FC2ブログ

予防接種の副作用騒動 

予防接種をしたお子さんの母親から、昨日電話があった。接種した部位が、赤く腫れあがっているらしい。事務員にかなり強硬に抗議をしていた様子で、私が電話を引き取った。

予防接種では、残念ながら、そのように腫れることが時にあること、一度診せて欲しいことを丁寧に申し上げた。しかし、診察を受けたら、お金を払わなければならないのだろう、と仰る。言外に、この副作用の診療には払いたくないというニュアンスである。

私は、恐らく重大な副作用でもなく、無料で診察してしまえば、すべて終わりになるかなという考えが過ぎった。しかし、正直なところ、原則を崩すと、それ以上の賠償に近いものを要求されるのではないかと考えた。それに、このような主張に原則を外して対応するのは、患者教育という点からも好ましくない、

市の方にもクレームが行ったようで、紹介を受けた。診察を受けることが第一で、重篤な副作用であれば、救済機構に救済を申請するが、このケースでは、まずそうはならないだろうということだった。結局、これ以上の抗議があれば、その線で説明することにして、市の担当者と相談を終えた。

深刻な事態ではないのが、幸いだったが、予防接種といえども、様々な問題が起きること、それに対して、このような主張を行なう親御さんがおられることを現実問題として、初めて経験した。都市部であるとこのようなケースは結構あるのかもしれないが、こちら田舎町ではまだまだこうしたケースは稀だ。しかし、これからは、そうも行かないのだろう、と改めて思った。

コメント

 はじめまして。しがない内科医です。
 予防接種は抗原を注射するわけですから、局所の発赤・腫脹・発熱は副反応とすらいえない症状だと思うのですが中にはこういう親御さんもおられますね。
私は、「医者や看護婦が沢山いるのに病院で人が死ぬなんておかしいだろ」と真顔でいうような患者や家族に接するのが嫌で第一線から退きました。医療行為に伴う有害事象を容認する素地は既に失われてしまったようで、更には病死ということすら理解できない方が増えたように思います。我々は修理をしているわけではないんですけどね。
 今はCQを普通に出すだけでJクラスターに載るようなところで仕事をしているので患者は(患児も家族も含めて)顔見知りばかりです。その分トラブルは少ないようで、なんとかこの仕事を続けています。

私が開業医になることを躊躇する理由は、ここにあります。

いったんトラブルになると、患者さんとじかに接し対処していかなければならないからです。病院ならば組織として対応できます。

以前はこんなことはなかっただろう、と思うのですが医学的にある確率で起こりうる事象に対しても「ミスだ」「医療過誤だ」と騒がれるのは厳しいものがあります。

そこへ持ってきて被害者感情をむき出しのマスコミにとりつかれると…とても個人事業者として対応することに困難を感じます。
私の身近にも、言われもない裁判を起こされ苦労している先生がおります。

そういう人間の嫌なところを見てしまったときに、なんだか全部投げ出してしまいそうで、それが一番恐いと思っています。

実際、開業したものの、患者家族から無理難題をふっかけられ、医院をたたんでしまった開業医を知っています。

医者は、患者側から悪意を持って接してこられたとき、精神的に弱い人が多いかも知れませんね。いい医者ほどその傾向が強いように思います。

かかりつけのお医者さん

僕はいつも見ていただいているお医者さんが二名おります。お一人はShinさんのように楽器を弾かれる方でバイオリンを趣味とされており、もうお一方は天文が好きで、町外れに家と小さな手作りの天文台を建てておられます。

お二人にはここ十数年間、家族ともども、あっちが痛いこっちが痛いと何かにつけお世話になり、尿検査で淡白が多いとすぐに隣の帯広の泌尿器科に紹介状を書いていただいたり、娘の指の手術や妻の皮膚の疾患などもすごく丁寧に応じていただいています。

天文が好きなお医者さんの奥様は町のコンビ二で私がお酒やタバコを買うのを見ると笑顔でレジに置いた私のタバコを取り上げ、店の人に「お姉さん、これは元にもどいておいて下さい」と冗談を言われます。

おそらくお二人とも過敏に反応する親御さんと接する事もあるでしょうに、私達にはそんな事一切気づかせない様な笑顔で毎日患者に接していらっしゃる。

近くにそういう医師の方がおられるというだけで平時も安心して生活できていられる。開業医というのはこうした小さな町では本当にありがたい。勿論設備の整った公立病院もこの街にはありますが、2分の診察の為に2時間待たなければならないような混み様ですので、よほどの事が無い限り公立病院は行きません。

医師と言う職業がどういうものなのかを、メディアはもっともっと取り上げて国民に知らせるべきでしょう。

すみません、思ったことをつらづらと書いてしまいました。

ハーフドロッポさん

仰られる通りですね。新潟の方では、90歳のご老人が亡くなったケースに対して、二千数百万の損害賠償の民事が提訴されたと、毎日新聞が報じております。90歳の方が、どのような経過にせよ病死されて、こうした民事訴訟を起こされるという事実に愕然とします。愕然といっても、大分慣れてきてしまいましたが・・・私も、近いうちにドロッポしたいと思っているので、後輩達が大変だなと思うだけです。

CQ、Jクラスターという文字で一瞬読むのを止めてしまいました。是非、生活ぶりなどいつか何処かでお聞かせいただけたらと思います。私も、50歳になったら、どこか開発途上国に出かけて・・・と思っていましたが、果たせず歳だけとってしまいました。しかし、日本の医療が、腐った政財界・官僚の連中に破壊されたら、老骨にムチ打って、外国に出かけるのも良いかなと思い始めました。

また、ドロッポの経緯や、現状などをお聞かせ下さい。

QWさん

開業も、田舎でのんびりやるのであれば、まだ生活はできるとは思います。

しかし、私の小さい職場でも、未収金の問題がぼつぼつ出始めましたし、無償でお貸しする吸入器を返還してくださらないケースもチラホラ・・・。こちらへのクレームはまだ多くはないのですが、これから増えてくる可能性は大きいですね。

しかし、何と言っても、財務省は、診療報酬を下げると明言し、財界は混合診療を迫ってきていますし、そちらの方で開業が困難になる可能性が大きくなるように思います。大規模な初期投資などはとても出来ない状況になりつつあります。

社会的なインフラとしての医療という観点が、経済界にはありませんので、「規制緩和」されたら、日本の医療は焼け野原になることでしょうね。マスコミは、それを何故突っ込まないのかと歯軋りをしています・・・というか、半分諦めモードかな・・・。

Leoさん

そうした掛かりつけの医師がおられて、幸運ですね。是非、彼等との関係を大切になさってください。

私の仕事場でも、患者さんの大多数とは、良好な家族同然の関係なのですが、すこしずつ、そうではない関係にしかなれない方々が増えてくる気配があります。

そうしたら、やはり仕事の幅を狭めて、行く行くはリタイアですね。

米国のフリーウェイを無線機を積んで、知り合いを訪ね歩く旅もいいなぁ・・・と思っていますが、さてどうなることでしょうか。こちらには、まだ自立していない、タンコブが二つありますし・・・。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/698-b28237cd