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Non vibrato 

現代弦楽器奏法にとって、ビブラートはなくてはならないもの・・・と思っていた。が、最近、オケの演奏で、ビブラートをかけぬ奏法をするものが見受けられる。

ノリントンが、この運動の主導者の一人らしい。先日、NHK交響楽団を彼が振った演奏をBSで放映していた。彼によると、1930、40年代までは、演奏されたとしても、ビブラートは品の無いものとして、カフェービブラートと蔑称で呼ばれていたらしい。

確かに、オケのような複数の奏者が演奏する場合、ビブラートを皆がかけると、一種の濁りを生じてしまう。ノンビブラートで演奏されたモーツァルトは、清澄な響きになるように思える。

問題は、ロマン派以降、ないし弦楽器の協奏曲だろう。弦楽器による感情表現の有力な手段の一つがビブラートだからだ。過日、ノリントン・NHK交響楽団でエルガーのチェロ協奏曲を演奏していた。エルガーの憂愁に包まれたこの音楽が、どうにも重たく聞こえた。ノリントンの説によれば、ブラームスも、ノンビブラートが、作曲者の意図に忠実に演奏することにつながるということだろうか。想像し辛い。

作曲者の時代に帰る、作曲者の意図を忠実に演奏に生かすという発想は、分からぬでもないが、近代以降の私的な感情をこめる音楽については躊躇してしまう。大体において、作曲者の時代から大きく時を隔てた現代に、作曲者の時代に戻ることが果たして可能なのだろうか。

HDDに録画してあった、東京交響楽団のモーツァルトプログラム、クラリネット協奏曲を今かけているが、この演奏もどうもノンビブラートを採用しているらしい。流行なのか、音楽の本質への回帰なのか・・・。

コメント

ほんの少しの間見ぬ間にまた記事が3つも…(笑)。

こんばんは。
クリスマスの深夜。どのようにお過ごしでしょうか。
ビブラートの件、とても興味深く読ませていただきました。音楽も原生への回帰と新しいものへ挑戦という、二極の間の行き来を繰り返すのでしょうか。

アマチュア無線もそうなると面白いですね!
CW人口が実際には増えているなどと言うことも聞き及びます。

ブラームスのTrioを聞きながら本棚の中と必要のなくなった書類などの整理をやっています。

回帰

音楽のことはよく分からないのですが、合唱ではビブラートはかけるな、と指導されていたように思います。
個人の演奏ならば演歌の「こぶし」もある種のビブラートみたいなものでしょうか、上手にやると心地よく聞こえるようには思うのですが…。
CWにビブラートがかかるとQSBか、電源の不安定か?など考えそうですね。

時に話題がずれますが、このBlogに何度かトラックバックをかけようとしたのですがいずれも不成功に終わっております。

う~む。
私も実はトラックバックの仕方を以前どなたから教えてもらって一度成功したのですが、すでに忘れてしまっています。ちょっとあとで試行錯誤してみますね。

駄文の羅列で申し訳ございません>KGZ様。備忘録ですので、寛容にお読みいただければと思います。少しテーマを絞って書くべきでしょうかね・・・。

現在のピリオド楽器の採用、作曲当時の奏法の再現等が、音楽の理解にだれだけ寄するのか、まだよく分かりません。

音楽自体で言えば、時代とともに、音律も変化し、基準音の音程も変化してきています。また音楽を聴く環境も、近代以前の作曲家は、現代の大ホールで演奏されることを想像もしていなかったことでしょう。大体において、時代精神が変化してきています。音楽をより理解するためにはどうしたらよいのかという観点で、取捨選択すべきなのではないかと思っています。

QWさんも合唱をやっていらっしゃったのですか。確かに、合唱では、不要なビブラートは禁物とされているようですね。

純正律の復活を提唱する玉木さんというバイオリニストによると、オケのノンビブラートは好ましいことだが、彼自身ソロを弾く時には、ばっちりビブラートをかけるそうです。ソリストの特権であるとか・・。

トラックバックの件、Blog開設当初より何も設定しておりません。後で見ておきます。

 ノリントン・NHK交響楽団の演奏をNHKの地上波で聴きました。確かに、醤油が足りないというか、刺激の少ない音だったように思います。しかし、同時にピュアな音が鳴っていたようにも思います。
 合唱についてはQWさんのおっしゃるとおりですね。ソリストが合唱に交ざる際には、ビブラートをしないようにします。ビブラートをかけてルネッサンスのポリフォニーなんかやられたらたまりません。あれは純正律の世界だからでしょうか?
 ピュアな音が望ましいときはノンビブラートで。表現の幅を拡げるにはビブラートで。用途によって変えるといいのではないでしょうか。
 

モーツァルトは、良いのですが、エルガーのソリスト、石坂さんと言ったかな、ちょっと苦しそうでしたよ(笑。ソリストとしては、表現の幅が狭まってしまいますからね。

そうそう、トラックバックは、自由に付けていただける設定になっています。

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