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労働基幹統計のでっち上げ 誰が何のために? 

この統計のでっち上げは、雇用保険の内部留保を増すためだったに違いない。以前のポストにも記したが、雇用保険は、「加入しやすく、給付は受けにくい」制度に変えられてきた。その結果、平成27年度末の時点で、雇用保険内部留保は6兆円をはるかに超える額となっている。雇用保険は政府主管の事業だが、同保険の関連事業・能力開発事業は、独立法人 雇用能力開発事業機構が担当し、その運営資金は、雇用主の雇用保険料だけで賄われている。これ以外にも、雇用保険関係の独立・特殊法人があるかもしれない。これらの法人は、官僚の天下り先、利権そのものであり、それを維持発展するために、雇用保険内部留保を貯めこんだのではないか。

また、昨年1月に唐突に統計の取り方を「正常化」させたのは、「アベノミクス」による賃金上昇を演出するためであった可能性が高い。

要するに、この基幹統計を、行政・政府の都合によって、書き換えていたわけである。

ノーム チョムスキーの著書「メディアコントロール 正義なき民主主義と国際社会」の中に、「民主主義社会」は、一握りの支配層と、それ以外の「戸惑える群れ」愚民がおり、支配層はメディアをコントロールすることによって、愚民を都合よく支配してきたという記述がある。そのコントロールの方法の一つとして、偽りの現実を提示する、という項目がある。これはメディアレベルでの偽りの提示ではないが、そのもっと元になる行政の基幹統計の偽りだ。メディアは、それを見抜けず、行政の提示した偽りをそのまま国民に示してきた。支配層が戸惑える群れを支配するために、こうした偽りのデータを生み出した、ということなのだろう。

さて、支配層がポカをしでかして、尻尾を露わにした。国民が、戸惑える群れでなくなることができるか否かが、これからの国民の意思表示にかかっている。

以下、引用~~~

誰がなぜ、こっそり補正? 厚労省の統計、広がる不信感

2019年1月12日05時00分

 「毎月勤労統計」の不適切調査問題で、厚生労働省が11日に公表した検証結果では、なぜ不適切な調査が始まり、どうして昨年1月調査分から本来の調査手法に近づける補正がされていたのか疑問点が多く残った。ほかの政府統計への影響もまだ見通せず、野党は追及姿勢を強めている。

 「真実を統計で客観的に伝えることが使命。意図的な操作はまったくない」

 厚労省の中井雅之参事官は11日の検証結果の会見で、昨年1月調査分から補正したのは賃金の伸び率が高く出やすいやり方に変更する意図的な操作だったのではと質問されると、こう強く否定した。

 だが、誰がどんな理由で補正し始めたのかは「調査中」とした。04年に不適切な抽出調査が始まったきっかけにも、調査中との回答を繰り返した。動機が分からない状況で補正が意図的ではないかとの質問が出た背景には、安倍政権が経済政策「アベノミクス」で賃上げを重視してきたことがある。経営側に賃上げを求めつづけてきており、毎月勤労統計はその成果をみる指標として注目されてきた。

 もともと毎月勤労統計では、従業員500人以上の事業所についてはすべてを調べるルールだ。ところが2004年から、東京都の対象事業所は3分の1ほどを抽出して算入する手法で調査されていた。大規模な事業所は賃金が高い傾向にあり、通常の抽出調査ならあるはずのデータの補正もしなかったため、平均賃金額が実際より低めに算出されることになった。

 だが、昨年1月調査分から、対外的な説明もないまま、抽出した事業所数を約3倍する補正が加えられるようになった。

 その後、低めに算出されていた平均賃金額が実態に近くなった結果、前年同月比で伸び率が高く出るようになった。現金給与総額は昨年6月に前年同月比3・3%と21年5カ月ぶりの高い伸び率を示した。前から予定されていた調査見直しの影響もあるが、補正も要因とみられている。

 検証結果では、当時の厚労省内のマニュアルに、不適切な抽出調査を容認する記述があったことも判明した。不適切な調査が組織的に引き継がれた疑いもあり、調査を続けるという。

