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医療事故調、厚生労働省の本音 

厚生労働省が本音をマスコミに流し始めた。

医療事故調は、罰則強化によって、医療事故の「再発を防ぐ」、ということのようだ。

医療システムのエラーの責任を、医師個人だけでなく、医療機関にも負わせる。場合によっては、医療機関を取り潰すという方針のようである。

厚生労働省の官僚に是非お聞きしたいのだが、医療システムの問題の多くは、厚生労働省の医療政策、または財務省の医療費削減策によって生じている、もしその医療システムのエラーが実際の医療事故の原因と明らかにされたら、貴方方はどうやって責任を取る積りなのだろうか。36時間連続労働の常態化している勤務医が、単純な誤りによって重大な結果を生じたとする、それが、システムエラーとしての過重労働の常態化によると結論されたら、一体、諸君等はどうするつもりなのだろうか。

中には、まれに、官僚の言う「悪質な医療事故」もあるには違いない。しかし、医療システムのエラーによって起きる医療事故の方が、圧倒的に多いというのが、今までの私の見聞・経験から言えることだ。

もう一つの問題。医療政策を立案実行する。それに伴う事故や不幸な結果を検証する。さらには、それに対して罰則を課す。この三つの機能を担当する組織が、同じ厚生労働省にある、ということも大きな問題だ。これらの組織は、互いに独立し、相互を監視するのでなければ、暴走をきたす可能性がある。

厚生労働省の言い分、この施策によって事故の再発を防げるかどうかも根本的な疑問だが、また稿を改める。

日本の急性期医療は、これで終焉を迎えることになる。


以下、引用~~~

厚労省:医療機関に改善命令 死亡事故で法改正へ

重大なミスなどで患者を死亡させた医療機関に対し、行政が業務改善命令を出す制度の創設を、厚生労働省が検討していることが分かった。医療事故に対する行政処分は、これま で刑事罰を受けた医師個人にしか実質的に行われておらず、厚労省は「医療機関全体の安全体制をチェックすることで、システムエラーの改善につながる」と期待する。今国会で 必要な医療法改正を目指す。

過失による医療死亡事故が起きた場合、現行では行政が医療機関の責任を追及することはなく、医師個人への医業停止処分なども刑事事件化されたケースにほぼ限られている。し かし「個人の処分だけでは、複合的な要因で起きる事故に対応できない」との指摘もあり、厚労省は再発防止を主眼に行政処分の見直しを急いでいた。

新設する業務改善命令は、10年度にも発足する死因究明の第三者機関「医療安全調査委員会(仮称)」と連動。調査の結果、▽故意や重大な過失▽事故の繰り返し▽カルテの改 ざん--などが判明した場合、国か自治体が安全確保の計画書と再発防止策を出させる制度を想定している。命令に従わない場合は、管理者の変更や施設閉鎖を命じる。

また、医師個人に対しても、調査委で重大な過失などが認定されれば、刑事処分を待たずに処分する方針だ。【清水健二】

毎日新聞 2008年2月21日 15時00分

コメント

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こんばんは

同じ記事を参照してエントリーを書いております。拙ブログと、また違った切り口での検討は非常に参考になります。

トラックバックさせていただきました。

  • [2008/02/21 22:13]
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  • いなか小児科医
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いなか小児科医先生

先生のブログも読ませていただきました。この居丈高な官僚の発想を実行する前に、患者・医療従事者双方に対して行なうべきことがあるという御主旨と理解しました。その通りだと思います。

私は、厚生労働省が医療に対してこのような態度に出る背後に何があるのか、を知りたいと思っています。

今、WHOから出された、医療事故報告制度ガイドラインを読み進めています。この日本の制度は、世界標準という観点からしても、とても遅れている、官僚主義そのもののような気がします。官僚は、自らの行政の齎すものに対して、責任を取る積りはないのでしょう。

このシステムが実現したら、医療がどのように変質するのかを、はっきりとアナウンスしておかねばならないと思います。焼け野原になった後、医療に携わり続ける若い医師達の苦労を想像すると、やるせなくなります。

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息の根を止める

2008年2月21日 晴れ 満月です。 さて、厚生労働省主導で検討が続けられてい

  • [2008/02/21 22:06]
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