トランプ政権の「成果」そして未来 

トランプ政権が成立してから、同政権が実現した政策は、実質的に何もないと言われている。Telegraphのこの記事 は、トランプ政権樹立100日後の時点での成果と失敗について記しているが、シリア空爆に外交的な意味があったとは言えない。北朝鮮問題についても、中国に丸投げで実質的な進展はない。オバマ大統領の実績を否定しようとしているが、ことごとく失敗している。米国では、政治任用の行政官のポストが600前後あるらしいが、まだその内50程度しか決まっていない。政権の体をなしていない。

チョムスキーの観察では、ロシアゲートはメディアを巻き込んで世論の視線をかわすものであり、現在トランプ政権で進行しているのは、トランプ大統領が意図したところから離れて、力ある者、富める者がさらに力をつけ、富を増やす政治が進行している、ということだ。

トランプ政権は、そう遠くない将来、頓挫することだろう。トランプ大統領が誕生する前から、彼のもとに駆けつけて揉み手をしていたどこかの首相もいた。外交のセンスまるでなし・・・。

米国では、精神科医がトランプ大統領に精神的な問題があるのではないかと問題提起し始めているようだ。トランプ大統領が世界にとって最大の脅威になっている。自らの支持を回復させるために、いよいよとなると、彼は、北朝鮮に対して軍事行動を起こすかもしれない。米国世論では、それを予測し、さらには期待する声が結構な割合になっている。

そうなると、韓国、わが国が戦場になる。

追伸:この論考に出てくるゴールドウォーターは、無線を趣味にしていた政治家で、そのコールはK7UGA。極右的な思想の持主だったと言われている。

以下、MRICより引用~~~

「倫理局長」も辞任! トランプ政権で進む米社会の「非倫理」「秩序混乱」
- 大西睦子

この原稿はForesight(7月25日配信)からの転載です。
http://blogos.com/article/236630/

大西睦子

2017年7月31日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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1972年のウォーターゲート事件後、米議会によって設立された米政府倫理局。

政府関係者による利益相反の回避をするため、各機関の倫理担当者と協力して政府で働く人の監視などをしています。7月6日、トランプ政権の利益相反に関する問題を繰り返し指摘してきたウォルター・ショーブ倫理局局長が、来年1月の任期満了を待たず、7月19日付で辞任する意向を表明し、同日辞任しました。

ショーブ局長は、辞任に際してトランプ大統領に宛てた短い手紙に、「倫理局で働く人は、国民の信頼の下に成り立つという原則を守ること。私的な利益より、憲法、法律、そして倫理的原則に忠誠を払う必要がある」と記しました。

ただ、『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』の取材に対し、「現在の状況を考えると、政府の倫理局で達成できることはそれほど多くない。局の最近の経験から、倫理プログラムを強化する必要があることが明らかになった。新しいポジションでは、そのような変化に対して自由に主張することができる」と、辞任はトランプ政権に強いられたわけではないと答えています。

今後、ワシントンを拠点に活動する超党派グループ「キャンペーン法律センター」で、倫理シニアディレクターとして政府外部から倫理改革に取り組む予定だそうです。

それはともかく、この倫理局長の後任者はトランプ大統領が指名します。そうなると、新しい局長は自らを選んだ大統領の意に反する行為はできないでしょうから、トランプ政権の利益相反などに対して倫理的な問題を指摘できなくなるでしょう。実際、ジョージ・W・ブッシュ政権下でホワイトハウスの倫理顧問を務めていたリチャード・W・ペインター氏がNYT紙に対し、「ウォルターの
後任者は、彼のような方法で公にホワイトハウスに挑戦するつもりはないと思う。これは大きな損失だ」と指摘しています。

【Government Ethics Chief Resigns, Casting Uncertainty Over Agency, Th
e New York Times, July 6】

暴力やいじめは道徳的に問題なし!?

最近米国では、大統領の行動を通じて、非倫理的、非道徳的なことが当たり前となりつつあることが懸念されています。トランプ大統領のツイッター好きは有名です。ツイッターは、大統領自身が「不正直」「フェイク・ニュース」とみなすメディアに依存していないため、一般の人々にメッセージを伝える良い方法だと主張しています。6月16日号の『ニューズウィーク』によると、就任
後133日間で、トランプ大統領は618回ツイッターを利用しています。1日あたり平均4.6回、最大で1日14回に上っていました。

大統領のツイートに批判的な人たちは、ツイッターの真の目的は、重要な政治的問題から国民の目を逸らすことだと言っています。テキサス州の共和党上院議員ジョン・コルニン氏は、「大統領のツイッター癖は、大統領自ら問題を生み出した」と批難します。

