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トランプ来日で、米国が得たものは、即ちわが国が失ったもの 

内田樹氏の述べた「倒錯した」思考は、国民に受け入れられているように思える。だが、その思考、判断の出所は、自民党政権である。

自民党は、かってCIAから資金を提供されて、米国にとっての「防共」の盾となるべく誕生した。それを担ったのが岸信介だ。その根本的な思考から、自民党は抜け出せていない。冷戦構造がとっくに終了し、ただ米国の側についていれば、わが国の政権が、米国から信任され支持されるという時代は終わった。

だが、今も米国に隷従することで、自らの権力基盤を維持し、自らの利益になると信じているのが、岸信介の孫、安倍晋三による現政権だ。

冷戦構造が終わった今、わが国は米国により社会的共通資本たる農業・医療を破壊され、自衛隊員の生命を米国の世界戦略にのために差し出そうとしている。それは、「売国」そのもの。それに、国民がまだ気づかない。

以下、引用~~~

内田樹「米大統領が訪日で獲得したものは、そのまま日本が失ったものだ」
連載「eyes 内田樹」

内田樹2019.6.5 07:00AERA#内田樹

内田樹(うちだ・たつる)/1950年、東京都生まれ。思想家・武道家。東京大学文学部仏文科卒業。専門はフランス現代思想。神戸女学院大学名誉教授、京都精華大学客員教授、合気道凱風館館長。近著に『街場の天皇論』、主な著書は『直感は割と正しい 内田樹の大市民講座』『アジア辺境論 これが日本の生きる道』など多数
内田樹(うちだ・たつる)/1950年、東京都生まれ。思想家・武道家。東京大学文学部仏文科卒業。専門はフランス現代思想。神戸女学院大学名誉教授、京都精華大学客員教授、合気道凱風館館長。近著に『街場の天皇論』、主な著書は『直感は割と正しい 内田樹の大市民講座』『アジア辺境論 これが日本の生きる道』など多数

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トランプ大統領が訪日日程を終えた。安倍首相はゴルフと大相撲など異例の歓待で日米同盟の緊密さを世界にアピールして堂々たる外交的成果を上げたと大手メディアはうれしげに報じているが、そのような気楽な総括でよろしいのだろうか。

 大統領は首相との密談の中身について「農作物と牛肉」をめぐる交渉で「大きな進捗」があったこと、「7月の選挙が終わった後」に「大きな数字」が出てくることまであっさりツイッターで暴露した。横須賀では空母化される「かが」に搭乗して、米国製の兵器の「最大の買い手」である日本政府がこれから1機150億円のF35ステルス戦闘機を105機購入すること、それを艦載した大型艦船が「すばらしい新しい装備で地域の紛争にも対応することになる」と日米同盟の広域での軍事的展開を予言してみせた。

 このどこが安倍外交の「成果」として称賛されるのか私にはわからない。大統領はただ「属国」を視察に来て、「代官」に忠誠心の踏み絵を踏ませて、満足して帰って行ったようにしか見えない。

 大統領は大幅な関税引き下げを求め(それは日本の農業に致命的な打撃を与える)、維持費を含め6兆円の戦闘機を買わせ(それは福祉や教育や医療に投じることができた財源である)、日米同盟の本質が軍事的なものであることを世界に広言した(それは米国が始める戦争に日本が巻き込まれるリスクを高めた)。

 大統領が訪日で獲得したものはそのまま日本が失ったものである。にもかかわらず、多くの日本人がこの「成果」に随喜している。なぜそのような倒錯的な思考ができるのか。説明できる仮説を私は一つしか思いつかない。それは「米国の国益を最大化することがわが国の国益を最大化することである」という信憑がひろく日本社会に行き渡っているということである。

 これに類する事例を私は他に一つ知っている。かつてソ連の衛星国の指導者たちが主語を「ソ連」に替えただけで、これと同じ文型で自分たちの統治を正当化していたことがあった。それらの国々がその後どうなったか、人々はもう忘れてしまったのだろうか。

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