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読むことと書くこと 

「英文法の魅力」という本に、英語のヒアリングを上達するためには、音読をすることだと記されていた。どうもこれは常識の範疇のことらしかったが、私には新しい知見だった。正確な発音での音読を遅まきながらしてみようと思った。

それと同時に、ヒアリングと音読の関連を、CWの受信に当てはめるとどうなるか、を考えた。以前にも記したように、CWの受信は、読解と密接に関連している。とすると、書くこと、作文が、対になるべき事項なのではないか、と考えた。ともに文字ベースの作業であり、読むことは受動的な作業、一方作文は能動的な作業である。ヒアリングの受動性と、音読の能動性と同じ関係になるのではないか、ということだ。音読も、ネーティブの発音を真似て声に出すだけで、受動的とも言えるが、ただ受け取るのではなく、意識にのぼる言葉を声に出すという能動性は確かにある。作文は、書く内容を考え、それを表現する適切な文章を作り、そのスペリングを想起するという作業で、音読よりも、能動性という点でははるかに高度の作業だ。しかし、両者は能動的であるという点で共通するものを持っている。

で、読むことと記すことの、脳科学的な関連を示す文献を少し漁ってみた。下記の文献がヒットした。同一人物で読み・書きの作業をするときに、脳のどの部分が活性化するかを機能的MRIで検討した研究である。左側頭葉の紡錘回という領野が活性化するという結論であった。顔認識のことも触れられているが、そちらは直接関係しないので省略。紡錘回という領野が担当すると思われる機能は、

1.色情報の処理
2.顔と身体の認知 (紡錘状顔領域 (FFA : fusiform face area))
3.単語認知
4.数字認知
5.抽象化

等があるらしい。単語認知・抽象化という点で、読み・書きの機能がオーバーラップするのだろうか。読み・書きをするときに、同じ領野が活性化するということを示しただけに過ぎないが、機能面でも両者が密接に関連していることを示唆するのだろう。

とすると、読む=CWの受信をするという作業が上達するためには、書くことの訓練も必要になる、と言えるのかもしれない。CWに関してだけでなく、英文を読むうえでも、英語を用いて作文する能力がお互いに高めあう関係にあると言えるのかもしれない。英作文は、例文をたくさん覚えて、それを直接応用するだけという単純な学習になることが、少なくとも受験レベルでは多いが、読解能力を高めるためにも、英作文という能動的な作業をもっと行うべきなのだろう。

私も、そのつもりで英文ブログを書くようにしたい・・・でも少し遅きに失したか 笑。遅すぎることはないと信じて頑張ろう。


以下、Pub Medよりの抄録を引用~~~

Cogn Neurosci. 2011 May;23(5):1180-97. doi: 10.1162/jocn.2010.21507. Epub 2010 Apr 30.

The literate brain: the relationship between spelling and reading.

Rapp B, Lipka K.


Source

Department of Cognitive Science, Johns Hopkins University, Baltimore, MD 21218, USA. e-mail: rapp@cogsci.jhu.edu


Abstract


We report the results of an fMRI investigation of the neural bases of written language comprehension (reading) and production (spelling). Both tasks were examined in the same individuals, allowing greater precision in establishing the relationship between the neural underpinnings of these two cognitive functions. Also examined was the relationship between written language substrates and those involved in face and object (house) processing. The results reveal that reading and spelling share specific left hemisphere substrates in the mid-fusiform gyrus and in the inferior frontal gyrus/junction. Furthermore, the results indicate that the left mid-fusiform substrates are specifically involved in lexical orthographic processing. We also find that written language and face processing exhibit largely complementary activation patterns in both the fusiform and the inferior frontal/junction areas, with left and right lateralization, respectively. In sum, these results provide perhaps the strongest evidence to date of components that are shared by written language comprehension (reading) and production (spelling), and they further our understanding of the role of literacy within the larger repertoire of cognitive operations and their neural substrates.