確かに選挙キャンペーン中から、トランプ氏はツイッターを通じて数々の暴言を発し、物議を醸してきました。たとえば最近のツイッターでは、トランプ大統領がプロレスのリングで『CNN』記者を殴り倒す(と見える)動画(7月2日)や、テレビ局『MSNBC』の番組女性キャスター、ミカ・ブレジンスキーさんに対する「IQが低い」「顔のシワ取り美容手術で出血していた」というツイート(6月29日)などに対して、全米から批判が殺到しました。

しかし、大統領がジャーナリストを攻撃すれば、国民の中には「ジャーナリストを攻撃することは、道徳的に問題ない」と思う人も出てくるでしょう。弱い者いじめをすれば、国民の中にはいじめを許容する人が出てくるでしょう。

このような、大統領の「倫理」が社会的に多大な影響を及ぼし、その行動が問われる中、メンタルヘルスの専門家らが、本来なら専門家としては「非倫理的」とされる、ある行動を起こしました。

【WHENEVER TRUMP TWEETS, HIS POPULARITY PLUMMETS, Newsweek, June 16】

「ゴールドウォーター・ルール」誕生秘話

世間から注目されている人物や、メディアを通じて情報を開示した人物についての意見を求められた時に、米国の精神科医は、直接診察することなく、また本人の同意なしに、専門家としての意見を提供することを「非倫理的」であるとします。これは、米精神医学会(APA)倫理規程第7.3節、いわゆる「ゴールドウォーター・ルール」という呼称で知られる条項による判断です。1964年の
共和党大統領候補者だったバリー・ゴールドウォーター・アリゾナ州元上院議員にちなんで名付けられました。

ゴールドウォーター氏は、当時、精神衰弱という噂が流れていました。そこで1964年、『Fact Magazine』誌は、当時1万2356人のAPAの会員すべてに、「バリー・ゴールドウォーター候補者は、米国の大統領として精神的に適していると思いますか?」というアンケート調査を行いました。結果、2400人のみが回答し、約半数が、「ゴールドウォーター氏は適している」あるいは「判断する
ほどの情報がない」と答えました。

このアンケート調査に対し、ゴールドウォーター氏は、『Fact Magazine』誌を名誉棄損で訴えました。そして同誌は敗訴し、7万5000ドル(当時のレートで2700万円)の懲罰的損害賠償金支払いを命じられ、3年後の1967年に廃刊しました。こうした一連の問題を受け、1973年、APAは前述した第7.3節を倫理規定に採択し、ゴールドウォーター氏の名前を冠することになったのです。

【Court Allows Goldwater Judgment to Stand, The New York Times, Jan.27
.1970】
【Psychiatry’s “Goldwater Rule” has never met a test like Donald Tr
ump, Vox, May 25】

「トランプ大統領は世界に対する脅威」

ところが最近、トランプ大統領の「非倫理的」な言動を受け、ゴールドウォーター・ルールを厳格に守るべきだと考えてきた精神科医の中からも、「精神障害者によって人々が危険にさらされる可能性がある場合、このルールは適用されない」「医療倫理において、精神科医は人々に警告する義務を担うべき」などと発言する人が相次ぎ、論争が巻き起こっています。米心理学系雑誌『今日
の心理学(Psychology Today)』(2017年2月号)によると、現在までに、2万6000人以上の心理学者、精神科医、その他のメンタルヘルス専門家が誓願書に署名し、トランプ大統領の不安定な精神状態とその危険性を警告しているのです。

たとえば、元ジョンズ・ホプキンス大学医学部精神科のジョン・ガートナー博士は、「トランプ大統領は、反社会的行動やパラノイアなどの『悪性のナルシスム』の兆候を示している」と、米紙『U.S.ニュース』で警告しています。また、元ハーバード大学医学部精神医学臨床のランス・ドズ博士は、『MSNBCニュース』の取材に対し、「繰り返し危険な物事についての嘘をつくことは、大
統領に不適格で、精神病の一種である。トランプ大統領の考えは現実に基づいていない。大統領は自分の要望を満たすために、現実を作り上げている」と指摘しています。さらにドズ博士は『U.S.ニュース』の中でも、「大統領としてまともに働くことができない。トランプ大統領は、アメリカ人と世界に対する脅威となっている」とも警告しています。

【The Elephant in the Room : It’s time we talked openly about Donald
Trump’s mental health, Psychology Today, Feb.28】
【An Ethical Dilemma : Donald Trump's presidency has some in the menta
l health community re-evaluating their role, U.S.News, Apr.21】
【Trump has a dangerous disability - George F. Will interview , MSNBC,
May 6】

