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嫌韓扇動 

出版界の嫌韓扇動についての青木理氏の記事。

背後には、嫌韓により政権浮揚を狙う(そして、それがまんまと図に当たっている)安倍政権の意図がある。

この単純な構図、国民を騙す手口に、国民が何時気づくのかということだろう。これほど簡単に騙されるとすると、戦争を煽る政権にも容易に騙される。そして、騙されたことに気づいたときには、すでに手遅れになっている、ということだ。

以下、引用~~~

サンデー毎日 9月22日 青木理のコラム「抵抗の拠点から」第248回

「朝鮮語辞典」

いまから20年以上前、韓国語を学ぶ際に購入したのが『朝鮮語辞典』だった。韓国の出版社と共同で編集したのは小学館。隣国の言語だというのに寂しい話なのだが、ほかに選択肢はほとんどなく、しかし非常に優れた内容だったから、現地駐在時はもちろん、すっかり韓国語を読む機会が減った現在も私の机上脇の書棚にこの『朝鮮語辞典』は置いてある。状況は最近も変わっていないらしく、東大の教養学部はいまも「韓国朝鮮語」の推薦辞典に小学館版を挙げてこう記す。

〈 語彙数(ごいすう)、意味記述・例文、文法説明ともにバランスのとれた、現時点ではもっとも水準の高い辞典である。購入するならこの辞典 〉

その小学館が発行する『週刊ポスト』が批判の渦中にある。〈 韓国なんて要らない 〉と題する特集で〈 10人に1人は治療が必要 〉〈 韓国人という病気 〉などという差別扇動的な記事を羅列したから至極当然、私も満腔(まんこう)の怒りを込めて非難する。

なぜこのような記事が『ポスト』誌に掲載されるようになったかと言えば、好転する兆しのない雑誌の低迷が背後に横たわっている。有象無象の出版社が「嫌韓」を商売にする差別扇動雑誌や書籍を粗製乱造し、一定の読者を獲得しているらしき様を眺め、本来ならそれなりの良識が求められ、妙なリスクを冒す必要もない大手出版までが手を出しはじめた。要は「貧すれば鈍する」、これに尽きる。

しかも『ポスト』誌の特集が大人しいものに見えるほど醜悪な差別扇動記事を毎号のように連発する複数の月刊誌(宣伝になるのは嫌なので誌名は記さない)などもあって、そこに政権の主や閣僚らがインタビューや対談の形で平然と登場し、一種の〝お墨付き〟を与えてきたことも見逃せない。つまり、これは単に出版界の問題ではなく、政治が扇動する相当に構造的で悪質な歴史修正主義と排外主義の問題でもある。

ただ、小学館の内部に事態を憂える者が多くいることも私は知っている。だから先達が編んだ『朝鮮語辞典』をあらためて開こう。冒頭にはこんな一文で始まる「まえがき」が添えられている。

〈 我々の社会には、朝鮮語を母なる言葉として学ぶ人々がいる。その一方、外国語として学ぶ日本人もいる 〉
なのに …… ということなのだろう。「まえがき」はこんなふうに続く。

〈 隣国の言葉であり、我が国と長い歴史的関係を持ちながら、多くの在日韓国・朝鮮人と共に暮らしていながら、彼らが口にする挨拶も知らない状況が続いてきた。しかし近年、様相が少しずつ変わりつつある。朝鮮語を学ぶ人が増えている。朝鮮語が本来持っている、ダイナミックで優しい表情を普通に目にすることができたら、どんなに素晴らしいことだろう 〉(抜粋)

こうした姿勢こそ知的な出版人の理想であり、俗で卑な政治の扇動に抗うことこそ出版文化の矜持(きょうじ)ではないか。良心ある出版人の奮起を願う。

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