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開業医の診療報酬減となることを、朝日新聞が報じると・・・ 

再診料引き下げは取りやめることになったようだ。このニュースを報じる朝日新聞のスタンスが、「断念」との言葉から読み取れる。官僚側に立っているのだ。実質、外来管理加算という診療報酬が削減ないし廃止されることで、開業医にとっては、痛みは同じだ。

医療費は削減し、混合診療止む無しという世論を上げさせる、官僚が医師の配置を決め、「医療事故」を断罪する、医師の管理体制を強化する、研修医の研修体制を官僚が管理するという医療を窮乏化させ、管理を強める体制に、着々と進んでいる。国家財政面からは、高齢者の寿命を短くすることが得策であり、また混合診療を早く導入し、医師・医療管理を通して、官僚の権益を確保しよう、というように考えているようだ。

以下、asahi com.より引用とコメント~~~

開業医再診料、引き下げ断念 医師会の反発受け 厚労省
2008年01月30日03時01分

 厚生労働省は29日、医療機関などに支払う診療報酬の08年度改定で、焦点となっていた開業医の再診料引き下げを断念する方針を固めた。この引き下げによって勤務医不足対策の財源の一部を捻出(ねんしゅつ)する計画だったが、開業医を中心とする日本医師会が強く反発。厚労省が最終的に押し切られた。勤務医不足対策には1500億円を盛り込むものの、開業医の既得権益への切り込み不足は否めず、「勤務医との格差是正が不十分」との批判が高まるのは必至だ。

開業医の既得権益とは、再診料の病院・診療所間の格差のことをいっているのか。病院の外来診療の収入を減らし経営が成り立たないようにし、外来診療を診療所に誘導する、という官僚の方針で、病院の再診料を下げた、という経緯がある。いわば、勤務医の側の条件を、官僚が落として出来たのが、この「格差」なのだ。それを、開業医の既得権益とは、笑い種だ。事実誤認をしているか、官僚のいい草のタイコ持ちをしているのか、報道機関の論説としては、落第だ。

新聞業界で、一番高給と言われる朝日新聞の給与を、地方紙やスポーツに合わせて、「既得権益」を放棄してから言ってもらいたい。 経済財政諮問会議の方々が、正規労働者の労働条件を、非正規労働者の労働条件に合わせろと主張している論理と同じ論理を、平均生涯年収5億円超の朝日新聞の記者が語るのは、ブラックユーモアである。

 30日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で、中立的な立場の公益委員が引き下げ見送りを提案、了承される見通しだ。

 外来の初診料は、前回06年度改定で開業医、勤務医とも2700円に統一された。だが、同じ病気での2回目以降の診察にかかる再診料は、勤務医570円(ベッド数200床未満)に対し、開業医は710円。患者は自己負担が少なくて済む病院を選ぶ傾向が強まり、勤務医の過重労働につながっているとの批判がある。

この再診料の違いは、自己負担レベルでは、42円だ。42円の違いで、勤務医側に患者が大勢押し寄せているというデータを示してもらいたい。この「格差」を、官僚が作った理由を知っているのか。その官僚の判断への批判はないのか。

もし、再診料を病院(勤務医)のレベルに合わせるとして、果たして、どれだけ勤務医の過重労働が緩和されるのか。ここでは、その改善策を具体的に一切検証されていない。勤務医の労働条件の悪さの第一は、勤務医の減少が酷い労働環境を生み、それがまだ勤務医を減らすという悪循環にある。

厚生労働省の正式見解は、未だ医師数は足りているというドグマだ。それをまず撤回し、謝罪すること。勤務医の労働条件を、総合的に改善することが、まず第一に行うべきことではないか。


 厚労省は今回、病院の勤務医に比べ少ない労働時間で高い収入を得ているとの指摘もある開業医の再診料を引き下げ、その財源を勤務医不足が著しい産科・小児科などに重点配分する方針を打ち出していた。

産科・小児科の勤務医が少なくなっているのは、「金」のためか。ピント外れも甚だしい。少なくとも、官僚は、真実を分かっている。小児科は、夜間救急の多忙さ、産科は、医療訴訟の多さが原因であること、を。小児救急の自己負担を増やすこと(経済困窮者には、後で還付する)、産科の医療訴訟を抑制するための現場からの提言に耳を傾けることだ。わずかな診療報酬の積み増しなど実質的に何の助けにもならない。

端的に言えば、産科・小児科勤務医の窮状を出汁にして、官僚は、医療費削減を企図している。


 だが、医師会は「再診料は、地域医療を支える開業医の無形の技術を評価する重要な項目」として引き下げ案を拒否。次期総選挙を意識し、医師会の支持を取りつけたい与党も歩調を合わせた。

医師の技術料の国際比較を、してみて欲しいものだ。現在の診療所の再診料710円であっても、医師の技術料評価としては、驚くほど低いことが分かるはずだ。さらに、繰り返しになるが、病院の再診料が低いのは、病院外来を採算割れにして、患者を医療費のかかる病院での診療から、そうではない診療所に誘導しようとしたものだったという厚生労働省のお馬鹿な医療政策の一環であることを、是非報じて欲しい。今度は、格差があると言って、採算割れの再診料に、診療所を誘導しようとしている。

