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無過失補償制度 

脳性まひは、周産期医療が進んだ現代でも、1000出生に対して1から3の頻度で生じる。9割は、胎生期の問題で生じることが判明している。

脳性まひが、お産時の医療事故だとして、医療訴訟になるケースがとても多く、産科医療を困難にしている。脳性まひの症例全体に、医療訴訟で勝訴した場合の補償金の平均を支払うと、産科医療の全収入がなくなる、即ち、産科医療はそれだけでも成立しがたくなる、といわれている。その状況を改善するために、無過失補償制度が提案され、実現することになった。

この制度には、大きな問題がいくつかある。

○脳性まひの90%が胎生期に起きるとしたら、それは現代医学ではまだ対応できぬ問題だ。残りの10%の周産期の問題、とりわけ新生児仮死も、避けえぬ事態であることが多い。なのに、医療機関が、この保険料を支払わなければならない理由はない。むしろ、ハンディキャップを負って生まれてきた子ども達を、社会が支える社会福祉の一環であるべきなのではないだろうか。

○医療訴訟を抑制する狙いもあるというが、抑制するという保障は全くない。むしろ、医療訴訟を経済面から促す可能性がある。医療訴訟を減らすためであれば、この補償を受ける条件として、訴訟は起こさないという条件をつける必要が出てくる。

○日本医療機能評価機構は、病院の機能を評価し、認定を授与することを「有償」で行っている。機能評価・認定の際には、微に入り細に入り検査されるが、本質的な問題、医療スタッフの労働環境などには、殆ど触れないらしい。有償の評価には、検査官の滞在費食費なども含まれているらしい。同機構の理事達は、所謂有識者が顔を並べているが、結局は、官僚の天下り先の一つだ。このような組織が、数百億円規模になる本補償制度を運営するには大きな疑問がある。社保庁の二の舞にならなければ良いのだが・・・。私など、同機構が、本補償制度を運営すると聞いた途端、胡散臭さを感じた(苦笑。


以下、asahi.comより引用~~~

出産事故に2500万円補償 重い脳性まひ救済
2008年01月23日20時52分

 政府方針で導入される出産時の医療事故で重い脳性まひになった子の救済制度について、厚生労働省所管の財団法人・日本医療機能評価機構は23日、子1人当たりの補償額を計約2500万円とすることを決めた。事故直後の一時金と、成人するまでの分割給付金に分ける。救済対象となるには出産を扱う病院・医院が保険に加入している必要があり、同省などが加入を呼びかける。08年度中に開始する。

 救済対象は、妊娠33週以降に体重2000グラム以上で誕生するなど通常の妊娠・出産で、重い脳性まひになった子。年間500~800人程度を見込む。未熟児や先天的に脳に異常がある子らは原則対象外。医師に過失がなくても救済されるのが特徴で、産科医不足の一因とされる医療紛争を減らす狙いもある。

 補償金は、出産後の一時金(500万~600万円)と、子どもが成人するまで支払われる分割金(1カ月当たり約8万円、総額約2000万円)に分けて給付。子どもが成人前に死亡した場合は遺族に給付される。

 医療機関が支払う保険料は出産費用に転嫁されるとみられ、個人負担が3万円程度高くなる恐れがある。このため同省は、制度開始にあわせて健康保険から支払う出産育児一時金(現行35万円)を引き上げる方針。

アサヒ・コムトップ

コメント

うーん。

おつかれさまです。
この制度、意味あるんですかねぇ。
脳性まひのお子さんだけを救済してもなあ。
訴訟は減らないですよね?
法律で「無過失補償制度を受けるか訴訟をするかの二者択一」と規定しても、脳性麻痺以外の事例では依然として訴えられる可能性が残ってるんですから、産科医不足に効果はなさそう。

この制度の財源は、医師の方々の保険料でしたっけ?
あと、
>医療機関が支払う保険料は出産費用に転嫁されるとみられ
↑この部分の意味が分からなかったんですが、どういう意味なんでしょうか。

たかさん

母親家族の支払う出産費用に、医療機関がこの制度のために支払う保険料を上乗せすることになるだろうという予測ですね。要するに、出産する方の負担になる、と。額が3万円で済むのかどうか。ちゃんと上乗せできるのかどうか。

それと、脳性まひは、結構頻度が高いのです。脳性まひをすべて医療事故と捉えて、民事訴訟を起こされると、産科は成立しなくなります。

一番の問題は、官僚の天下り組織がこの事業を行うことです。社保庁の行っていた出鱈目な行政を、ここに持ってきて欲しくないものです。

官僚は、まるでヤクザの島のように医療を考え、ありとあらゆる側面で特殊法人を立ち上げ、そこで天下り先を確保しようとしているようです。

なるほど

そういう意味でしたか。
ありがとうございました。
それと、脳性まひ。
脳性まひで訴訟されなくなるだけでも
いくらか産科は救われるんでしょうかね。
だとしたらいいのですが。
個人的には、専門家による医療裁判所みたいなのがあれば一番いいと思うんですけどね。
憲法違反で無理のようだし。

しかし、官僚の肥え太りを許さないように監視していかなくてはいけませんね。
というより、いい加減、天下りをやめたらどうか。
天下りをやめれば、いわゆるガソリン税なんか廃止できるのに。

医療事故の問題を解決するには、裁判といった対立の形式ではなく、純粋に専門的な原因追究とrestorativeな話し合いの場が必要のように思います。そのためには、刑事免責が基本的に必要だと思います。

官僚が特殊法人を立ち上げて、そこに天下り先を作ることにかけては、すばらしい才能を発揮します。医療関係でも、最近だけで10近い特殊法人が立ち上がったのではないでしょうか。この無過失補償制度を扱う特殊法人が立ち上がれば、数百億円を毎年手にする大きなシノギ(笑)になると、官僚達は思っていることでしょう。数年後には、納付記録が散逸しました・・・なんてことにならなければ良いのですが・・・。

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