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社会保障給付は、高齢化社会で高騰するのか 

今年8月日本医師会で行われた、慶応大学権丈教授の講演「日本の社会保障と医療政策」によると、人口の高齢化の進行に伴う、社会保障給付・医療費給付は、下記のようになる。2025年の推測値は、「医療費の将来見通しに関する検討会」による。

            2006     2025   年

社会保障給付費      90       141
【対GDP比(%)】   24        26

公的医療費        27.5      48
【対GDP比(%)】    7         9

一目瞭然、団塊の世代の高齢化が進む2025年においても、絶対値は増えても、対GDP比率は、それほど変わらないのだ。高齢化が進み、社会保障費が高騰するから、国民負担を大きく増やす、医療給付をさらに減らすという議論は、政策として正しくないことが分かる。また、本来、日本では、国際比較して社会保障への給付が少ないことが分かっている。

それを、分かっていない、または隠した議論・報道がまかり通っている。下記の共同通信の報道もその一つ。官僚の受け売りは、いい加減止めて欲しいものだ。

以下、引用~~~

社会保障給付、87・9兆円 高齢者向け3年連続7割超 05年度、過去最高を更新
07/10/29
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は26日、2005年度の年金や医療、介護など社会保障給付費の総額が過去最高を更新、前年度比1兆9441億円、2・3%増の87兆9150億円に達したと発表した。

 給付費は、医療費や介護費などの自己負担分を除き保険料や税金といった公費で賄われるもので、年金や老人医療、介護など高齢者関係が61兆7079億円と全体の70・2%を占め、3年連続7割を超えた。高齢者人口が増える中、給付費が膨らむことは避けられず、社会保障制度改革の論議で、制度が持続できるための財源論議が避けられない現状を浮き彫りにした。

 一方、児童手当や出産関係費など児童・家族関係は3兆5637億円と、全体の4・1%にとどまった。

国民所得に占める割合は23・9%で、前年度比0・2ポイント増。割合は1992年度以降、14年連続して増えた。

 部門別では年金が52・7%、医療が32・0%、介護や生活保護、障害者福祉などのその他が15・4%と年金がトップ。しかし、伸び率で見ると、医療が3・6%と高く、年金は1・7%、その他は1・5%にとどまっている。

 収入の内訳は保険料46・7%、税25・6%、資産収入16%など。

コメント

諸外国に比べて、日本は企業負担が軽いです。税金は少し重いのでしょうが、社会保障負担が少ないので、税と社会保障を合計すると、日本は企業にとって暮らしやすい国です。
ですから、大儲けしている企業に、もう少しこの国の手助けをしてもらう必要があると考えています。

それと、集めた税金の使い道が問題ですね。
産業振興よりも、民生用に使い道を替えていく時期ではないでしょうか。

絶好調の輸出大企業には、もっともっと負担をお願いしたいですね。それと、公的資金投入を受けて、決算の改善したのに、税金を殆ど払っていない銀行。

歳出で是非手を入れて欲しいのは、やはり公共事業費と、米国べったり言いなりの軍事費でしょうか。公共事業費は、まだまだダントツに高いのですよね。こちらでも、あまり利用されないだろう、高速道路がちゃくちゃくと整備されています。歳出削減等どこ吹く風といった雰囲気。

ただ、財源問題よりも、医療が壊れて言っている現状を、国民の方々に知って欲しい、そしてそれを政治家に訴えて欲しいと思います。結局痛みを負わせられるのは、国民になると思いますから。この点を理解していただくことが、一番大変なことなのかもしれません。

この財務省の受け売りデータなど、ちょっとみればおかしいことはすぐ分かるのですが、国民にとっては、そうではないというところが問題のように思います。どうしたら良いのでしょうね。医療側としては、お手上げに近いです。

GDPは増えるの?

ちょっと水を差すようで申し訳ないのですが、上の元データに当たってみて不思議に思うんですけど…GDPって永久に上昇するという前提なのでしょうか。

上の数字から計算すると2025年のGDPは現在の1.3~1.4倍くらいになる計算です。
今よりも労働人口が減り、労働者不足も著しくなるであろう2025年…。総務省の将来推計人口を考慮すればもっとも楽観的なパターンでも労働者人口は2006年8442万人ですが、2025年には7124万人に減少します。労働者人口が減るのにGDPが増えるとは一人あたりの生産性はさらに増えることにならなければなりません。
今よりも原材料費や輸送費が値上がりするであろうに、どうやってGDPが増えるのかきわめて不思議です。物凄い高効率の物流システム、生産システムでも開発されるのでしょうか?物凄い楽観主義だと思います。あるいは物凄いインフレにでもなれば額面だけは増えることになるでしょうけど、医療について言えば質が著しく低下することになると思います。
同じ官公庁でありながら、厚生労働省と総務省はこれらの点についてどれほどの情報交換ができているのでしょうか。
素人がちょっとネットをいじってみてもこれくらいの情報は簡単に入手できます。官僚は本気でGDPが増えると思っているのでしょうか?
本当に不思議です。

この調子で地球温暖化は起こりえず、医師であれば男も女も老若男女関係なく70歳を超えてなお働き続けられる、と考える官僚はやはり気が狂っているとしか思えません。

私も、全くの素人なので、どのように予測しているのかは分かりませんが、労働者人口と、労働生産性両者の変化を考慮しての予測だと思います。

ただ重要なことは、厚生労働省の出す医療費予測が、年々変化してきているが、それは国民所得のなかの比率で見ると、変化していないということです。その比率は、おおよそ12.5%。

2025年の医療費の見通しは

1996年時点では 141兆円

2000年時点では  81兆円

2006年時点では  65兆円

従って、医療費が、突出して上昇するとする印象を与える、こうしたマスコミ報道、さらにはその元のソース(即ち、官僚の発表)は、おかしいというべきなのでしょう。

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