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第一次産業の新自由主義化 

小泉構造改革では、規制緩和をして市場原理を導入すれば、経済が活性化するということが盛んに言われた。だが、それは実現しなかった。むしろ、竹中平蔵のような政商が、規制緩和を利用し、利権を漁っただけに終わった。

規制緩和が経済を活性化するという誤った認識に、現政権はまだ囚われている。そして、その規制緩和で甘い汁を吸おうと、竹中平蔵、竹中的な多くの連中が、政権の中、外にたむろしている。彼らは、第一次産業の規制緩和を狙っている。一部はすでに政策化された。第一次産業は、社会の固有の産業であり、社会的共通資本である。安易な規制緩和は、社会のインフラを破壊する。

農業、漁業だけでなく、林業も規制緩和されようとしている。この結果、生活の基盤を失うのは国民ということだ。

以下、引用~~~

小規模・家族経営を潰す安倍政権の時代錯誤な“新自由主義”
(日刊ゲンダイ)

高野孟

世界の潮流は「スモール・イズ・ビューティフル」に向かっているが、日本はその逆を行っている。

マスコミがほとんど報道しないので誰も知らないし、知ったとしてもそれほど多くの人が関心を持たないのかもしれないが、昨年12月8日に70年ぶりに「漁業法」の改正案が、与党プラス維新の賛成で強行的に可決された。

1949年の漁業法は、大企業や地域ボスに握られていた漁業権とその運用権限を、地元の漁業者や漁協に優先的に与えようとするものだったが、今回の改正で第1条「目的」から「漁業の民主化」という根本趣旨そのものが削除された。さらに、その漁業権やそれに基づく漁場の割り当てを企業などに対して金銭譲渡してもいいということになった。

60年には70万人いた漁師が2017年に15万人強にまで減り、しかしその8割までが小規模・家族経営の沿岸・地先沖合操業で生計を立てている零細漁師であるけれども、それを「効率化」とか「大規模化」とかの生産性優先原理に基づいて切り捨てていくのがこの法改正である。

これにはデジャビュがあって、61年の旧農業基本法が99年に「食料・農業・農村基本法」に改正され、その時に「耕地面積30ヘクタール以下、年間販売額50万円以下」は農家ではないという過酷な足切りを行った。

それによって放り出されたジジババが露地栽培の野菜を直売所に持ち込んで売るようになり、今では直売所は全国2万4000カ所、総売り上げ1兆円を超す一大産業となった。

同じ問題が林業を巡っても起きている。これまたほとんど誰も知らないと思うけれども、昨年5月に「森林経営管理法」という法律が成立していて、これは「林業経営の意欲の低い小規模零細な森林所有者の経営を、意欲と能力のある〔大規模〕林業経営者につなぐことで集積・集約化を図る」というものである。

つまり、農業ばかりか漁業も林業も、地域末端の小規模・家族経営の非効率を叩き潰すというのが安倍政権の新自由主義で、その推進力となっているのは竹中平蔵の「規制緩和」イデオロギーである。

国連は昨秋の総会で「小農と農村で働く人々の権利に関する宣言」を採択し、今年から10年間を「家族農業の10年」と定めてキャンペーンを展開し始めている。こういう世界潮流に逆らって「ラージ・イズ・ビューティフル」をいまだに追い求めているのが安倍政権である。

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