 厚労省は勤務医不足対策の必要財源を1500億円と試算。具体策として、リスクの高い出産、重症の子どもの治療への報酬引き上げや、勤務医の仕事を補助する事務職員の配置などを挙げている。

 財源については、「医師会と決裂するよりも、別の方策を検討した方が財源を確保しやすい」と、中医協の委員を説得。開業医の再診料下げを断念する代わりに(1)軽いやけどなど簡単な治療の診療報酬を廃止(2)再診時に検査などを行わなかった場合に再診料に上乗せ請求できる「外来管理加算」の見直しで400億円を調達。昨年末の改定率交渉で決まった医師の技術料など診療報酬の本体部分の引き上げ幅(医科で0.42%)1100億円と合わせ、1500億円を確保する方針だ。

外来管理加算という意味不明の加算を廃止にするのか。小児科のように検査を殆どしない科の診療所に、大きな痛手を与える。精神科の通院精神療法料も、時間制を取り入れて、実質大幅な削減になる、という話が聞こえてくる。声の挙がらないところからは、どんどんむしり取るのだろう。真面目に仕事を続けていても、官僚の匙加減一つで、我々の生活はどうにでもなってしまう、この不条理さに、腹が立つよりも、空しさがこみ上げてくる。

一方、厚生労働省の官僚の天下りを多く受け入れている大手製薬企業は、好決算が続いている。大手4社の昨年度経常利益だけで、1兆円を超すと聞いた。

これでよいのだろうか。


 厚労省は、軽いやけどの治療など、再診料以外の部分で開業医向けの診療報酬を削って財源を確保した。だが、1500億円で勤務医不足を十分に緩和できるかどうかは未知数だ。効果が上がらなければ、再診料引き下げ見送りへの批判が改めて高まりそうだ。

既に何度も記してきたが、サッチャー時代の英国で、医療費を削減し、医療が崩壊した。診察を受けるのに何日も待たされ、さらに検査・手術等には、何週間・何ヶ月となく待たされるような状況になった。英国人医師は、国外に流出した。日本では、恐らく、それ以上の崩壊が生じつつある。

勤務医不足が解消しないのは、開業医の責任なのか・・・あぁ、勤務医が開業できないように、開業医を経済的に成り立ちがたくさせる積りなのだね。開業医を減らせば、地方に住む高齢者の医療は成立しなくなり、後期高齢者医療制度と相俟って、高齢者の寿命を短くすることを、官僚達は本心では願っているようだ。

朝日新聞は、その崩壊が国民の痛みになったときに、踵を返して、医療費を上げる論説を、恥も外聞もなく掲げることだろう。医療崩壊への流れは、止められそうにない。私は、もう諦めている。しかし、官僚達の策謀と、朝日新聞を始めとするマスコミの提灯持ち振りは、絶対に忘れない。


PS;朝日新聞は、最近の論説で、医師不足を解消するために、医師を強制的に地方に配置するようにしたらどうかと提言している。彼等は、医療の問題の本質を理解していないのか、または医師の人権は無視してでも、官僚の提灯持ちに徹したいのか、一体どちらなのか・・・両方なのかもしれない(苦笑。

コメント

呆れますね

医療関係の記事は疲れます。
官僚とマスコミ。
ため息ですね。
解説付きのエントリー、おつかれさまでした。
我々素人にはよく分からない事も、解説があると読みやすいです。

医療崩壊、行くところまで行きそうですね。
逆転ホームランがあるとすれば、国民の大多数(7割~8割位かな)が医療現場の真実を知ることかな、と思っております。
ただ、医療や政治の話って敬遠される&切り出し方が難しいんですよね。
それが悩みです。
先日、自分で医療崩壊に関する資料を作りまして、同僚に説明をしました。
その同僚には、結構、医療現場の事、分かってもらえたようです。


日本人は勤勉だと言われておりましたが、それは国家の頭脳ではなく、歯車としての勤勉さだったのか。
平和すぎたのかもしれませんね。

たかさん、いつも暖かなコメントをありがとうございます。医療の現状について、周囲の方に語りかけてくださること、大変あり難く思っています。

この国の医療は、財政面、法的な面、行政との関係などから、大きな隘路に差し掛かっています。これから先、10年間以上は、かなり酷い状況になることでしょう。患者置き去りとか「たらい回し」実際は救急患者受け入れ不能問題とか、様々なところで国民の方々に痛みが強いられることでしょう。開業医も徐々に経済的に締め付けられ、夜間・休日も仕事をすることが求められています。60歳前後、またはそれ以上の年齢の経験豊かな医師が、現場から退場して行くことでしょう。そして、若い医師諸君は、さらに過酷な労働環境に置かれることになるのだろうと思います。

さて、10年後にはどのようになっていることでしょうか。

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