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厚生労働省官僚の思いつき行政 

先月1日、厚生労働省保護課から通知が出された。

1)生活保護受給者は、後発薬品を用いること。

2)もし用いなければ、生活保護を打ち切る(ことを検討する)。

という内容だった。ところが、下旬になって、急遽この通知内容を取り消すという、新たな通知が出された。生活保護受給者等からの反発があり、国会でも追及を受けたためと思われる。当初、2)のみの取り消しと思いきや、1)も同時に取り消しだという。

生活保護受給資格審査に問題もあるようだが、それは置いておくとして、この朝令暮改振りは一体どういうことなのだろうか。

最初の通知を出す段階で、厚生労働省内の誰が発案し、誰が認可したのか。さらに、課長通知によって、このような重大な決定がされることは、法的に許されていることなのだろうか

さらに、そのような重大な通知の内容を、また一片の通知で取り消すということに何も問題はないのだろうか。

国民生活に重大な影響を与える事項が、こうした安易で恣意的な行政によって決定されて良いのだろうか。

今春の診療報酬改定にともなって、5分間ルールという現場無視も極まったルールを、官僚は導入した。医療現場の現実にそぐわないために、医師の士気をさらに落とした決定だった。彼等は、現在の公的保険を実質的に破綻させ、民間保険を導入することに決めているので、こうして医師の士気が下がるのは、願ったり叶ったりなのだろう。医師から反発が強く起きたが、官僚はマスコミを巻き込んで、この新ルールを施行した。

厚生労働省官僚の恣意的な行政には、唾棄すべきものがある


以下、4月1日の「通知」を報じる報道を引用する~~~

生活保護には安価薬 不使用なら、手当打ち切りも 厚労省通知
08/04/28
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
ID:882039


ジェネリック医薬品:生活保護には安価薬 不使用、手当打ち切りも--厚労省通知



 ◇専門家「患者の選択権奪う」

 全額公費負担で医療を受けている生活保護受給者への投薬には、価格の安いジェネリック(後発)医薬品を使うよう本人に指導することを厚生労働省が都道府県や政令市などに通知していることが分かった。指導に従わなかった場合、生活保護手当などの一時停止や打ち切りを検討すべきだとしている。後発薬は価格が安い半面、有効性などについての情報不足から使用に抵抗感を持つ医師や患者もおり、専門家から「患者が選択できないのは問題だ」と批判が上がっている。(社会面に関連記事)

 後発薬は、研究や臨床試験を経て認可された先発医薬品の特許が切れた後に同じ主成分を使って製造されるため、多額の研究開発費がかからず安い。認可時には、血液中に成分が浸透する速さや濃度が先発薬と同じかどうかを確認する試験などがあり、国は「有効性や安全性は先発薬と同等」と判断。年々増大する医療費の削減に有効として使用を促進しており、08年度は後発薬の使用により220億円の医療費削減を掲げている。

 一方、主成分以外の溶剤やコーティング剤などが先発薬と違うことなどから、「先発薬と(効能が)まったく同じではない」として、後発薬の使用に抵抗や不安を感じる医師や患者もいる。

 通知は4月1日付。医学的理由で医師から指示され先発薬を使う場合を除き、生活保護受給者が医療機関で薬を処方される際、都道府県や政令市などの所管する福祉事務所が後発薬を使うよう本人に周知徹底する、としている。

 これを受け受給者は、医療機関で受診する際、後発薬を処方するよう医師に求めることになる。

 先発薬を使い続けている受給者については福祉事務所が診療報酬明細書をチェックし、正当な理由がない場合は口頭や文書で指導する。それでも従わない場合は保護の一時停止や打ち切りを検討するとしている。

 厚労省保護課は「生活保護の医療扶助は最低限の医療を受けてもらうのが目的。安全性や効用が同じなので安い後発薬の使用に問題はない。窓口で3割負担する人と比べ、負担のない受給者は(自ら)後発薬を選ぶ動機が働きにくく、制度に強制力を持たせないといけない」と説明している。【柳原美砂子】