 さらに、18年6月には厚労省が、神奈川、愛知、大阪の3府県に対し、19年から東京都と同様に大規模事業所は抽出調査に切り替えると連絡していたことも判明した。「不正な調査」がさらに広がる可能性があったことになる。この方針は不正を外部から指摘された昨年12月に撤回したが、3府県へ連絡した理由も厚労省は「調査中」としている。

多方面への影響、見通せず
 不適切な調査の影響は多方面に広がっている。

 まず、過去の平均給与額が高めに修正されることになった結果、雇用保険や労災保険などで過去の支給対象者への追加給付が必要になった。厚労省は11日から専用の相談窓口を設けて、対象者に追加で給付する準備を始めた。ただ、コンピューターシステムなどの改修が必要で、給付の開始はまだ先になりそうだ。

 対象者には手紙を出して連絡を取る。だが転居者も多く、住所が不明な人も相当数いると見込まれる。厚労省幹部は「ホームページなどを通じて対象者に呼びかけていくが、大変な作業になる」と話す。

 他省庁が発表するほかの統計も、毎月勤労統計のデータを使うものがあり、やはり修正を迫られる。

 内閣府には厚労省から昨年12月19日に「不適切な調査だった可能性がある」との連絡があり、影響の有無を精査してきた。結果、国内総生産(GDP)の公表の際に参考として公表する「雇用者報酬」の修正が避けられなくなった。ただ、GDPそのものや景気判断には「影響しない」(内閣府)としている。

 だが、日頃から政府の統計を使って仕事をする経済の専門家の間では厚労省への不信感が広がっている。

 SMBC日興証券の宮前耕也・シニアエコノミストは厚労省が18年1月に「こっそり補正した」ことが信じられない様子だ。「17年まで過小評価で、18年は補正されているなら、18年が高くなるのは当たり前だ。なぜそんなことをしたのか」

 第一生命経済研究所の新家義貴・主席エコノミストは「統計の信用を毀損(きそん)した点が一番の問題だ。今後きちんとやると言われても我々に確かめるすべはなく、疑念を持たざるをえない。海外に日本の統計は恣意(しい)的とみられてしまう恐れもある」と指摘する。

 厚労省の発表を受け、昨年12月にこの問題を指摘していた総務省・統計委員会の西村清彦委員長は「厚労省の職員に重大なルール違反だという意識が無かったことも深刻な問題だ」と語った。

与党幹部も憤り「徹底的に調査、解明するべき」
 毎月勤労統計の問題については、与党幹部も憤る。公明党の斉藤鉄夫幹事長は11日、「まったく許せない事態。徹底的に調査、解明するべきだ」と記者団に語った。自民党の閣僚経験者からは「組織的隠蔽(いんぺい)じゃないとは言えない」「厚労相の首が飛ぶかもしれない」との声も上がる。

 統計や記録の取り扱いをめぐる厚労省のずさんな体質は相次いで露呈している。昨年の働き方改革関連法の国会審議では、労働時間の調査データに異常値が次々に見つかったが、厚労省の対応は後手に回り、問題はさらに拡大した。

 07年に明らかになった年金記録問題は、持ち主不明の記録が5千万件超にのぼった。厚労省は、これまでに解明されたのは3212万件で、年金額の増加につながったのは少なくとも延べ383万人、増加額は2・7兆円と推計。この問題は、第1次安倍政権を直撃し、09年の政権交代のきっかけにもなった。

 厚労省を政権の「アキレス腱(けん)」とみる野党は、春の統一地方選や夏の参院選を見据え、勤労統計問題を徹底的に追及する構えだ。

 立憲民主党は11日、予算、厚労両委員会での閉会中審査の開催を要請。長妻昭代表代行は記者団に対し、「きちっと膿(うみ)を出す。日本の国家としての信頼性を揺るがしかねない問題だ」と語った。

 共産党の小池晃書記局長は記者会見で、昨年1月からのデータ補正のためのシステム変更を取り上げ、「現場の判断だけでできるわけがない。組織的な隠蔽の可能性が高い」と指摘。さらに「偽造されたデータをもとに、賃上げをアベノミクスの成果だと発言してきた安倍首相の責任も問われる」とし、政治責任を追及する考えを示した。

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