「独裁政権の仕組み」

トランプ大統領の出現によって、非倫理・非道徳的なことが当たり前となっていく危険性を孕むようになってしまった米国社会――。いったいこの先、どうなってしまうのでしょうか。

先のガートナー博士は、「異常なことが当たり前となる、それが独裁政権の仕組み」とも警告を発します。

いま多くの米国人は、他国が米国と距離を置くようになることを懸念しています。とりわけトランプ政権の外交・貿易政策は「アメリカ第1主義」のスローガンのもとに展開されつつありますから、他国との関係を考慮する点で消極的であることが懸念されています。実際、7月7~8日にドイツのハンブルグで開催されたG20首脳会議では、気候変動や自由貿易のような重要な問題で他国と
対立し、米国の「孤立化」が目立っていました。

国内社会では、「非倫理」「非道徳」の風潮が広がる危険性が高まり、国際的には孤立化の不安に苛まれる――。多くの米国人は、トランプ政権の誕生によってもたらされたこの秩序の混乱は、まだ当分続くだろうと悲観的です。しかし、ルールに厳格な精神科医や専門家らも声を上げ始めました。こうした議論を専門家らにまかせるのではなく、米国社会全体で深めていくことでしか打開
の方策は見いだせないのではないでしょうか。

【Donald Trump puts US in a club of one, CNN, July 8】

国家主権喪失状況 

日本が米国による占領状態にある。それは、国民一般がなかなか実感しないことかもしれない。沖縄に米軍基地が集中しているためだ。

日米安保条約の現実的な履行の指針となる、日米地位協定は、1952年に日米安保条約と同時に発効した日米行政協定を引き継いだものだ。日米行政協定の原則は

1日本の全土基地化

2在日米軍基地の自由使用

であり、これらは日米地位協定に受け継がれている。

日米地位協定の「地位」とは、「米軍の法的地位」のことであって、同協定で米軍に「大きな治外法権」が保証されている。

1下記の記事にもある通り、米兵たちは、公務中は犯罪を犯しても訴追されず、公務外であっても実質的に訴追は極めて困難である。

2米軍は、日本の航空法に支配されず、航空法で禁止されている市街地上空の超低空飛行訓練を米軍は行っている。嘉手納ラプコン、横田ラプコン等、沖縄では制空権の全部、首都圏ではその大部分が、実質的に米軍に握られている状況もある。

3米軍基地内は、環境保護の規定が及ばないため、汚染のし放題になっている。

4米軍・米兵は、税金・公共料金を支払わない

「思いやり予算」という超法規的な国家予算が、毎年数千億円米軍のために用いられている。

これは国家主権の問題なのだ。だが、これまで政権は主権を回復する試みを行わないどころか、この状況を固定化することに熱心だった。駐留米軍基地のあるドイツ、イタリアそしてこの記事の韓国の同様の協定と比べても、この日米地位協定は最悪の治外法権を保証する協定なのだ。

自衛隊が米軍と合一化し、実質的に米軍指揮下に入るスキームが出来上がり、昨今の北朝鮮問題で、そのスキームが現実化していることはすでに記した。日米ガイドライン改訂により、自衛隊が地域的限定を超えて、世界中に派遣されることになり、米軍の世界戦略の肩代わり、または下働きをさせられる可能性が高まっている。

この治外法権の問題と、米軍指揮下となる自衛隊の在り方の問題は、同一の問題から来ている。

国家主権喪失状態をこのまま放置していて良いのだろうか。

以下、引用~~~

韓米地位協定 政府は恥ずかしくないか
2012年12月24日 09:22

 主権国家とはいかにあるべきか、あらためて隣国に教えられた。韓国駐留の米軍人・軍属・家族の犯罪容疑者について、韓国と米国が、12種の犯罪では起訴前に身柄を韓国側に引き渡せるよう規定を改めていたことが分かった。

 粘り強い交渉の結果だ。屈辱的な治外法権は許さないという韓国側の強い意思がうかがえる。自国の被害者をよそに米国に遠慮してばかりの日本政府は恥ずかしくないのか。

 政府は「日米地位協定は他の協定に比べ最も有利」と称していたが、その論理は完全に崩れた。韓国の主権国家としての自負心を見習うべきだ。早急に日米地位協定改定を提起してもらいたい。

