領」を行うことで、書士業まで再編の機運が高まっているというわけ。

ADRの要望が通れば、「カバチタレ」にもそのうち外人弁護士が出てくるかもね。』

引用終り・・・

毎年の年次改革要望書の内容と、その前後での日本の政策の対比をしてみると良く分かるのではないかと思っています。

また、日本の方からも、米国へ年次改革要望書を出しているはずですが、その内容が何か、それがどれだけ実現しているのかということに興味があります。

長々と失礼しました。法曹の分野でも、大きな変化の時期にあると思います。いろいろとまたご教示下さい。

奪われる日本

その辺に関しましては以前、関岡英之氏の「奪われる日本」という本を読んでから気をつけてみるようにしています。

またその後、大のアメリカびいきと思われる阿川尚之氏の講演会に行ったとき、この年次改革要望書に関する質問をしたことがあります。

そうしたら…彼曰く
「実は、アメリカ国民ほど日本のことを好意的に思ってくれている国はない。中国や韓国内には日本嫌いがほとんどだけれど、アメリカという国の国民は本当に日本好きなんです。」
と言っておられて、私の質問には直接答えてくれませんでした。

好きでもいいんだけど…そういう好まれ方は嬉しくありませんね。論点ずれてるし…。

ただ官僚の中には上記のような考えからアメリカと仲良くしたい、アメリカのことを感情の上で好きになってしまっている、そんな方々がいるように思います。

だから国益とか考えにくいし、アメリカもまた自国民の国益を堅持するために他国に圧力をかけている、という冷徹な国際社会の常識を無視できるのかな、と一国民にして不安に思ったものでした。

好き嫌いの感情で解決したり、理解できたりする問題ではないような気がしますね。

市場原理主義・グローバリズムの勢力が、米国の中枢、特に金融を押さえていて、それとのせめぎ合いが、世界各地で起きているのではないでしょうか。

米国の庶民の方々は、フランクですし、fairなことを重んじるし、好ましい方々ですね。

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