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ゆらむぼさん、逝く 

私が、チェロを再び弾き始めて10年近くなる。その頃、PC通信のニフティサーブにアクセスするようになった。FCLAという音楽を演奏したり聴くことを趣味とする人々が集うフォーラムが、ニフティの中にあった。そこにたどり着き、恐る恐る発言をしていた。FCLAは、音楽の演奏・リスニングにかなり達者で経験豊かな方が多かったのだ。しょうもない発言に、親切なコメントを下さった方が何人かおられた。

そのような方の一人が、ゆらむぼさんであった。彼は、楽器演奏こそしないものの、リスナーとしては豊かな経験を持っておられた。以来、彼の発言には何時も注目していた。ブラームスへの理解の仕方等教えられたことが多かった。

ニフティのフォーラムが廃止になってから、ネットで彼のサイトを時々覗かせていただいていた。専らROMである。彼は、社会福祉の勉強をされたが、鬱病という病気をかかえ、アルバイトで生活をされていた様子であった。時々、具合が悪くなると、サイトの更新が少なくなるようだった。昨夜、久しぶりに彼のサイトを訪れると、彼の突然の死を告げる、お兄様の言葉が目に飛び込んできた。ここ

11月19日に、くも膜下出血で急激な経過で亡くなられたらしい。遠のく意識の中で、父上に「死んだら、ベートーベンをかけてほしい。」と語ったそうだ。彼の葬儀では、ベートーベンの後期の室内楽や、ピアノソナタの緩徐楽章が流されたようだ。

直接お目にかかったわけでもなく、個人的に知り合いであるわけでもないが、彼が亡くなられたことで、私のこころにずしんとくるものがあった。この10年近く、音楽と密接に過ごしてきた間、彼の評論や発言にいろいろと教えられることが多かったからである。

彼のサイトを少し読み直させていただいて、シュターツカペレドレスデンをクルト ザンデルリンクが振ったブラームスの交響曲、特に4番の演奏を,彼が高く評価しておられたことを知り、たまたま私も同じ感想を持っていたので、嬉しかった。彼の評論は、該博な知識に裏付けられながらも、平明かつ味わい深い。情報のあふれかえる中で、何を聴くべきか、押し付けがましくなく教えてくれる。ブラームスの室内楽が、それを聴く私達の耳元で、そっと「君にだけ話すのだけどね・・・」と語りかけるようだといった意味の言葉を、ニフティのフォーラムで記しておられたことが忘れられない。

一度は、彼のサイトのBBSで御挨拶をしようと思っていたのだが、その機会を失ってしまった。

ゆらむぼさん、さようなら。安らかにお休みください。

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