 韓米地位協定は1967年の制定だ。当初は韓国側が自動的に刑事裁判権を放棄すると規定していたが、91年に新協定を結び、放棄の規定を削除した。

 95年からはさらに改正交渉を進め、01年に合意議事録を結んだ。12種の犯罪で身柄の引き渡し時期を判決後から起訴時に改め、要請があれば起訴前でも可能とした。

 12種には殺人、強姦や誘拐、放火、強盗のほか、薬物取引やこれらの未遂犯まで含まれる。飲酒運転による死亡事故もだ。

 引き渡し対象に殺人と強姦しか記していない日米間の規定より有利だ。それでも欠陥があった。「引き渡し後、24時間以内に起訴できなければ釈放する」という規定があり、事実上、引き渡しを不可能にしていたからだ。だが今年5月、韓米は運用改善で合意し、「24時間」の制限を撤廃した。

 身柄引き渡しは何もリンチをするためではない。米側が拘束すると言っても基地内で自由に動き回れる例が多く、証拠隠滅や口裏合わせがいくらでも可能で、犯罪者が罰を逃れかねないからだ。

 03年に宜野湾であった強盗では容疑者米兵の上司が口裏合わせの可能性を認めた。結果、犯人は3人組なのに2人しか起訴できなかった。強姦容疑で禁足処分を受けていた米兵が嘉手納基地から本国に逃げたこともある。現状の欠陥は明らかだ。

 韓米間の交渉は何度も決裂を繰り返した。それでも結実したのは韓国世論の強い後押しがあったからだ。米兵事件が沖縄一県に集中し、地域問題に押し込められて国民全体の世論が高まらない日本とは対照的だ。その意味でも米軍基地の沖縄偏在は改めるべきだ。

国連特別報告者見解の位置づけ 

「かの」読売新聞の報道なので、眉につばをつけて読む必要があるが・・・国連事務総長が、共謀罪法案に対する特別報告者の意見・疑問は、国連の総意では「かならずしも」ないと述べた由。当然のことだ。特別報告者の見解が、国連で議論され、そこで議決されて初めて国連の見解となる。また、特別報告者は国連人権理事会から指名されて任務を託された専門家であり、単なる個人ではない。特別報告者の見解は、国際的な専門家によるものであり、国連によって採択される可能性は十分にある。単なる個人の国連とは無関係の見解などでは決してない。

特別報告者は、共謀罪法案に必ずしも反対だと言っているのではない。プライバシー権と表現の自由を侵す可能性があるので、それを指摘し、改善する用意があるかとわが国政府に尋ねているだけ。それなのに、居丈高の菅官房長官は尻尾を踏まれた猫のような反応だ。共謀罪法案に大きな問題があるのは事実。テロ対策のための法案では決してない。

G7サミットに出かける前、安倍首相は空港で記者会見し、「自由、法の支配、民主主義」の価値を共有する国々と・・・と述べた。だが、これは彼が目指すところの対極なのではないか。共謀罪法案さらに憲法改正が、その方向性を突き詰めたものになるのだろう。

読売新聞は、政府広報紙であって、民間の報道機関の発行する新聞では決してない。

以下、「かの」読売新聞から引用~~~

テロ準備罪懸念は「総意でない」…国連事務総長

2017年05月27日 23時49分 読売新聞
 【タオルミーナ=田島大志】安倍首相は27日昼(日本時間27日夜)、国連のグテレス事務総長と主要国首脳会議(サミット)の会場で約10分間、会談した。

 グテレス氏は日本の国会で審議中の組織犯罪処罰法改正案(テロ準備罪法案)を巡り、国連人権理事会の特別報告者が懸念を伝える書簡を首相に送ったことについて、「必ずしも国連の総意を反映するものではない」との見解を明らかにした。

 首相は会談で、改正案は国際組織犯罪防止条約の締結に必要であることなどを説明。グテレス氏は、特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が「国連とは別の個人の資格で活動している」と指摘した。

 首相はまた、国連拷問禁止委員会が慰安婦問題に関する日韓合意の見直しを勧告する報告書を公表したことを念頭に、日韓合意の重要性を訴えた。グテレス氏は合意への賛意を示した。

朝鮮有事を煽る安倍政権 

米韓軍事演習は、北朝鮮の崩壊を想定して、ということは北朝鮮の崩壊を目指しての軍事演習だ。1970年代から綿々と続けられ、最近は毎年拡大され最大規模の記録を塗り替えている。また、昨年来米国は三発のICBM発射訓練を行っている。北朝鮮にとっては、堪らない軍事的圧力だろう。その結果が、北朝鮮の弾道ミサイル開発・核武装だ。軍事圧力だけでは北朝鮮問題が解決しないことを、この事実は意味している。

