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リズム感 

人間の体には、時計がある。地球の自転に呼応して、24時間単位で時を刻んでいる。その本体も最近明らかにされつつある。視交叉上核という中枢神経の深い部分にある細胞群が、その役目を担っている。ある種の蛋白を産生し、その蛋白が、ネガティブフィードバックをかけることにより、蛋白産生を抑える。このリズミカルな変化を、毎日繰り返しているのだ。

所謂宵っ張りで、朝起きられない人がいるが、中には、この生体内時計が上手く動作していない人もいる。また、睡眠が浅くなる、眠りに就きにくいという状態も、頻繁に見られる。現象としては、生体内時計が関係している問題なのだろう。いずれも、原因を突き止めて、それへの対処が必要だ。

老化によって、この生体内時計が上手く働かなくなることも多い。睡眠が浅くなり、朝早く目が覚めてしまう、その一方日中に眠気を催す、即ち覚醒時の意識レベルが低くなるということが、結構な頻度でおきるのだ。私にも、そのような傾向がある。思い返せば、今は亡き父親もそうだった。父親は、私が開業後しばらく、診療所を手伝いに来てくれていたのだが、昼休みに眠たくなるらしかった。朝起きた時に、日の光を浴びると良い(生体内時計がリセットされる)などと、少し見当はずれなことを、彼に言ったのを覚えている。スタッフルームにソファーベッドを入れて、早めに昼寝をしてもらったものだった。今は、そのソファーは、別なスタッフが昼休みに使っている様子だ。

とここまでは、前置きみたいなものなのだが・・・生体内時計は、24時間のスパンのもの以外にもあるのではないかと私は考えている。それは、所謂、音楽のリズム感を生むものだ。リズムは音楽の大切な要素だが、リズムを内発的に感じる基は、恐らく拍動なのだろう。毎分、60から80程度の人の心拍に一致するリズムは、多くの場合、心地よさをもたらす。母親の胎内にある時に感じる、母親の拍動のリズムだ。生理的な基礎は、良く分からないが、心拍に基づくリズム感は、恐らく先天的に組み込まれているか、母親の胎内ではぐくまれるものなのかもしれない。メトロノームを用いて、リズムを感じ取ることもある程度有用かもしれないが、それがどこまで内発的なリズム感を育むことになるのだろうか。

音楽を演奏するときに、身体のなかに、その音楽に共鳴する、内発的なリズム感を必要とする。先天的な才能と、恐らく幼小児期に音楽の訓練を受けたかどうかで、その能力はある程度決められてしまっているような気がする。私は、元来その点で劣っていることを自覚している。さらに、年齢を加えて、さらに酷くなってきたような気がする。それでも、メトロノームをカチカチいわせ、足で床を小刻みに叩きながら、リズムをとる。音楽の壮大で完璧な世界に少しでも近づき、垣間見ようとする努力だ。はてさて、どこまでその努力が通用するものなのか・・・それでも、メトロノームをカチカチ・・・。

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