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医療用薬品の規制緩和 

アンブロキソール塩酸塩という薬は、去痰剤の一つで、気道分泌液をたくさん作り出し、一方、気道粘膜の繊毛運動を増やすことによって、痰を喀出し易くするユニークな薬だ。

この薬は、医療では、「急性気管支炎、気管支喘息」でしか用いることが出来なかった。所謂、風邪(上気道炎)には使うことが出来なかった。気管支炎と上気道炎の区別が臨床的に難しいこともありうるが、風邪では決して使ってはならぬ薬だったのだ。

それが、一転、厚生労働省は、規制緩和の一環として、大衆薬・かぜ薬に含めることを許可したらしい。今まで、上記の二疾患にしか適応を認めなかったことは置いておくとして、発熱と激しい痰・咳に効く薬として大々的に宣伝されることが目に見えるようだ。

しかし、発熱と激しい痰・咳が出る状態には、重い疾患が隠れていることもある。一般の薬局で市販されるOTC薬が充実することを、一概に否定するわけではないが、こんな症状があるのに、この薬の入った市販薬で様子をみることは、得策ではない。また、この薬では、重篤な副作用はないという触れ込みだが、蕁麻疹様の発疹も出ることが報告されている。ということは、頻度はきわめて小さいだろうが、重篤なアレルギーであるアナフィラクシーショックも理論的に起こりうると考えた方が良い。

米国では、行政機関であるFDAが、6歳以下の市販かぜ薬に有用性が認められぬ、副作用の問題がありうるとして、用いないことを勧告したようだ。「風邪には、早めに○○を飲んで治そう」といった広告は、誇大広告そのものだ。

医療への規制緩和は、あくまで患者のメリットになるかどうかで判断すべきだろう。ゆめゆめ、製薬企業の利潤のためであってはならない。

以下、引用~~~

医療用成分、規制緩和で大衆薬・かぜ薬に配合
07/11/29
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

かぜ薬:医療用成分、規制緩和で大衆薬に配合

 医療用薬品に使途が限定されていた成分を配合した大衆薬のかぜ薬が、12月から相次いで発売される。医療費削減につながる規制緩和の一環として、たんを切る有効成分「アンブロキソール塩酸塩」を大衆薬に配合することが今月承認されたためで、エスエス製薬が総合感冒薬「エスタックイブファイン」を12月26日に発売。大正製薬も同成分を配合した「パブロン」ブランドのかぜ薬の販売を1月をめどに始める。

 この成分は独製薬会社ベーリンガーインゲルハイムが65年に開発したもので、国内では同社傘下のエスエス製薬とライセンスを受けた大正製薬が取り扱う。エスエス製薬の新製品は熱やせき、たんが激しい症状のかぜに有効で、価格は30錠入り1764円。同社の中核商品に育てる意向だ。

 大衆薬への医療用成分の配合を認める規制緩和は、胃腸薬や目薬、水虫薬などで広がっているが、かぜ薬で新たな成分の配合が承認されたのは01年以来6年ぶり。厚生労働省は今後も規制緩和を進める方針だ。

 さらに、09年春には大衆薬の販売制度も見直され、副作用リスクの低い薬は薬剤師のいないコンビニでも販売できるようになることから、新製品の投入が一段と活発化しそうだ。【小島昇】

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