ここで、日本がこの軍事的な対立に一枚加わろうとしている。北朝鮮対米国の対立は、米国に理があり、さらに軍事力では米国が圧倒的に優位だ。米国の側に立つことは悪くないと判断したのだろう。だが、もし朝鮮有事になれば、我が国に回復不能なほどの被害が及ぶ。北朝鮮は、日本海沿岸の原発に攻撃を加えることが想定される。それによる、放射能汚染は、少なくとも西日本全体に及ぶ。原発攻撃による、放射能汚染については、安倍政権は口をつむぐ。

ミサイル攻撃を想定しての避難訓練は、ほとんど意味がない。ミサイルの着弾地が分からないことと、ミサイル発射から着弾までの時間が分単位と短時間だからだ。ミサイル防衛網は、それ自体の精度の問題もあるうえ、一度に多数のミサイル攻撃された場合は、無力である。ミサイル攻撃に対して、どのように避難すべきというのだろうか。

こうまでして、朝鮮有事を煽り、安倍政権は何を目論むのだろうか。

以下、引用~~~

政府 ミサイル落下想定の避難訓練 各地で実施へ
5月14日 4時17分
北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返す中、政府は、各地の自治体からミサイルの落下を想定した住民の避難訓練の実施に向けた相談が寄せられていることから、自治体側と調整したうえで、早ければ来月から順次、訓練を実施していく方針です。
北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返す中、政府はことし3月、秋田県男鹿市で弾道ミサイルの落下を想定した初めての住民の避難訓練を地元自治体などと合同で行いました。

政府関係者によりますと、このあとも北朝鮮が日本など関係国の再三にわたる自制要求に対し、強硬な姿勢を崩していないことから、山形県や新潟県、長崎県など全国の自治体から、避難訓練の実施に向けた相談が相次いで寄せられているということです。

政府は万が一の事態に備えて、訓練をできるだけ多くの地域で行いたいとしており、自治体側と調整したうえで、早ければ来月から順次、訓練を実施していく方針です。

安倍政権の扇動 

Jアラートの「初報」で、国民に「避難」を要請すると政府は決めたらしい。だが、ミサイルがどこに飛来するのか分からず、またミサイル攻撃を避けるには、どこに避難したらよいのか分からずに、ただ避難しろというのは、国民をパニックに陥れるだけではないのだろうか。武力攻撃を選択肢に加えた「すべてのオプションがテーブル上にある」という、トランプ大統領の北朝鮮に対する脅しともいえる発言を安倍首相は強く支持し、日本海に展開する米国の原子力空母との共同訓練という名の共同作戦にも海自の艦艇を参加させている。政府は北朝鮮危機を扇動することに熱心だ。

北朝鮮と米国の関係が、一触即発の状態にあるということはない。米国は、北朝鮮と外交的接触をすでに始めている。5月1日、日米首脳電話会談の内容はおろか、その実施したという事実まで非公表にされた。これは、慣例を破るものだ。どうも、トランプ大統領から安倍首相は、米国の北朝鮮との外交的接触の意図を聞かされて、それを隠すために、会談自体を非公表にしたと言われている。また、韓国在住の20万人の米国人に退避勧告が出る様子は全くない。もし米国の先制攻撃が始まるなら、事前に米国人の退避が始まるはずだ。米国国務長官は、米国の北朝鮮への先制攻撃はないと最近言明した。

こうした米朝関係を主体とした国際関係の動きにお構いなしに、北朝鮮危機を安倍政権は煽り続けている。

安保法制導入時も、外交安全保障上の危機を安倍首相は煽っていた。安保法制、集団的自衛権を導入すれば、「抑止力を増す」ことができる、という触れ込みだった。果たして、抑止力が高まったのだろうか。むしろ、わが国が戦争に巻き込まれるリスクが高まったのではないか。安倍政権が外交安全保障の危機を煽るとき、安倍政権が国内的な意図を隠しているのではないか。

以下、毎日新聞から引用~~~

 思い出してほしい。安倍内閣が、安全保障関連法案を閣議決定した2015年5月14日のことだ。安倍首相は記者会見で、安保法が必要な理由を国民にこう語り掛けた。

 「自衛隊機の緊急発進、スクランブル回数は10年前と比べて実に7倍に増えた。(中略)日本が危険にさらされた時には、日米同盟は完全に機能する。そのことを世界に発信することによって、抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていきます」

 全文は首相官邸のホームページに掲載されている。この説明に首をひねるのが、思想家の内田樹さんである。

 「安保法で『抑止力がさらに高まる』という。『さらに』は比較対象がなければ意味をなさない言葉です。記者会見で『抑止力』に関わる数値として唯一示されたのがスクランブル回数です。つまり、安保法施行後にこれが減少しなければ安保法は安全保障上、意味がないことになります」

