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医療崩壊は確実に進行している 

11月30日に、自民党の医療事故調査委員会制度原案について書いた。

一番の問題は、この事故調の調査内容が、刑事告訴に用いられうるという点だ。新聞の見出しには、医師の責任を追及しないと記されているが、中身は異なる。確かに、悪質なケースだけを警察に報告するとされているが、だれがどのような基準で「悪質」とするのか。かの福島県立大野病院事件も、「悪質」であるとして刑事告訴に至ったのではないか。民事はおろか、刑事事件としても立件され、そのための調査にもなるのだ。

ブログ「ある産婦人科のひとりごと」で、静かな口調であるが、絶望的な状況を、ブログ主の産婦人科医が語っている。彼や、その他多くの産婦人科医を悩まし、さらには産科医療から撤退させているのが、上記事故調査委員会制度原案に盛られたような医療への無理解だ。

医療が、崩壊すると言っても、身近に医療機関があり、そこで医療を受けられるではないか、と思われる方がいるかもしれない。しかし、目に見えぬところで、確実に崩壊は進んでいる。私の仕事場の隣に産婦人科医院があり、結構多くの妊婦さんが訪れている。しかし、来年7月一杯で産科診療から撤退すると伺った。このような事例が、全国各地で静かに、しかし着実に進行しているように思える。

気がついたときには、手遅れになっている。

コメント

いつも拝見させていただいています。
この事故調査委員会制度は崩壊、破壊
への最後の階段になると感じます。
産婦人科だけではすまないでしょう。
善意の行為が望まない結果になれば、
民事だけではなく刑事での訴訟が
待ってます。結果が悪い事はすぐ悪質なミスがあるのではと考えられる可能性があります。応召義務あり?ですので対策はそのような職場からの逃散しかなくなります。勤務医では以前より
早期の退職が増加するのではと
感じます。
気がついた時というより すでに
手遅れではないでしょうか

県南にある2つの公立中核病院が医師不足ということで、組織統合を図ろうとしています。県北の公立病院はすでに医師を確保出来ずに診療科数が減りました。また、分院が診療所になったり、診療所が廃止されようとしています。大学病院でさえ、麻酔科の医師が足りずに、命に関わらない息子の手術は別の病院になりました。(結果的にはその方がよかったのですが)
わずか2,3年の間に一気に医師不足(医療崩壊)が進んだと実感します。

仰られる通り、医療自体、具合の悪くなった生体に何らかの侵襲を加えますから、結果が悪いと即医療事故扱いになる可能性が出てきますね。

医師の責任を問わないと言いつつ、それと矛盾するこの内容です。官僚は、何としても来年にはこの法案を通したくて仕方がないのでしょう。何故なのでしょうか。

地方では、医療崩壊の現実が目に見える形で進行しているのでしょう。私自身も、医療を受ける側に立つことを考える年齢層になってきましたから、切実です。願わくば、住民の方々が、単に政治家に陳情したり、署名を集めたりするのではなく、社会のインフラとしての医療をどうしたら保てるのかという視点で考えて下さったら、と思っています。

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