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経済財政諮問会議の提言 

経済財政諮問会議が、「診療報酬体系の見直しに向けて」という提言を、先週14日に行なった。ここ

この会議のメンバー四名は、経済学者、大企業の経営者である。まず訝しく思うのは、なぜこうした面々だけで、医療制度を左右する提言を行なえるのかということだ。彼等は、医療の専門家でも何でもない。彼等は、医療現場の状況をどれだけ知っているのか。経済財政の観点だけで、もっと言えば、自らの利権の獲得のために、こうした提言を行なっているのではないのか。

経済財政諮問会議は、単なる政府の諮問機関であるに過ぎない。それなのに、彼等の提言の多くが政策として実現することだろう。それは、社会に激烈な変化をもたらす。その犠牲になる人々に対して、誰が責任を取るのだろうか。この四名の会議メンバーは、その頃には、職を辞めていることだろう。官僚、さらに政治家さえ、責任を取らない。

医師の仕事を看護師に、看護師の仕事を介護職の方に引き受けてもらおうということだが、介護の現場でどれほどの重労働を余儀なくされているのか、このメンバーは御存知なのだろうか。看護師も、決して足りているわけではない。医師と同じく夜間の勤務は、極めて劣悪な条件下でなされている。このメンバー達は、医療・介護の現場に一度でも足を運び、そこで仕事をする人々と丸一日過ごしていただきたいものだ。

開業医と勤務医の格差是正とは聞こえが良いが、結局、開業医への診療報酬を減らし、開業医の労働条件を劣化させ、勤務医が開業できないようにしようということに過ぎないのではないか。以前のこの会議で、八代氏が、開業医と勤務医を反目させるべきだといった内容の発言をしていたが、それをこうして実現する積りなのかもしれない。勤務医の労働環境が劣悪なのはどうしてなのか、という点には目をつむり、開業医の労働環境・労働条件を悪化させ、勤務医が開業する道を閉ざすことが、どうして格差「是正」になるのだ。

公的病院は、人件費を下げ、ベッド利用を増やして赤字から脱却せよと言っている。公的病院に問題があるのかもしれないが、実に8割の病院が、経営上立ち行かなくなっているということは、むしろ病院外の条件が大きく影響していると言えるのではないだろうか。医師不足に対する無策、度重なる診療報酬の削減、地方自治体の財政悪化を放置させたこと等々である。公的病院は、病院債発行によって、金融機関の支配下に入り、民営化されるのみ任せる積りなのだろう。公的病院の使命を認識し、それを守ろうとする意図は全く感じられない。

道路は、今後10年間、年に6兆円作り続ける積りらしい。医療費の公的支出は、たかだか8兆円である。それも(自然増も含めてのようだが)、5年で1兆2千億炎減らすようだ。道路が、地方の活性化にどうしても必要な地域もあるのだろうが、どう考えても意味のない高速道路を作り続けているところも見受けられる。我が家のすぐ北にそうした道路の建設が進んでいる。こうした利権がらみの国家予算は、大切に保護される。しかし、国民の健康を守る社会の共通財を、これでもかというばかりに痛めつけ破壊する、政府・官僚、それと一体化した諮問会議。

国民が痛みの声を張り上げるまで、彼等は、自らの過ちを正そうとしないのだろうか。我々は、怒りの気持ちで彼等の名前と所業を決して忘れない。

コメント

「国民医療推進協議会」が、ようやく旗をあげたようです。これで、各団体が一枚岩になれ大きなうねりが出来上がればいいなと私は思っておりますが
。経済財政諮問委員会につきましては、まさしく経済界の利得最優先委員会。昔から言葉もでません。

国民医療推進協議会なるもの、知りませんでした。ただ、植松会長の時代に立ち上げられた組織のようですね。何か新しい動きを始めたのでしょうか。凄い大所帯なので、方針決定が難しそうです。勿論、一丸となって動けば、政治力は大きいものがあるのでしょうが。

こんばんは。
経済財政諮問会議は、何の資格があって、医療に口を出すんでしょうか。
全ての物を金儲けの道具としか見ない人は口を出さないでもらいたいです。
だいたい、我々は、この人達を選挙で選んだ覚えはないのだから。
ましてや、医療現場の事を何にも知らないなら、黙っててほしい。
悲しい事に多くの国民は、こういう会議の正体、知らないんですよね。


しかし、「開業医の締め付け=開業抑制」には呆れます。
この会議のメンバーの八代尚宏氏は、
「正社員と非正規社員の格差は、正社員の給料を下げて是正すべき」との思考の持ち主ですから、不思議ではないですが。
色んな面で日本の歪みが大きすぎる気がします。
先生がこういった事をブログで取り上げてくださると、読者としては非常にありがたいです。

この諮問会議、思いつき程度の提言ですね。現場の状況を知らないと思います。介護現場は、医療よりもキツイ状況で、現場職員の給与は、本当に低い、現場の人間の善意でようやく成立していように思います。そうした現場を直接見てはいないのでしょうね。

選挙で選ばれた人間でない、経済人が、自らの利益誘導のために、こうした提言をし、それを政治家が諾々と受け入れるのは、やはり間違いですね。

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