 実際、他国は昨年3月に施行された安保法による「抑止力の高まり」は感じていないようだ。防衛省によると昨年4~12月のスクランブルは883回で、既に施行前の昨年度の873回を上回る。スクランブル回数の増減を抑止力のバロメーターとするなら、数字上は安保法に「結果」は表れていない。

 「スクランブルは1980年代には900回を超える年も珍しくなかったのに、そこには一切触れず、前代未聞の危機が迫っているかのような物言いをする。そもそも一国の法に過ぎない安保法で『抑止力が高まる』という言説自体がうそです。他国は日本の事情ではなく、自国の都合で動く。恣意(しい)的なデータ利用は安倍首相の一貫した特徴です」

 不安の時代である。だからこそ安倍首相は、景気の良い話をよく持ち出すのか、とも勘ぐってしまう。

南スーダンの飢餓 

南スーダンにPKOとして派遣した自衛隊に、「駆けつけ警護」という、国際的に通用しないおかしな呼称の業務を自衛隊員に命じることばかりに熱心だった安倍政権。これは実質内戦への直接関与でしかない。

南スーダンへの武器禁輸を求める国連決議には、「棄権」という実質反対行動を取った安倍政権。南スーダンの混迷を改善するには、武器禁輸が必須なのに、南スーダン政府の顔色を窺って、武器禁輸決議に賛成しなかった。

国内で政治の私物化を問題にされて、それから国民の目をそらすために突然自衛隊の南スーダンからの撤退を決めた安倍首相。

南スーダンで飢餓が進行している。安倍政権は、何も対応を取ろうとしない。こうした記事が出るだいぶ前から、現地の情報を得ているに違いないのだが、まるで何の対応も取らない。

エゴイズム丸出しの外交、さらには外交の私物化を続け、挙句のはてにはPKOを派遣した国の窮状を無視する安倍政権。国内にあっては、沖縄と福島への冷酷な対応と相通じるものがある。この政権は、弱い者、援助が必要な者にはきわめて冷酷だ。

以下、引用~~~

南スーダン、「人災」による飢饉で600万人の生命が危機に
AFP=時事 5/5(金) 21:22配信

南スーダン、「人災」による飢饉で600万人の生命が危機に

【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】南アフリカの慈善団体は5日、飢饉(ききん)に見舞われている南スーダンやその周辺国で、年末までに計600万人の命が危険にさらされる可能性があると警告した。一方で国際社会は、最悪の事態を防ぐために必要とされる44億ドル(約4940億円)の支援金の調達に苦慮している。

 慈善団体「ストップ・ハンガー・ナウ・南アフリカ(Stop Hunger Now Southern Africa)」の代表、サイラ・カーン(Saira Khan)氏は、国際社会が南スーダンに支離滅裂な対応をしているため、数百万人の命が脅かされていると警鐘を鳴らした。

 カーン氏は「非常に暗たんたる状況だ。多くの非政府組織(NGO)や各国政府には、何をする必要があるかという点について多くの混乱がみられる」と指摘。「その地域は困難に直面しており、われわれが何もしなければ、飢餓によって年末までに600万人を死なせることになる」と述べている。

 今年2月、南スーダンと国連(UN)は、同国北部のユニティー(Unity)州を中心とする複数の地域で飢饉が発生していると公式に宣言。国連の担当者らは、避けることもできた「人災だ」と述べていた。

 2011年にスーダンからの独立を勝ち取った南スーダンは、サルバ・キール(Salva Kiir)大統領とリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領による権力争いが2013年12月、内戦にまで発展。これまでの死者は数万人に上り、350万人が避難を余儀なくされた。 【翻訳編集】 AFPBB News

危機を煽る者たち 

今朝。北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、すぐに失敗したようだ。

それに対する、わが国の反応が、滑稽である。都内の「地下鉄」が点検のために一時ストップしたのだ。なぜ「地下鉄」なのか?それに、ミサイル発射のニュースと同時に「失敗した」ことも伝えられているはずだ。失敗したミサイル発射に対して、なぜ対応するのか?

