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国家財政の危機を、安倍首相・日銀総裁はまともに考えていない 

国会パブリックヴューィングという運動が、法政大の上西教授を中心として行われている。国会中継を録画したものを、街中で再生し、人々に観てもらうという試みだ。マスコミの政権寄りの報道と異なり、政治の世界で実際何が行われているのか、政権が如何にいい加減な国会運営をしているのかが良く分かる。良い試みだ。

私は、国会中継をできるだけリアルタイムで視聴し、さらに衆院・参院の国会議論のアーカイブを観るようにしている。

さる26日の参院予算委員会、終りの方で、日本維新の会の藤巻健史議員が質疑を行っている。こちら。

新自由主義経済と保守主義の日本維新の会の綱領、政治行動には承服しかねるのだが、藤巻議員はエコノミストとしてしっかりとした見識を持っておられる。

彼は、国の財政問題について質問した。藤巻氏の質疑の要点は、以下の通り。8月の日経新聞に、プリンストン大学の高名な経済学の清武教授の発言が載っていた。日本の財政は持続可能かどうか問われて、問題があり、突然デフォルトに陥った際の対応計画contingency planを練っておく必要がある、と清武教授は答えた。イタリアの国家財政で国の借金が対GDP比130%あり、それがEUでは大きな問題となっている。一方、わが国の国の借金は240%。それなのに、国債価格の低下、金利上昇が起きていない。それは、日銀による国債買い入れが原因なのではないか、本当の問題を日銀が隠しているのではないか、と藤巻氏は、安倍首相・黒田日銀総裁に尋ねた。

安倍首相は、GDPは伸びており、2025年までにプライマリーバランスを黒字化する、対GDPの国の赤字も安定的に引き下げると答えた。だが、GDPの伸びは、カサアゲされたものであることが明確になっている上、このPB黒字化の道筋も、あり得ない経済成長を仮定してのこと。この危機的な財政状況をまじめに考えているとはとても思えぬ返答だった。

黒田総裁は、いつものごとく、異次元金融緩和は、2%というインフレ目標を達成するため、とだけしか答えない。目標を掲げてすでに7年、最近は日銀もいつまでに達成できるという見通しを言わなくなった。藤巻氏が尋ねているのは、この滅茶苦茶な金融緩和からの出口政策だ。ここまで日銀が国債を買い込むと、一旦国債価格が下がる事態になれば、日銀のバランスシートが酷く毀損される。それは、日銀への、したがって円への信頼を失墜させることになる。その危機意識が乏しい。インフレ目標は、この金融緩和で達成できないことが明らかになっており、金融緩和の副作用が目立ち始め、その出口戦略が何もないのに、黒田総裁はその問題意識を持っていない(少なくとも、こうした国会討論の場で議論しようとしない)。これは、中央銀行の長として見識を欠くとしか言えない。恐らく、何が進行しているか、彼は知っているのだろう。だが、日銀総裁の立場としてはそれについて述べられない、ということなのだ。

国家財政は、火の車だということを政権・日銀がまともに考えない。これこそが国難だ。

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