FC2ブログ

梯子外しの術 

今春の診療報酬改定で、院外調剤薬局が、同じ一般名の薬であれば、後発品に自由に変更できるようになるらしい。今日の午後、私の職場の前にある院外調剤薬局の責任者がやってきた。この件をどうするかということらしい。どうすると言われても、官僚が決めたことですから・・・と、精一杯の皮肉の表情を浮かべながら申し上げた。医師が変更不可と判断する場合は、処方箋にその旨記すらしい。

どうも、安い後発品に薬局が変更すると、薬局の診療報酬に加算がつくらしい・・・要するに、手数料が入るらしいのだ。官僚の良く使う誘導策。それも、100円とか200円とかの金額。制度が定着すると、すぐにその加算を取りやめ・・・梯子外しをするのである。

ただ、一点質問があると彼に訊いた。もし、薬局が選んだ後発薬で副作用が出た場合の責任は、どうなるのですか、と。彼は、う~んと口ごもる。彼に返答できることではない。官僚は、どのようにする積りなのだろうか。唯一つ分かっていることは、こんな制度を作った官僚が責任を取ることは全く無い、ということだ。

おりしも、中国製の原料を用いて作られたヘパリン製剤で重篤な副作用症例が米国で多数出て、21人の生命が失われたと報道されている。後発品だから、粗悪な原料を用いているということでは必ずしもないが、後発品はあくまで後発品であり、臨床知験等を省略されて市場に出てきた製品であることを知っておく必要がある。

官僚・政治家の行なっている後発品への誘導は、国民の健康と財布のことを考えてのことではない。専ら、医療費の公的支出を減らしたい一心なのだ。

こんな誘導策に乗っても、すぐに梯子を外されますよ、と彼に言うと、そうですね・・・と苦笑いを浮かべていた。

コメント

中国が原材料の薬剤

こんにちは。中国に関しては、経済大国であるとの妄信が日本人にはあるようですが、現実的には発展途上国です。先進国の感覚からすると、大多数の国民がその日暮らしで、食うや食わずの生活を余儀なくされているというのが実体です。発展途上国からの原材料輸入にはそれなりのリスクが伴います。リスクを回避する術を持って、リスク管理をしながらつきあって行くべきと思います。
ここでは、長くコメントできません。詳細は私のブログを是非ご覧になって下さい。

どうすれば実効があるか

いつもその通りだなあと思って読んでいますが、どうすれば官僚的発想に鉄槌を下すことが出来るかと考えを巡らします。診療報酬の改定を見ると背後に卑しい思想が垣間見えます。説明会では医師いや人間を馬鹿にしていると、発言が相次ぎましたが、それを現実の力にする知恵を持つ必要がありますね。NUTさんのように発信し続けるのも、一つの方策だと思います。
 

yutakarlsonさん

確かに、中国産の薬の原料には問題がありそうですね。漢方薬なども、中国産の原料を使っているらしいので、果たして農薬汚染は大丈夫なのかと思ってしまいます。

ただ、食物の問題などでは、中国だけでなく、米国等他の国からの輸入品にも汚染の問題があるようです。

Kosak先生

中医協は、診療側と支払い側が対等の関係で、妥協を図るはずの場なのですが、現在は、国と支払い側の言うなりになっていますね。

医療コストを下げてゆけばよいというのは誤りで、国際的にみても既にきわめて低い群に入っていること、それに、低コストの医療では、内容もそれなりになること、これまでは、医療者の善意と努力によって、低コストでありながら、世界に誇れる高品位の医療が実現していたけれど、これからはそうはいかなくなったことを地道に発言し続けないといけないでしょうね。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/885-377fe219