このボケた対応に、わが国政府の意図が見える。政府は危機を煽りたいのだ。それが、現在進行中で日に日にやばい状況になっている森友学園問題を覆い隠す。また、世論の改憲・軍拡への賛成が増える。そう読んでいるのだろう。

米国トランプ政権も、危機を作り出し、煽ることに熱心だ。トランプ大統領は、北朝鮮との大きな衝突がありうる、とまたアナウンスしている。一方、韓国に配備したTHAADの費用1100億円を韓国に支払うようにトランプ大統領は求め、韓国政府に拒否されている。どうやら日本もTHAADを導入する様子だ。わが国政府は、諾々としてその費用を米国に支払うのだろう。THAADへ情報をもたらすAN/TPY-2レーダーが、ミサイル軍備のバランスを崩し、米国と中国の間でさらなる軍拡が始まるとも言われている。そうすると、それに追随して、我が国もミサイル防衛を新たにする必要が出てくる。国家予算が軍事費に食い荒らされることになる。

北朝鮮の危機を煽っているのは、米国であること、そのアジテーションによって利益を得るのは米国であり、安倍政権であることを忘れないようにしよう。

ポピュリズム政治家による、本当の危機 

このニュースには驚いた。いや、単なる脅しの応酬なのかもしれないが、核の均衡は思わぬところから崩壊する可能性がある。ロシアその他の核爆弾保有国の核が実際に使われたら、地球上から人類は完璧に亡ぶ。英国人の知り合いに、この防衛相について尋ねたら、近年英国の閣僚の質が落ちていると困った様子だった。ロシアと西欧諸国の間に軋轢があることは事実だろうし、ロシアのクリミア併合で緊張が高まっていることも事実なのだろう。だが、核武装を前面に出して緊張を煽るべきではない。

東アジアで緊張を高めているのがトランプだ。その同じ英国人の友人が言うには、彼は何をしだすか予測がつかない、それが問題だ、ということだ。AFPのこの記事もそうだと頷かせる。

世界各国でポピュリズム政治家が跋扈しだした。彼らは危機を煽って、自らの政権基盤を固めようとする。

我らがポピュリズム政治家達(安倍政権閣僚達)は、北朝鮮危機を煽っておきながら、このゴールデンウィーク中、半数は外遊するらしい。外務省では四日間大臣・副大臣すべて同時に外遊で出払う。核戦争の危機を煽り、サリン攻撃があると言い募りつつ、この緩みっぷりは見ものだ。これも別な形の危機だ。こうした連中に外交・政治を任せておいて良いのだろうか。

ニューズウィークより引用~~~

英「ロシアに核の先制使用も辞さず」── 欧州にもくすぶる核攻撃の火種
Russian Senator: U.K. Will Be 'Wiped Off the Face of the Earth' If It Uses Nuclear Weapons
2017年4月26日(水)19時28分
トム・オコナー

1952年、アメリカがマーシャル諸島で行った初の水爆実験 REUTERS
<イギリスのファロン国防相が「核兵器の先制使用も選択肢」とロシアを威嚇。ロシア側はイギリスを「地上から抹殺する」と応酬するなど、ヨーロッパでも緊張が高まっている>

ロシアの政府高官がイギリスに噛みついた。イギリスの防衛相がロシアに対する核兵器の先制使用も選択肢になると示唆したのに対し、ロシアは直ちに反撃し、イギリスを壊滅させると応酬した。

ロシア上院国防安全保障委員会のフランツ・クリンセビッチ委員長は月曜、「ロシアの反撃を受けてイギリスは文字通り地上から抹殺されるだろう」と言った。ロシアのモスクワ・タイムズ紙によると、マイケル・ファロン英国防相はそれより前に英BBCのラジオ番組に出演し、イギリスは核による先制攻撃も辞さないと発言した。

【参考記事】ロシア戦闘機がNATO演習に「乱入」

「極限まで差し迫った状況になれば、先制攻撃の手段として核兵器を使用する選択肢を排除できないという立場を、我々は非常にはっきりと示してきた」とファロンが同番組で語ったと、英インディペンデント紙が報じた。

核兵器の使用が正当化されるのは具体的にどんな状況かと司会者が尋ねると、ファロンはこう切り返した。「抑止力で最も重要なのは、我が国を標的にして核兵器を使用する意図がありそうな敵に対し、(もしかすると相手も撃ってくるかもしれない、と)躊躇する余地を残すことだ」

イギリスは核兵器保有国9カ国に含まれ、保有する核弾頭数は推定215発。一方、世界最大の核兵器保有国とみられるロシアは、推定7300発の核弾頭を保有、核戦力の増強も計画中だ。クリンセビッチはファロンの脅しは口だけだと一蹴した。

対立が深まるロシアと西側諸国
クリンセビッチは第二次大戦末期の1945年に、アメリカが日本の広島と長崎に原子爆弾を投下したことにも言及。偉大な大英帝国の時代が終焉したように、核攻撃で一方的に勝てる時代は永遠に過ぎ去ったと言った。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアジア・アメリカ研究センターによると、日本での原爆投下により少なくとも22万5000人以上が犠牲になった。