 ◇強制はおかしい--医事評論家の水野肇さんの話

 後発薬は先発薬と完全に同じものではなく、薬を変えられれば不安を感じる患者もいるだろう。国が安全性や有効性を十分証明した上で患者が選べることが重要。生活保護受給者だからといって後発薬を事実上強制するのはおかしい。

……………………………………………………………………………

 ■ことば

 ◇ジェネリック(後発)医薬品

 先発医薬品(新薬)の特許(20-25年)が切れた後、同じ成分で製造される薬。ジェネリックは、商品名でなく成分の一般名(generic name)で呼ぶことに由来する。開発コストは新薬の数百億円に対し、数千万-1億円程度と低く、価格は先発薬の約7-2割。普及すれば薬剤費を大幅にカットできるとされるが、国内の普及率は17%(06年)にとどまり、6割前後の欧米諸国と比べ著しく低い。後発薬メーカーは約240社、認可された後発薬は約6000品目あり、先発薬(約3000品目)より多い。

コメント

生活保護者のワガママは良くないが、妙な人権主義者はもっとけしからん。
企業の健康保険もジェネリック使用を進めている。米国の健保はジェネリック優先使用です。

  • [2008/05/04 13:33]
  • URL |
  • ジェネリックオタク
  • [ 編集 ]
  • TOP ▲

日本のジェネリック政策はめちゃくちゃです。ジェネリック医薬品が安全性試験をおこなっていないことを皆さんご存知ですか?また、外用薬ではつい最近まで同等性試験さえ行われていませんでした。厚労省がお手本としている(と思われる)米国ではFDAがかなり厳密に薬剤について審査しているようですが、残念ながら日本ではジェネリックメーカが提出したデータの書類審査(?)だけのようです。なお、ジェネリック医薬品を使用して、十分な効果が得られない場合、あるいは(添加物などによる)副作用が生じた場合、責任の所在は処方した医師および薬剤師にあるそうです。(ある意味で、取り消された生保に関する通達は強制力を持っていたので、これは厚労省が地雷を踏んだなと思っていたのですが.....)

コメントをありがとうございます。

生保に関しては、受給資格とその審査の問題があることは、よく知っています。が、ここで問題にしたかったのは、官僚が恣意的にその受給資格条件に、後発薬品の使用を加え、また通知一つでそれを安易に取り消すということでした。一介の官僚に、そのような権力を与えてよいものでしょうか。

ジェネリックにも問題があるのですね。この春から、処方する医師がジェネリックへの変更を不可としないと、薬局薬剤師の判断でジェネリックに変更されることになりましたが、その変更によって不都合な事象が起きた場合に、誰が責任を取ることになるのでしょうか。官僚が責任をとることはなさそうですね。

ジェネリックは

小生も処方したりしていますが、今まで使用して問題なかったものに限ります。開業医の紹介状などには聞いたこともないメーカーの薬が有ったりしてとまどいます。それより厚労省の朝令暮改ぶり、酷いですね。産科の内診問題もそうでしたが、法律がいい加減で政省令に委ねすぎているところも問題と考えています。(要するに立法者がサボってる)

私もジェネリック医薬品という選択肢について、安全で有効な医薬品の供給が担保されるのであれば、反対ではないのです。しかし、現状は財務省や経済財政諮問会議による医療費削減命令から、厚労省が(無い知恵を絞って)考えついた悪政の一つと考えています。このような手抜き行政はいずれぼろが出るのではないかと、密かに恐れています(薬事行政のミスに関しては薬害エイズで懲りているはずなのに。日本人が安全性に敏感なのを忘れているか、故意に無視しているとしか思えない)。いずれにしても、ジェネリック医薬品に関しては、審査のシステムを厳重かつ透明化し、十分な情報開示が必要であると考えます。
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