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ワーキングプアの固定化 

今日の昼休み、用事で近くの郵便局にでかけた。狭い待合室のソファーに、顔見知りのKちゃんが座っていた。南米から日本に来ている高校三年生。幼稚園児の頃から、時々診察にやってきていた子だ。学校が早く終わったらしい。2,3年前、外来で、彼女が外国語が好きだと言っていたのを思い出し、当然進学するものと思って、進学するのか尋ねたら、少し顔を曇らせて、いや就職だと言う。親と相談して就職に決めたと言っていた。大学に行くにはお金がかかるから、とも言っていた。とても利発そうな娘さんなので、得意の外国語のを生かせないのは残念だね、いつか勉強する気持ちを持ち続け、社会人になってからお金をためて進学できるといいね、と彼女に言った。何しろ、何か資格をとるか、人ができないことをできるようになっておいた方が良い、と付け加えた。

Kちゃんにこのように言ったのは、大きなお世話だったかもしれないが、これからの時代を生きるためには、特に女性の場合は、何かの資格か特殊技能を持つことがさらに必要になってきたと常日頃強く感じているのだ。国のレベルでも同じ議論ができるのではないか。東大の神野教授が、その著作のなかで、スエーデンのように国民負担率・法人税が高い国でも、企業は国外に逃げ出さずに、上手く経済が動いている、それは、国内企業に他ではまねのできない技術があるためだということを書いておられた。日本では、法人税負担を上げると、企業が外国に逃げ出すから駄目だとして、せっせと法人への税負担を減らし、その一方企業に都合の良い、特殊技能を持たないワーキングプアの労働者を増やしている。その結果、企業の好決算が続いているが、一方では、Kちゃんのように出発点から、特殊技能を持たずに生きてゆくことを余儀なくされる、ワーキングプアに限りなく近い状況の若者が増えている。これでは、国としても将来上手く行かなくなることは目に見えている。

ある精神科系の学会で話題になっていたこととして、所謂ワーキングプアに陥ると、そこから抜け出すことが極めて難しい社会に日本がなってしまっていると聞いた。社会の底辺で生きる人々と接することの多い、精神科の医師達は、この現実を身近に感じているのだろう。社会階層が明確に経済力によって分かれ、それが固定化しつつある社会だ。この社会構造が、個々人の生きがいを奪い、社会の活力を徹底的に削ぐのではないだろうか。

Kちゃんは、伯母さんがアメリカのロスアンジェルスで生活しているので、彼女を頼ってアメリカに行ってみたいとも口にしていた。伯母さんのご主人が大学の教員をしているとのこと。アメリカの生活も厳しいかもしれないが、現在の日本の状況よりは、将来が開けるのかもしれない。彼女の夢がかなうことを祈りながらお別れした。

コメント

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Nさん

今日は。もう体調は良いのですか?くれぐれもおだいじにね。脛を齧っているのがまだいるのでしょうから、倒れるわけにいきませんね。

夜学の件、分かりますが、大学の数は少なく、専攻の種類も限られているし、お嬢さんがバリバリバイトで生活してゆけるものか、疑問ですね。彼女の場合、スペイン語が母国語ですし、英語も堪能の様子なので、なんとか道を切り開いてゆくことでしょう。

太陽光発電の件も情報をありがとうございます。アマチュア無線への障害の件、メーカーが情報を握っていて出さないことに不信感を持ちます。それに、太陽光パネルを作る際にでるCO2を何年でカバーできるかという指標もあったような気がしますが、データであるのは、大規模な施設の数値ですね。その産生したCO2を取り戻すのに結構な年数がかかりそうです。

お体を大切に・・・。

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