イギリスは、アメリカやフランス、ドイツなど多数の西側諸国と足並みをそろえ、クリミア併合以来のロシアの著しい拡張主義に批判を強めてきた。NATO(北大西洋条約機構)とロシアはヨーロッパの国境付近で軍備増強を進め、挑発的だと互いを非難している。

【参考記事】もし第3次世界大戦が起こったら

アメリカは昨年、ロシアの軍事的圧力の高まりに対抗してNATOの防衛力を強化するため、バルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)とポーランドに4つの多国籍軍部隊を展開した。ロシアはリトアニアとポーランドの間の飛び地カリーニングラードに核搭載が可能なミサイルを搬入し、バルト海周辺で軍事演習や訓練を繰り返している。

【参考記事】ロシアが東欧の飛び地カリーニングラードに核ミサイル配備?

米国原子力空母は、オーストラリアに向かっていた 

トランプ大統領・米国政府首脳が、原子力空母カールビンソン等を朝鮮半島海域に派遣するとアナウンスした4日後、同艦隊は、インドネシア海域をオーストラリアに向かって航行していたと報じるNYPの記事。こちら。NYTも、報じている。こちら。

この政権と国防省の間の祖語がどうして起きたのかは分からない。スティーブバノンをNSCから外し、防衛軍事の主要ポスト、さらには他の政府省庁の主要ポストが、既存のエリート層によって占められてきている(トランプは、選挙戦ではその排除を訴えていた)ことと関係しているのか、トランプ大統領の妄想的な発言でしかないのか・・・。

トランプ大統領の言葉の重みがさらに失われることは確かだろう。

トランプ大統領の発言を歓迎し、カールビンソンに海上自衛隊の艦艇をつけるとしていた、安倍首相も恥をかかされたものだ。

米国と北朝鮮の間の危機 

米国政権は、クリントン、ブッシュ政権下で三度北朝鮮への武力行使を考えたことがあった。1994年のクリントン政権下でのシミュレーションは、辺真一氏のブログから引用すると・・・

全面戦争という最悪のシナリオに備えクリントン大統領は1994年5月19日、シュリガシュビリ統合参謀本部議長らから戦争シミュレーションのブリーフィングを受けた。シミュレーションの結果は「戦争が勃発すれば、開戦90日間で▲5万2千人の米軍が被害を受ける▲韓国軍は49万人の死者を出す▲戦争費用は610億ドルを超える。最終的に戦費は1千億ドルを越す」という衝撃的なものだった。

いずれも、あまりに大きな代償となるために見送られた。現在は、この被害予測はさらに拡大することだろう。

現在、北朝鮮は核弾頭とICBMの開発を終えつつあり、米国にとって北朝鮮の脅威はさらに大きくなった。そして、支持率の伸び悩むトランプは、一か八かの賭けに出る可能性がある。

上記の損害予測に加えて、わが国の米軍基地と原発が攻撃対象になる。韓国の経済・国家体制はほぼ崩壊することだろう。わが国も、大都市・原発地域に壊滅的な損害の出る恐れがある。北朝鮮のミサイル施設を一瞬にしてすべて破壊することはできない。また、ミサイル防衛網も日本全土をカバーしていないし、一斉に攻撃を受ける飽和攻撃への迎撃に対しては機能しない。

日本政府が、米国政府に対して、北朝鮮攻撃の際には事前協議をするように申し入れたらしいが、直前の事前通告しかないのではないだろうか。これほど深刻な全面戦争に至るはずの攻撃に際して、米国は、同盟国の日本だろうが、手の内を明かすことはしないだろう。トランプ大統領という、予測不可能な政治家が相手であることも、この危機がいつ現実のものとなるかを予測するのを難しくしている。この軍事的な危機に際して、わが国にできることは今のところ何もない。近い将来、核武装したところで、それがこうした戦争を抑止することにはならない。

安倍首相は、国民の安全を保障すると言っているが、それには何の根拠もない。日米安保条約は、結局、米国の安全保障にとって必要とあれば、同盟国日本をも切り捨てる軍事条約であったことが明らかになった。米国の軍事基地をこれほどわが国に抱えることが、むしろリスクファクターである、ということだ。自衛隊の規模はすでに世界有数だ。専守防衛であれば、機能する規模だ。米国の核・軍事力の傘がむしろリスクをもたらすことをこれを機会に学ぶ必要があるのではないだろうか。