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5分間ルールの根拠が不正なものであったこと 

官僚の主張する根拠が不正であった」というタイトルで、厚生労働省官僚(保険局、原課長)が、5分間ルールを策定する際に、関係のないデータを自分達に都合よく利用したことを既に記した。繰り返しになるが、要点とその後の経過の情報を得たので、記しておく。

6月15日付けの「全国保険医新聞」で、この事実について詳細に報道されている。その要点は;

○保険医団体連合会の情報開示請求で下記のことが明らかになった。

○「平均診療時間が5分以上である医療機関は9割」との中医協に示された調査資料は、「時間外診療に関する実態調査結果」の数値をもとに作成されたもの。適切な調査をせずに、都合の良いデータを中医協に提示したことになる。

○作成された資料は、診療時間を患者数で割っただけのもので、「診察時間」そのものの調査ではない。この点からも、5分間ルールが、根拠のないものであることが分かる。

この情報が厚生労働省官僚にも伝わったのだろう。m3からの情報では、厚生労働省官僚から保険医団体連合会に抗議書を送ったと保険医団体連合会に電話があったそうだ。これは、確認したことではないが、厚生労働省官僚にしてみると、虚偽のデータをでっち上げたことがバレて不味いことになったと慌てているに違いない。どのような抗議がなされたのか、やがて明らかになることだろう。

官僚の公表するデータは、これだけに留まらず、医療現場の実感と遠くはなれたものが多い。医療がさらに「効率化」できること、医師が多忙を極めているということはないこと(医師不足は、最近ようやく認めたが)等の結論を導き出す、根拠として、そうしたデータを彼等は利用している。

医療費を削減せよという財務省からの圧力が、根底にあるのは間違いないが、もう一つ、官僚の質の問題があるのではないだろうか。厚生労働省官僚の医系技官としては、臨床研修を終えたばかりの卒後4、5年目「以前」の若手医師しか採用されない。彼等は、医療現場の問題を殆ど理解できずに官僚になり、医療の専門家として政策立案をしているのだ。それでは、医療がますますおかしくなる。また、医療事故調の立ち上げの問題でも分かることだが、官僚組織の自己防衛・自己増殖しか眼中にないような連中が多くなってきているのではないか。現場を知っていること(ないし、現場を理解できていないという謙遜さを持つこと)と、国の将来を本当に見据えた政策立案・実行能力の備わった官僚を期待することはできないのだろうか。

コメント

>厚生労働省官僚の医系技官としては、臨床研修を終えたばかりの卒後4、5年目「以前」の若手医師しか採用されない。彼等は、医療現場の問題を殆ど理解できずに官僚になり、医療の専門家として政策立案をしているのだ。

殆どは臨床研修すらしないで厚労省の役人になっているのでは?
臨床研修2年やって入省したとしてもでは、医者の真似ごとしただけで、臨床の現場の問題なんて殆どわからないでしょう。
わたしの大学の同窓(卒業年度は異なる)に2名の厚労省の医系役人がいますが、ふたりとも医学部卒後に即入省。臨床経験ゼロ。
うちひとり(卒後、20年以上経ってるほう)は、後期高齢者医療制度の説明会で、質問に答えられず、しどろもどろ。
大先輩にも、今は退官した医系役人がいましたが、臨床経験ゼロ、公衆衛生学教室から厚労省入り、事務次官まで勤めていました。

もともと臨床医として使えない人が、医療政策を考案しているから、現場は滅茶苦茶・・・奈良だったかの騒音オバサンと同じで、迷惑行為条例に引っかかるんじゃないのですか?

かといって、臨床を一生懸命やる医師が、わざわざ厚労省なんかに入らないだろうし。
やはり臨床医団体が、厚労省のやりかたを改めさせるようにしなきゃだめえすね。
国会議員の先生方にも協力を頂いて。

騒音オバサンには、笑ってしまいました。

そういえば、私の一つ上の学年にも、厚生労働省に入った方がいましたが、臨床は2年もしなかったのではなかったかと思います。

現場のことは分からない、現場の人間の声に耳を傾けようという姿勢が、彼等官僚には求められているのでしょうが、難しいでしょうね。様々なことで二三度厚生労働省に電話したことがありますが、一臨床医なんて相手にしないという態度でしたね・・・。

原徳壽医療課長

『原氏は52歳。1981年自治医科大学卒業。京都府衛生部医療課から厚生省健康政策局計画課課長補佐、保険局医療課課長補佐、環境省環境保健部企画課特殊疾病対策室長、文部科学省研究振興局ライフサイエンス課がん研究調整官などを経て、03年10月から防衛庁運用局衛生官に就いていた。原氏は医療課長補佐時代に、薬価差問題に関するプロジェクトチームの事務局も務めた。』

年齢はもう少し進んでいるかと思われます。おもしろいのは自治医大卒でも臨床に従事せずに、

『卒後、都道府県の公衆衛生部門に入り、国に出向中に移籍する人もいるわけ』

これで義務年限としてOKとされるそうです。自治医卒の方からも毎年確実に何人か出るとの指摘がありました。

やっぱり看護協会を見習って、医師の団体からのポストとして医系技官を握らないとあきませんね。

医系技官を、臨床経験のない、または殆どない医師に限定しているのは、医系技官に、医師としての見識ではなく官僚機構の一員としての発想だけを求めているのでしょうね。また、官僚個々人の見識にもよって変わってくるのでしょう。予防接種は、現担当官僚に代わってから、だいぶ良くなってきたと聞きます。

臨床経験の豊かな医師が官僚の中に入り、医師としての見識に基づいて行政が行えるようになることが必要ですね・・・しかし、そんなことが実現できるのかどうか・・・。

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厚労省の抗議書??

全国保険医団体連合会は医師の最有力組織とは言えませんが、ちゃんとした組織です。1969年に結成されて、 現在では47都道府県すべてに保険医協会が結成され、会員数も、医科64,489人、歯科36,241人、合計10万730人(05年2月1日現在)へと大きく発展

  • [2008/06/22 11:22]
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