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療養病床削減が何をもたらすか 

小泉元首相の下で始まった「構造改革」、それに伴う社会保障・医療費の抑制政策が、いよいよ国民に対して牙を剥き始めている。

療養病床削減策は、入院医療が必要なのに在宅医療にせざるを得ない患者を生み出している。また、急性期病床から療養病床に移されるべき患者さんが、動きが取れない事態も起きている。急性期医療の機能が落とされている。医療・介護難民は、結局生活保護等社会的コストの高騰を生む。

経済財政諮問会議が数字の上だけで社会保障の抑制を決め、それに従って、官僚が机上のプランを練って施行した政策が、この結果を生んでいる。

経済財政諮問会議と、思想の上でも、メンバーの上でも重複する社会保障国民会議は、消費税増税とからめて年金の税金からの支出を打ち出している。これは、これまでの杜撰な年金行政をチャラにし、さらに企業の年金負担を軽減する意図が透けて見えてくる。

セーフティネットの乏しい社会、それは米国の姿だが、そうなっても良いのだろうか。


以下、引用~~~

まず抑制ありきから脱却を 国の計画、早くもつまずき 「療養病床削減」
08/05/19
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 介護が必要な高齢者らが長期療養する療養病床を大幅に減らす国の計画が早くもつまずいている。6割削減の見通しに対し、計画を示した44都道府県の削減幅は4割にも満たない。

 病院をコストの安い介護施設に転換して病床数を減らせば医療費が浮く。そんな、まず医療費抑制ありきの計算が地域の事情と懸け離れていた結果だ。

 療養病床はもともと数が少ない地域もある。転換で病院の報酬は下がる。在宅での介護体制も足りない。削減するなら、在宅での医療や介護の体制整備が先だ

 国は35万床あった療養病床を2012年度に15万床まで減らす計画。共同通信がまとめた44都道府県合計では、33万床から21万床に減るが、削減幅は36%にとどまる。

 削減で見込んでいた3000億円の社会保障費抑制の実現も難しくなった。しわ寄せが他の医療費や社会保障費に向かう可能性もある。

 削減に取り組む地域の事情は深刻だ。介護が必要な高齢者は増えているのに、06年度の介護保険制度改正で、給付抑制のため在宅介護の利用は制限された。認知症などが進み、自宅介護が困難になれば、施設などに頼るしかない。

 しかし、介護施設や医療機関の療養病床はどこも満杯だ。その数を減らせば、行き先はなくなってしまう。繰り返される介護殺人などの悲劇はこうした制度の後退と無関係と言えない。

 医療機関の不満も強い。「施設に入れるのは世間体が悪いが病院なら」という風潮の中、批判を浴びつつ、退院可能な「社会的入院」を受け入れてきた。

 それが、医療費削減を狙った国の政策により一部が介護保険適用施設に移行。だが、11年度末の廃止が決まり、多くの病院がはしごをはずされた。定まらない政策への不信感もくすぶる。

 介護施設への転換も、医師数減による人件費削減ができるが、報酬が下がるため、踏み切れない。少ない医師で、夜間や緊急時にどう対応するかという課題も残る。

 行き場のない「介護難民」になりかねない利用者や家族の不安も大きい。経営悪化などを理由に閉鎖を検討する病院もあるからだ。

 受け入れ先がなくなり、介護できない事情を抱える家族が自宅で介護すれば、仕事や生活が立ち行かなくなるのは目に見えている。家族のない人はどこにも行きようがない。

 本来、医療の必要度の低い人にとっては、病院より生活環境の整った介護施設の方が暮らしやすいはずだ。医療施設から介護施設への流れは方向としては望ましい。

 しかし、転換を急ぎ、押しつけるようなことがあれば、介護や医療の受け皿がなくなるどころか、犠牲者も出かねない。

 このまま社会保障費抑制策に手をしばられたままでは、国民のニーズから離れるばかりだ。地域の声を受け止め、医療や介護など命を守る分野に重心を移すべき時だ。

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