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医師の海外への転出 

英国では、サッチャー政権当時、医療費を徹底的に削減した。その結果、国民が医療を受け難くなった。家庭医にかかるのに、予約が必要で、それ以上に専門的な医療が必要になると、専門医に紹介されるが、その診察・検査・手術は、数週間から数ヶ月待ちであった。一方、英国人医師は、国外に流出し、開発途上国の医師によって医療が担われる側面もあった。その後、医療費を大幅に増やしているが、なかなか医師の士気は戻らないと言われている。

日本でも、救急医療の担い手である外科系を志望する医師が少なくなり、さらに一部の医師は、米国等で研修・仕事をするようになり始めたと報道されている。ここ。現在の若い医師達が、外国に出かけて仕事をすることを特別のことと捉えることはないだろう。英会話の力さえあれば、どこにでても十分力を発揮できる優秀な人材が、彼等の中には揃っている。

一方、日本国内で優秀な医師がいなくなっても、良いのだろうか。一旦失われた医師の士気は、回復するのに大きな代償と時間がかかる。再診料を700円何がしから500円何がしに減らして、勤務医が開業へ逃げるのを止めさせたり、これまで医師の士気に支えられてきた夜間救急や、時間外勤務をそのままにし、さらに多くの義務・雑務を負わせ、さらに医療「安全」調査委員会などという組織が、刑事罰をちらつかせながら、行政の言うとおりにさせようとする。そうした体制では、優秀な医師は、やがて日本からいなくなることだろう。

それでも良いのか。

コメント

人材流出

こちらの記事で若手医師の海外流出が報じられていますね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080108/144396/

これは何も医師に限らず、私のいるIT業界近辺でも既に起こっている事です。海外とまでもいかなくても外資系に転職してしまうなんてのまで含めればかなりの数になるでしょう。

グローバルに通用する技術を武器にしている人にとっては言葉の壁さえなんとかなれば日本に留まっている必要は全く無いわけでより自分の技術を生かせるところに移っていくのは止められないでしょう。

昔がよかったといって色々な制度を昔のような感じに戻したとしてももうこういう流れは止められないと思います。

昔に戻すのではなくて昔とはまた違った方向に持っていかないと解決できない難しい問題ですね。

イギリスと日本とで根本的に違う問題が一つあります。言語です。

イギリスは英語、つまり世界共通語の国ですが日本は異なります。イギリスにはいわゆる発展途上国の優秀な人材が流入し、医師として働くことは可能ですが、日本では実質外国人医師が国内で働けるような状況ではないと思います。

うちの県の知事はいわゆる僻地医療に外国人医師特区を設定し、連れてきたい、などと意気込んでおりましたが現場を知るものからすればそんなものは絵に描いた餅に過ぎず、不可能です。
医療にはそれほどに言語が重要であり、ニュアンスまで理解する必要があります。これはネイティブスピーカーでなければ難しいのではないでしょうか。

うちの大学で学位までとった中東出身の医師がいますが、彼は卒業後イギリスに行きました。日本は好きだけど、言葉の問題もあり、医師としては働けない、と言っておりました。

結局日本は、海外へ医師が流出しても(実際私の前後の学年の医師で数人米国に移住し、あちらで医師免許を取得し活躍している人がいます)、海外から受け入れることは現実問題無理だと思われます。

IT業界も凄まじい社会のようですね。知り合いの精神科医に、IT業界で酷使され精神疾患になるケースが多いということを良く耳にします。

若い医師が実力を試しに、世界に飛躍することは大変結構なことだと思うのですが、問題は、日本の医療システムが余りに貧困になり、かつ官僚統制下におかれているために、彼等がいわば愛想をつかして出てゆくことは問題です。医師の流出は、そうでなくても貧しい日本の医療システムを更に貧しくすることでしょう。

QWさんご指摘の通り、英国と異なり、英語という母国語を持たない日本では、いくら発展途上国の医師といえども、日本に来て医療に携わろうとは思わない(出来ない)でしょう。中国の産婦人科医を連れてきて、訓練生として仕事をさせるという岩手県の話もありましたが、戦力にはならない可能性が高いです。新潟でも、知事が同じようなことを言っていましたね。

私の同窓では、基礎医学の研究で欧米に留学された方は、何人もいますが、外国で臨床をやっている人は皆無でした。同窓会報などをみると、外国で臨床に進む方もぼちぼち出始めているようです。嬉しいような、残念なような、複雑な心境です。

あの知事…

あの方は何にも分かっていません。
マスコミウケのいい、耳に心地よいことはいくらでも言えますが、現場に腰を据えて、着実に成果の出るようなことをあまりしたがりません。岐阜県行政の現場で仕事をしていた人間とは思えない現場感覚の無さです。

ああいうのを見ていると政治家っていうのは本当にどうしようもない職業だなぁ、と思ってしまいます。
まあ、そういう人を選んでしまう民意・民度というのもその程度なんでしょうけどね…。

医療事故調がホントに実施されたら、終わりですね。救急に携わる勤務医は全員犯罪者予備軍です。国を離れるか、医者を辞めるか(医学教育者は無難なところか)…という感じになりそうですね。

口で言っても分からない官僚や、それを後押しするマスコミに対しては、一度本当に破壊的な結末を見せる他に手はないような気がしています。
特攻という外道とよばれた戦法も、沖縄戦での大量死も、硫黄島の玉砕も、この国の戦争を止めるためには不十分でした。二つの原子爆弾がようやくポツダム宣言の受諾を決心させたように、何かとんでも無いことが起きない限り、この国の官僚・マスコミは現実を受け入れることができないのではないか、そんな悲しい民族性を想像してしまっています。

もう二進も三進も行きません。

止められない流れ(!?)

遅れましたが、今年もよろしくお願いします。

もうこの流れ、止められないかもしれないと考えています。必要なことは対価の提供(金銭、それ以外)ですが、現実は逆のことしか考えられていません。その限りにおいて、人材流出はやむを得ないと考えた方がいいでしょう。こちらはそれに備えて、病気や怪我をしない生活に切り替えないと・・・

そうですね、勤務医の負担軽減と、開業医の再診料を下げることは、どのようにつながるのか、風が吹けば桶屋が儲かる式の発想ですね。再診料を下げて、それで浮いた金を、病院への診療報酬に回すという話らしいですが・・・笑。勤務医が開業する道を閉ざすために、技術料を際限なく減らすと本心を官僚が語れば、まだ少しは納得できるのですが、勤務医と開業医の対立をあおり、それを利用しようとする、こ賢しいやり口に憤りを覚えます。

しかし、長い年月をかけて自己訓練し、勉強して得た我々の技術に対する評価を、官僚がこのように簡単に貶めることに、嫌悪感を感じます。

もう行き着くところまで行かないと、彼等は目を覚まさないのでしょう。ある種のコミュニティを作って、生き延びる策も必要なのかもしれません。若い医師が、国外脱出を図る気持ちも、痛いほど分かります。

大都市での研修を制限されることになれば、自分の能力に自信のある若い医師は、国外に仕事の場を求めることになるでしょう。官僚も、まさかそこまで制限は出来ますまい・・・それとも、医師の徴兵制度、徴医制ができるのかどうか 苦笑。

今年もどうぞよろしくお願い致します。

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